伴走型インハウス支援 事例紹介: 株式会社日本旅行
外部環境の変化や人事異動に強いインハウス広告運用の体制構築を強力にご支援
アタラの評価ポイント
- 2010年より広告運用を開始。運用ノウハウの習得、最新の知識習得のため、アタラのインハウス支援を導入
- 長期的な取り組みだからこそ、運用方針の変遷や社内環境の変化にも柔軟に対応
- ポストCookie時代・アフターコロナ時代も変わらず成果を出すための最適解を共に考える
株式会社日本旅行
ICT営業推進部
川倉 優貴様
コーポレートサイト:https://www.nta.co.jp/
明治38年創業の日本最初の旅行会社である株式会社日本旅行では、1998年という早期からデジタルマーケティング部署を設立し、2010年より運用型広告をインハウス化、現在までの長きに渡り、アタラの伴走型インハウス支援をご導入いただいています。
本記事ではご導入の経緯から、具体的な実施内容、そして今後アタラにどのようなことを期待されているのかを、アタラのマーケティングチームがインタビューしました。
■2010年よりインハウス運用を開始。運用ノウハウの習得、最新の知識習得のため、アタラのインハウス支援を導入
―まずは自己紹介をお願いします。
川倉:ICT営業推進部の川倉と申します。私の所属する株式会社日本旅行は明治38年創業の、日本最初の旅行会社です。「赤い風船」などの国内パック旅行を強みとしています。
また、日本の旅行会社としては珍しいかと思うのですが、デジタルマーケティング事業のほとんどをインハウス化しており、「ICT営業推進部」がインハウス運用の役割を担っています。
私自身は2015年7月からWebマーケティングチームに加入し、現在はウェブ広告の運用の統括を担当しています。
―デジタルマーケティングのインハウス運用を長年実施されている御社ですが、インハウス運用開始当初からアタラの「伴走型インハウス支援」メニューをご導入いただいています。そもそも、弊社をご採用いただいたきっかけはどういったものだったのでしょうか。
川倉:他社に先駆けてホームページで国内宿泊のインターネット販売を開始すべく、1998年にメディアミックス部(ICT営業推進部の前身)が設立されました。その際に「オンラインで売るなら、インターネット広告にも取り組まなければならない」という話になったのですが、当時は自社サイトに旅行商品を掲載する業務がメインで、広告運用は外部の広告代理店さんにおまかせしていました。
―メディアミックス部の設立当初は、外部に委託されていたのですね。
川倉:そうなんです。インハウス運用を開始したのは2010年頃からです。理由としてはコストを抑えるという意味もありましたが、社内の人間が有する旅行に関する豊富な知識や自社データを広告のクリエイティブやターゲティングに活かすべきだと考えたからです。
しかし広告運用に関する知識やインハウス体制での組織運営のノウハウは持っていなかったため、2010年からアタラさんに伴走をお願いすることになりました。
※参考リンク:株式会社日本旅行様のインハウス体制について
https://www.atara.co.jp/unyoojp/2019/01/totsugeki-nta/
―ありがとうございます。現在、毎週1回3時間の定例ミーティングを実施していますが、具体的にはどのようなことをご相談いただいているのでしょうか。
川倉:毎回のミーティングではアタラの清水さんに参加していただき、デジタルマーケティング業界の最新情報をチーム全員に対して共有していただき、その後はチームメンバー個々の目標達成の進捗確認や担当箇所の壁打ちや、課題の相談に乗っていただいています。
加えて、通常の広告施策だけでなく、オフラインとかけ合わせた店舗誘導施策やFacebook広告のようなソーシャル広告の配信、BIツールを使ったレポートテンプレートの構築など特定のタイミングでは、それらに造形の深いコンサルタントの方にもご参加いただき、適切に運用のアドバイスをいただいています。
―運用型広告をインハウス運用する際に、各広告媒体の最新の情報のキャッチアップが難しいという話を耳にすることがありますが、どのような点でアタラはサポートしているのでしょうか?
