Microsoft 広告について掘り下げる連載「Microsoft 広告アカウントマネージャーに聞く」。前回は、Microsoft 検索広告、配信前の推奨設定について解説しました。今回は、配信中の推奨設定について、設定時に必ず確認したい内容をまとめた早見表とともにお伝えします。
※前回の記事はこちら
コメント:
日本マイクロソフト株式会社
Microsoft 広告事業本部
カスタマーソリューションマネージャー
小林健太さん
目次
- 1 Microsoft 広告(検索広告)配信中の推奨設定早見表
- 2 配信中の推奨設定
- 2.1 予算に対するIS(インプレッションシェア)損失率が発生していない
- 2.2 コンバージョンが最低30件蓄積されている場合、自動入札に切り替えている
- 2.3 セールなどが行われる期間に、自動入札の季節性の調整を利用している
- 2.4 (自動入札の場合、)1日あたりの予算や目標コンバージョン単価を頻繁に変更していない
- 2.5 (自動入札の場合、)目標コンバージョン単価を変更する場合は20%以内に収めている
- 2.6 ターゲット外の検索語句を除外している
- 2.7 コンバージョンが発生したキーワードを部分一致で登録している
- 2.8 パフォーマンスの低いキーワードを停止している
- 2.9 表示回数の少ないアセットを停止し、新しいアセットを追加している
- 2.10 アセットで訴求できていない検索語句の要素をアセットに含めている
- 3 まとめ
Microsoft 広告(検索広告)配信中の推奨設定早見表
今回、紹介する配信中の設定について、確認しておきたい推奨設定をまとめました(クリックで拡大できます)。
配信中の推奨設定
予算に対するIS(インプレッションシェア)損失率が発生していない
インプレッションシェアは、参加したオークションに対してインプレッションが発生した割合を示す指標です。インプレッションが表示されなかった割合は、以下の2指標で表されます。
- 予算に対するIS損失率
- ランクに対するIS損失率
予算に対するIS損失率は、予算が不足していることにより広告が表示できなかった割合を示しています。予算の増額を行うか、相対的に予算不足を解消するために入札の抑制を行いましょう。
コンバージョンが最低30件蓄積されている場合、自動入札に切り替えている
キャンペーンの配信開始後、1カ月間でコンバージョンが最低30件蓄積されたら、コンバージョンを最適化対象とする自動入札の切り替えを検討しましょう。
自動入札を利用することによって、コンバージョンの増加が期待できると同時に入札調整の工数を削減することができます。
※参考リンク:https://www.atara.co.jp/unyoojp/2023/05/microsoft_ads_account_manager_series3/
【Microsoftよりコメント】
なお、目標広告費用対効果(ROAS)を利用する場合は、1カ月で最低50件のコンバージョンの蓄積が推奨になっていますので、ご注意ください。
セールなどが行われる期間に、自動入札の季節性の調整を利用している
季節性の調整は、コンバージョン率の大幅な変化が見込まれる場合に使用する機能です。セールや大規模なプロモーションの実施を予定しているのであれば、事前に季節性の調整の設定を行うことで機会損失の可能性を低下させ、広告効果の最大化が期待できます。なお、設定可能な期間は14日以内となっています。
※参考リンク:https://help.ads.microsoft.com/#apex/ads/ja/60133/1
季節性の調整はツール>計画>入札戦略から設定できます。
(自動入札の場合、)1日あたりの予算や目標コンバージョン単価を頻繁に変更していない
コンバージョン数の最大化や、目標コンバージョン単価の利用開始後、広告効果を最大化させるための学習に1〜2週間程度を要します。さらに、2〜4週間後はキャンペーンの評価期間となります。自動入札の利用開始後1カ月は学習がリセットされるのを防ぐため、コンバージョン数の最大化の場合は1日当たりの予算、目標コンバージョン単価の場合は単価の調整を控えましょう。なお、学習スピードはコンバージョンの量に左右されますので、あくまでも参考程度にとどめ、状況に合わせた対応が求められます。
※参考リンク:https://www.atara.co.jp/unyoojp/2023/05/microsoft_ads_account_manager_series3/
(自動入札の場合、)目標コンバージョン単価を変更する場合は20%以内に収めている
自動入札の開始後1カ月が経過し実績を評価した後、必要に応じて目標コンバージョン単価の調整を行いましょう。調整幅は±20%以内が推奨されています。
※参考リンク:https://www.atara.co.jp/unyoojp/2023/05/microsoft_ads_account_manager_series3/
ターゲット外の検索語句を除外している
検索語句は、ユーザーが実際に検索を行ったフレーズです。キーワードのマッチタイプを部分一致として設定している場合、キーワードを基にMicrosoft 広告が関連すると判断した検索語句に広告を配信します。プロモーションを行っているサービスや商品に関連する語句が検索されていることが理想ですが、場合によっては、そうではないこともありますので人の目で確認し、ターゲット外の検索語句は除外することをお勧めします。
※参考リンク:https://help.ads.microsoft.com/#apex/ads/ja/56911/1
コンバージョンが発生したキーワードを部分一致で登録している
パフォーマンスが安定し、さらに配信を伸ばすことを考えたときは、ターゲット拡大を検討しましょう。すでにサービスや商品に関連する軸キーワードを網羅的に設定している場合、コンバージョンしたキーワードを部分一致で登録することが有効です。
パフォーマンスの低いキーワードを停止している
キーワードの実績を確認して、さらに配信を伸ばすために起こせるアクションとしては、主に以下の方法があります。
- サービスや商品に関連しない検索語句の除外
- 検索語句の中でサービスや商品に関連するが訴求できていない要素をアセットに追加
- ランディングページにキーワードに関連するコンテンツの追加
- キーワードのマッチタイプの変更
これらの対応を行った上で、まだパフォーマンスが低いと判断される場合、設定しているキーワードがそもそもサービスや商品のターゲットではない可能性がありますので、停止を検討しましょう。
表示回数の少ないアセットを停止し、新しいアセットを追加している
レスポンシブ検索広告における表示回数の少ないアセットは、ユーザーに評価されていないアセットであり、ニーズがほとんどない訴求であることが考えられます。アセットを停止し、新たな訴求の検証を行うことでパフォーマンスを改善する確率を高められます。
アセットで訴求できていない検索語句の要素をアセットに含めている
サービス名や商品名などの基本的な訴求は追加できていることを前提として、レスポンシブ検索広告で追加すべきアセットは「サービスや商品に関連している」かつ「検索語句からニーズが存在すると読み取れる」要素を含むアセットです。特に部分一致を利用している場合、キーワードに関連するさまざまな語句に広告が表示されます。現状のアセットで訴求できていない新しいニーズを発見し、レスポンシブ検索広告の改善に役立てましょう。
まとめ
Microsoft 広告の検索広告は、意図した配信やパフォーマンスを向上させるための設定項目が多くあります。推奨設定リストを参考にすることで、Microsoft 広告で早期に広告効果を実感する方が一人でも多く増えることを願っています。