Microsoft 広告について掘り下げる連載「Microsoft 広告アカウントマネージャーに聞く」。第26回ではマルチフォーマットキャンペーンのローンチなどについてお伝えしました。第27回では2025年4月1日発表のアップデート内容をお伝えします。
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目次
テストフィードとプライマリフィードにより、ショッピング キャンペーンの管理が簡単に
ショッピングキャンペーンの管理をより簡単にし、効率を向上させるためのアップデートが実装されました。
一つ目のアップデートとして、広告主が同じ商品ID、マーケットを使用しても、ライブリストに影響を与えることなく、バリデーションエラーを簡単にテストできる新しいテストフィードが追加されました。それに伴い、UIに以下の変更が加えられました。
オンライン製品フィード内の「公開を有効にする」のチェックボックスが「テスト メッセージのみにフィードを使用する」のチェックボックスに変更されました。これにより、ライブフィードとテストフィードの明確な区別が可能になりました。
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テストフィードにアップロードされた商品はストア概要には表示されないため、ライブの商品データの正確性と一貫性が保たれます。
意図しない変更を防ぐため、テスト用チェックボックスの切り替えによってフィードが再処理されることはありません。もともとテストとしてマークされていたフィードの設定を無効にした場合は、そのフィード内の商品を再送信する必要があります。
また、すでにアクティブなフィードを「テスト専用」として有効にした場合でも、完全にテストモードへ移行するまで数時間は商品が引き続き配信される可能性があります。
二つ目のアップデートは、新しいプライマリーフィードによるローカル在庫広告の設定簡略化が実装されたことです。
これまでローカル在庫広告を設定するには、以下の三つのフィードが必要でした:
- オンライン商品フィード(オンラインフィード)
- ローカル商品フィード(ローカルフィード)
- ローカル商品在庫フィード
新たに導入された「プライマリフィード」により、このプロセスが簡素化されました。
今後は、以下の2のフィードだけで設定が可能になります:
- プライマリフィード
- ローカル商品在庫フィード
これにより、設定作業が簡単になり、全体の複雑さも軽減されます。
ローカル在庫広告を実施していない場合、4月1日よりオンライン商品フィード(オンラインフィード)は自動的に「プライマリフィード」へアップグレードされます。
この変更による現在のショッピングキャンペーンの配信やパフォーマンスに影響はないとのことです。
すでにローカル在庫広告を実施している場合、現在のキャンペーンに変更はありません。
今後数か月かけて、現在のフィードを「プライマリフィード」へ移行するとのことですが、その前に正式なアナウンスがあるとのことです。
オーディエンス広告、多数アップデート
1つ目のアップデートとして、広告内でユーザーに対し同意事項や法的通知を伝える必要がある広告主に向けて、オーディエンス広告向けの「免責事項(ディスクレーマー)」機能がリリースされました。
この機能により、ネイティブ広告を配信しながらも、業界の規制や法的要件に準拠しつつ、消費者に対して明確で透明性のある情報提供が可能になります。
現在、免責事項(ディスクレーマー)は、ネイティブ広告を使用したオーディエンス広告に追加が可能ですが、ディスプレイ広告、オンライン動画広告、コネクテッドTV広告では免責事項のサポート対象外となります。
今後数か月のうちにPMaxキャンペーンでの免責事項対応が予定されており、進展があり次第、案内があるとのことです。
二つ目は、動画広告で長尺対応及びサポートサイズが拡張がされたことです。
動画の長さが最大90秒まで対応するようになり、また9:16(縦型)サイズの動画をMicrosoft Advertising ネットワーク内の配信面で使用できるようになりました。
そして三つ目は見出しの文字数拡大です。オーディエンス広告の短い見出しに入力できる文字数が、30文字から40文字に増えました。これにより、広告内でより多くの情報を伝えることが可能になります。
PMAXキャンペーン、LinkedInプロファイルターゲティングの対象エリア拡大 他
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LinkedInプロファイルターゲティングが利用できる地域が拡大
対象地域には、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、フランス、ドイツなどが含まれます。対象地域の一覧はこちらから確認できます。
対象地域:https://help.ads.microsoft.com/#apex/ads/en/50873/0 -
オーディエンス分析レポートとアセット単位のコンバージョン指標が利用可能に
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一部の最終URLのクリーンアップが開始
GoogleからインポートされたPMAXキャンペーンで、Webサイトのクロールや自動アセット生成の精度を高めるため、特定の最終URLの整理が行われます。これにより、検証エラーの防止とパフォーマンス向上が期待されます。広告主側での対応は不要とのことです。
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広告プレビューとアスペクト比の更新
Microsoft 広告の配信面に適切に対応するために、広告プレビューとサポートされるアスペクト比が更新されます。
新たに追加されるアスペクト比と削除されるアスペクト比は以下の通りです。追加:2.01:1、1.69:1、1.53:1、1.24:1
削除:1.78:1、1.33:1、1.5:1こちらも広告主による操作は不要とのことです。
最新のクリエイティブ仕様については以下リンクをご参照ください。※参考リンク:
インポートされた全キャンペーンで最低入札額の引き上げを実施
2025年3月25日以降、Microsoft 広告では、キャンペーンのインポートを円滑に行うため、インポートされたキャンペーンの入札額を自動的に最低入札額まで引き上げる処理が行われるようになりました。
この入札額の引き上げは広告主側で無効化することは不可とのことです。
詳細な最低入札額や予算については、以下リンクをご参照ください。
※参考リンク:
今回の発表についてのコメント(大野)
今回のアップデートでは、ショッピングキャンペーンやオーディエンス広告、PMAXキャンペーンなど複数のプロダクトにまたがって細かい改善が行われており、運用現場における使い勝手の向上と広告パフォーマンスの最適化を意識した内容が目立ちました。
PMAXキャンペーンにおいては、細かいレポートが見れるようになったことで、今までより効果的な施策や改善案を考えやすくなりますね。
Unyoo.jpでは、引き続きMicrosoft 広告のアップデートに注目してまいります。