川倉:弊社には各広告媒体社の担当者の方がついてくださっているので、最新の情報自体は収取できるのですが、それを自社の施策にどう活かすかという点での最適解はわからないので、日々アドバイスをいただいています。
また、年に一度、社内のデジタルマーケティング部署メンバーと広告媒体各社が集って、自社のデジタルマーケティングの今後についてディスカッションを行ったりする「日本旅行サミット(NTAサミット)」の開催にもご協力いただいています。
―NTAサミットはどのような経緯で開催するようになったのですか。
川倉:発案者は、アタラの清水さんです。Google 広告はGoogle社の担当者、Yahoo!広告はヤフーの担当者といったように個別にアポイントを取り、媒体ごとのアカウントの状況などを相談し、ご提案をいただくのが普通かと思うのですが、質問内容はどの媒体もほぼ同じですし、それであれば全員が一同に介して日本旅行にとって一番良い広告の運用方法とは何かを話し合えば良いのではないかという話になりました。こういった回を開くためには、広告媒体社、弊社、アタラさんの三社の信頼関係がとても大事だと思います。
―NTAサミットは毎年やっていらっしゃるのですか。
川倉:基本的に毎年開催しています。当初は前述のように広告媒体社が一同に介して弊社の課題を解決する場だったのですが、最近は「夏旅行のトレンド」や「O2O(Online to Offline)」など、その時々の時流に合わせたテーマで開催しています。
弊社のデジタルマーケティングに関わる部署が勢揃いするので、部署を横断して課題解決のために足並みを揃えられる良い機会にもなっています。
NTAサミットの様子
■長期的な取り組みだからこそ、運用方針の変遷や社内環境の変化にも柔軟に対応
―デジタルマーケティング組織が設立された2010年から現在までの間に、当然メンバーの入れ替わりもあったのではないかと思います。広告運用に関する知識の引き継ぎや、組織体制の維持はどうされているのでしょうか。
川倉:メンバーの入れ替わりはこれまでに何度もありました。当然、これまで広告運用にまったく携わってこなかった者ばかりで、最初は「きほんのき」も知らない状態です。そのため、新しく転属してきたメンバーに対しては「日本旅行において、なぜ広告を出す必要があるのか」といった根本的な考え方の部分から、毎回レクチャーしていただいています。また、各メンバーの広告運用領域における人事査定の目標設定の相談にも乗っていただいたりもしています。長年にわたって弊社のマーケティングに携わっていただいているので、広告運用の変遷や社内の状況をご理解いただいているからこそ、目標設定という非常にデリケートなトピックスまでご相談できると考えています。
―多方面で信頼を寄せていただき、ありがとうございます。インハウス支援メニューをご導入いただき、どのような効果を感じていらっしゃいますか。
川倉:広告数値的の点では、私がICT営業推進部にジョインした2015年と2019年の販売額を比較すると250%の伸び率にまで成長しました。その間にチームメンバーが変わったり、外部要因による組織弱体化の危機もあったのですが、その時々の課題に沿った運用改善のコンサルティングをしていただくことで、広告効果を維持できています。
世界中で旅行商品をウェブ予約するトレンドは加速していますし、その波に飲まれないように弊社の商品もどんどんウェブ販売に移行しています。それに合わせて広告アカウントの構造を日々最適なものに維持できているのは、アタラさんのおかげだと思っています。
■外部環境が変わっても変わらず成果を出すための最適解を共に考える
―欧州でのGDPRの施行や、Googleの3rdパーティ Cookieの廃止など、デジタル広告業界は今大きな転換期に来ていると思います。そうした状況においての今後の貴社の展望と、今後アタラに期待することをお聞かせいただけますか。
川倉:おっしゃるとおり、Cookie問題は事業会社にとって早急に対応するべき大きな問題です。また、旅行業界はCOVID-19の影響により打撃を受けており、これまで主流であった店舗販売からウェブ販売へとシフトする動きが加速しています。
そうした中で、運用型広告においてもこれまでの施策の踏襲では販売拡大は難しいと思います。おかげさまで、アカウント構成の土台や各メンバーの広告運用の基礎知識の習得はほぼ完了しているため、今後は自社データをどのように活用し、効率的なマーケティングを実践していくかを中心に引き続きご相談させていただければと思っています。
―引き続き、業界の最新の動向とそれを踏まえた貴社にとっての最適解をご提供できるように、尽力していきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
※参考リンク:株式会社日本旅行様のgluご導入事例
https://www.atara.co.jp/solution_services/case/nta-glu
同事例を担当するコンサルタント
特に運用型広告×コーチングを絡めた「人」に寄り添ったコンサルティングを心がけており、伴走型インハウス・広告運用トレーニング・アトリビューション分析を得意としている。
書籍「運用型広告 プロの思考回路」、「海外カンファレンスの歩き方」 MarkeZineでの執筆など多数。
・アドテック九州登壇
・コーチング塾Integrity 卒業