目次
はじめに
昨今、AIの活用が各方面で加速していますが、Meta広告においてもAIや自動化を導入したアップデートが多数実装されました。また、公式なアナウンスがなく、サイレントでアップデートされることも見受けられましたが、こちらの記事ではMeta社が発表した主要なアップデート内容をまとめましたので、ぜひご一読ください。
Advantage詳細ターゲティングの利用可能範囲を拡大
2024年1月23日にマーケティングAPIを使用している広告主とパートナーを対象として以下のアップデートが実施されました。
- インプレッション、動画再生数、リーチ、エンゲージメント、広告想起リフトを最適化ポイントとして設定しているキャンペーンでは、Advantage詳細ターゲット設定へのオプトインが選択可能になる。
- リードに最適化されているキャンペーンはAdvantage詳細ターゲット設定が自動的に適用され、オプトアウトが選択可能となる。
- リンククリックまたはランディングページビューを最適化ポイントとしているキャンペーンでAdvantage詳細ターゲット設定が自動的に適用される。オプトアウトの選択は不可。
※参考リンク：
Expanding the availability of Advantage detailed targeting｜Meta News for Developers
Instagramにてプロモーションコード付き広告の提供開始
2024年3月、Instagramにてプロモーションコード付きの広告の提供を開始することが発表されました。広告のメインテキスト部分にプロモーションコードを記載することで、ユーザーはよりお得に買い物ができ、広告主はInstagram経由での売上増加が期待できます。該当の広告をクリックし、アプリ内ブラウザから広告主のWebサイトでチェックアウトを行った場合、該当のクーポンコードが自動的に適用される仕様のようです。Meta社によると「クーポンコードをハイライト」をオンにして作成されたキャンペーンでは、購入単価の中央値が9%低下し、Webサイト購入のコンバージョン率の中央値が10%上昇したとのこと。
※参考リンク：
Highlight Your Promotions in Meta Ads Manager | Meta Business Help Center
生成AIを活用した広告テキストおよび画像作成の提供開始
2024年5月には生成AIでのクリエイティブ制作に関するサポート強化が発表されました。テキストオーバーレイの機能を活用して、オリジナルの画像を基に複数の画像生成が可能になりました。例えば、商品画像の背景を自動的に生成したり、広告フォーマットに応じたアスペクト比に調整したりすることができます。具体的には、コーヒーのビジネスを例にすると、湯気が立つコーヒーカップの背景を緑豊かな農場の風景に置き換える、といったことが可能になります。また、画像だけではなく、広告の見出しやメインテキストのバリエーションを自動生成する機能も追加されました。
画像引用元：Introducing Enhanced Gen AI Features and Other Tools to Help Build Your Business｜Meta
※参考リンク：
Introducing Enhanced Gen AI Features and Other Tools to Help Build Your Business｜Meta
サイトリンク提供開始
Facebookモバイルフィードへの広告配置においてサイトリンク付きの広告が配信可能となりました。この機能により一つの広告で複数の遷移先を設定することが可能となります。サイトリンクは、メイン画像または動画の下に横スクロール可能な表示ラベルとして表示されます。自動と手動で設定可能で、広告の編集画面にてクリエイティブの設定のセクションに入力されたWebサイトから動的に取得する方法と、自動で表示されるおすすめされたサイトリンクを削除し、サイトリンクを手動で追加することができます。サイトリンクを使用する際は4件以上追加する必要があり、最大15件まで登録が可能です。
※参考リンク：
Create Ads with Site Links in Meta Ads Manager | Meta Business Help Center
アカウントレベルで配置除外のコントロールが可能に
従来、広告セット単位での設定をしていた広告の配置について、一部の配置においてアカウントレベルでの除外が可能になりました。
※参考リンク：
Set account controls for your ad account | Meta Business Help Center
詐欺広告に対する取り組み強化
機能アップデートとは異なりますが、話題にもなったトピックのため取り上げます。2024年7月にMeta社より詐欺広告に対する対策についてアナウンスがありました。
主な取り組み
- 詐欺広告検出強化
- 日本語や文化的背景に精通したチームと高度な検出技術を組み合わせ、詐欺広告や偽アカウントを迅速に特定。
- 機械学習を活用し、広告配信前や数分以内に悪質なアカウントを無効化。
- 著名人画像の悪用対策
- 不審な広告主への早期対応を徹底。広告の却下や広告活動の制限を強化。
- 広告主の審査基準の厳格化
- 電話番号認証などのプロセスを導入し、透明性を向上。
※参考リンク：
詳細ターゲットでの除外廃止
2024年7月29日をもって、詳細ターゲット設定の除外が使用できなくなりました。特定のオーディエンスを除外する必要があるビジネス向けには、広告を表示する人を制限するための別の方法が提供されます。新規作成の広告セットでは詳細ターゲット設定の除外が使用不可となり、既存広告セットで詳細ターゲット設定の除外を使用している場合は警告バナーが表示されます。2025年1月31日までは既存のキャンペーンに影響はないものの、2025年1月31日以降、詳細ターゲット設定の除外を使用したキャンペーンは停止されますので、ご注意ください。
※参考リンク：
Updates to Detailed Targeting | Meta Business Help Center
キャンペーン最適化のアップデートによりパフォーマンスを改善
大きく以下の3点のアップデートがありました。
- コンバージョン値への最適化
- 従来、コンバージョンのみへの最適化でしたが、バリュー重視の最適化への移行が可能になりました。将来的には利益や予測顧客生涯価値など、新たに定義される価値への最適化機能が導入される予定とのことです。
- コンバージョン値のルール
- 新たな機能として「コンバージョン値のルール」を導入するため、テストが実施される予定です。同機能が実装されると広告主は、特定の顧客層のみに対して入札価格を調整することが可能となります。
- インクリメンタルコンバージョン
- インクリメンタルコンバージョンに対して最適化し、これをレポートする新しいオプトインアトリビューション設定が導入される予定です。
インクリメンタルコンバージョンとは、広告が表示されなければ発生しなかったとみなされるコンバージョンを指します。
- インクリメンタルコンバージョンに対して最適化し、これをレポートする新しいオプトインアトリビューション設定が導入される予定です。
※参考リンク：
Campaign Optimization Updates to Improve Advertiser Performance | Meta for Business
マーケティング API 経由で利用できるリマインダー広告の機能を追加
2024年8月19日より、InstagramマーケティングAPIで利用できるリマインダー広告の機能が拡充され「Instagramリールでリマインダー広告をユーザーにリーチさせる」「適切な期間内にリマインドする」「ThruPlayまたはリーチに最適化している広告にイベントを追加する」ことなどが可能になりました。
※参考リンク：
Supporting additional reminder ads features via Marketing API｜Meta News for Developers
まとめ
AIでの画像生成は、制作コストの削減にもつながり、かつ、新たなアイデアを生むきっかけにもなりそうですね。ターゲティングについても自動化・AI活用が進んでいて、全体的にAIの積極的な導入姿勢を感じられます。よい広告運用をするには、AIに任せきりではなく、AIを理解し、うまく使いこなすことが必須となるでしょう。こちらに記載した内容は主に公式アナウンスのあるものになりますが、Meta広告では公式でアナウンスされず、サイレントアップデートされる機能も多くあるため、気づいたら変わっている…！ということも多々ありますので、Xなど他のSNSでも情報を集めるのがよいでしょう。
facebook
X (twitter)
LINE
