GroupMが毎年恒例の広告費予測を発表
WPPグループのGroupMは、2023年12月4日(月)、2023年および今後のグローバルの広告費予測を発表しました。
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今後5年間で年平均5.6%の成長へ
2023年末現在、世界の広告市場は、インフレ、高金利、中国経済の低迷、パンデミックの影響が残るにもかかわらず、年率5.8%の成長ペースを維持している。名目成長率は2024年にやや減速するものの、5年間の見通しは引き続き堅調で、リテールメディアとデジタル・アウト・オブ・ホームが積極的に拡大する構えだ。
GroupMのビジネス・インテリジェンス部門CEOのケイト・スコット=ドーキンス氏は、半世紀にわたる不安定な状況を経て、世界の広告経済は安定期を迎え、マクロ経済成長との相関性が高い一桁台半ばの健全な成長率で拡大すると述べています。
2023年の広告費は5.8%成長し、8890億ドルへ。世界の広告経済が今後5年間で年平均5.6%の成長を遂げ、2028年には1.2兆ドルに達すると予測しています。
今起きている3つの大きなシフトは3つあるとしています。
- D2C:企業は顧客とのより深く、しばしばより直接的な関係を構築している
- スポーツ&イベント:ブランドは、コミュニティ意識を生み出すものとして、共有体験やファンベースのライブイベントに傾倒している
- AI:あらゆるビジネスが”デジタル”企業となったように、AIについては、特に広告の世界でも同じことが言えるようになる
チャネル別では、(純粋な)デジタル:2023年は9.2%成長しましたが、2024年には7.3%の成長に減速する見込みです。リテールメディアは急速に成長しており、2023年には100億ドル以上の売上を追加計上し、1,194億ドルに達すると推定されます。さらに、2024年には8.3%の成長を予測しています。検索は2023年には7.8%成長し、2000億ドル近い収入に達すると予想していますが、2024年には6.2%増を予測しています。これは、GoogleのSGE(Search Generative Experience)のような、検索結果への生成AIの統合に伴う、この分野への関心と競争の高まりが一因となる可能性があるとしています。
業種別に見ると、グローバル広告費への貢献が大きかった業種は以下の通りです:
- CPG(19.7%)
- 自動車(4.8%)
- ラグジュアリー(2.2%)
- テクノロジー(5.5%)
- メディア・エンターテイメント(7.4%)
- デジタル・エンデミック(10%)
地域別には、米国と中国がそれぞれ2大広告収入市場の座を維持する一方、英国が日本を抜いて3位に浮上しました。
今回の発表についてのコメント
新型コロナウィルス感染症による影響を受けた数年間を経て、コロナ前の水準にようやく戻ってきた感があります。リテールメディアは他社の予測よりはコンサバではありますが、堅調に伸びる予測ということで、2028年頃のランドスケープはだいぶ異なるものになっている可能性はあります。検索は落ちる見込みではあると思いますが、あくまでもGoogleやBingなどを中心とした数字ではないかと思います。その他のプラットフォーム各社とも検索の強化には着手しており、これらが予測に含まれていない可能性もあるので注意かと思います。