DSPとは?料金・仕組み・特徴について解説!DSPの始め方、注意点もご紹介

DSPとは?料金・仕組み・特徴を徹底解説!DSPの始め方、注意点もご紹介

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「DSP広告を始めたいけれど、仕組みやメリット・デメリットがよく分からない……」
「効果的な運用方法や注意点を知りたい……」

そんな悩みをお持ちではないでしょうか?

DSP(デマンドサイドプラットフォーム)とは、広告枠の自動入札や高度なターゲティングが可能な広告配信プラットフォームのことです。本記事では、DSPの基本的な仕組みや特徴、活用メリット・デメリット、代表的なサービスの比較、そして広告運用時の注意点まで詳しく解説します。DSP広告を最大限に活用し、効果的な広告運用を目指しましょう。

DSPとは

DSP(Demand-Side Platform / デマンドサイドプラットフォーム)は、広告主や広告代理店が広告在庫を買い付け、広告配信やターゲティングを行うためのプラットフォームです。

DSPのシステムを活用することで、広告の買い付けから配信、オーディエンスのターゲティングまでを一括管理でき、広告効果の最大化と運用の効率化が可能になります。

DSPの仕組みと特徴

ここでは、DSPの仕組みや特徴、GDN・YDAとの違いについて解説します。リアルタイムの広告取引の流れや、各プラットフォームの課金形態・ターゲティングの違いを比較しながら紹介します。DSPの活用方法を知り、効果的な広告運用に役立てることが可能です。

DSPの仕組み

DSPを使うと、広告枠の購入がリアルタイムのオークション形式で行われます。一般的に、広告が表示されるごとに料金が発生するインプレッション課金です。DSPを通じた広告枠の購入は、広告のターゲティングや予算、上限入札単価に基づいて行われます。条件にあった広告枠をリアルタイムで購入し、広告を表示します。

広告枠の情報は、SSP(Supply-Side Platform / サプライサイドプラットフォーム)と呼ばれる媒体社向けのプラットフォームから提供されます。SSPは、広告枠を販売し、収益を出すためのプラットフォームです。DSPはSSPと連携し、最適な広告枠に入札します。

DSPの仕組み

DSPの特徴

DSPはGDN(Google ディスプレイ広告)やYDA(Yahoo!ディスプレイ広告)と比べると、課金形態が異なるため、クリック単価が高いことが多いです。しかし、配信可能な広告枠は多く、利用できるターゲティングも豊富です。

近年では、ディスプレイ&ビデオ 360やThe Trade DeskなどのDSPからDOOH(デジタル屋外広告)やCTV(コネクテッドTV)へ広告を配信することが可能となっています。

GDN、YDAとの比較

主な課金形態 ターゲティング 配信可能な広告枠
DSP インプレッション プラットフォームごとに異なる 接続しているSSPに準拠
GDN クリック Google保有データ Googleプロパティ(YouTube・Gmailなど)+ 提携ネットワーク
YDA クリック LINEヤフー保有データ Yahoo!プロパティ(Yahoo!トップ、Yahoo!ニュース、LINEなど)+ 提携ネットワーク

DSP活用の三つのメリットとは

DSPを活用することで得られるメリットは、以下の三つです。それぞれの内容について詳しくみていきましょう。

  • ターゲットを絞った効果的な広告配信ができる
  • 幅広い層にリーチできる
  • 自動で最適化される

1.ターゲットを絞った効果的な広告配信ができる

DSPはWebサイト訪問者の情報を分析し、ユーザーに最適な広告を配信する仕組みです。広告をクリックしたユーザーを特定し、類似する傾向を持つユーザーにも広告を配信できます。

DPSを運用すると、従来取りこぼしていた層にもアプローチが可能になり、広告効果が向上します。また、DSPは広告選定を自動化するため、担当者の工数を削減できます。

2.幅広い層にリーチできる

DSP広告の大きなメリットは、潜在層のユーザーに最適な広告配信ができる点です。リスティング広告は検索キーワードに基づくため、能動的に検索したユーザーにしか届きません。一方、DSPを活用すれば、リスティング広告では届かない潜在層にもディスプレイ広告や動画広告でアプローチできます。

DSP広告では、コンバージョンしやすいユーザーを特定し、効率的な配信ができます。これまで訴求できなかった層へアプローチしたい場合に、DSPの活用は有効な手段です。

3.自動で最適化される

DSP広告は、ユーザーの行動履歴などのデータを基に広告を自動最適化し、通常の広告に比べて費用対効果を向上できます。手動での入札単価や配信の調整が不要なため、担当者はクリエイティブの分析や新たな施策の立案など、人の手が必要な業務に集中できます。広告運用の最適化と生産性向上の両方を実現できる点が、DSP活用の大きなメリットです。

DSP活用の二つのデメリットとは

DSPを活用する上での主なデメリットは以下の二つです。これらのデメリットを正しく理解することで、運用時により高い効果を引き出すことが可能になります。

  • 各DSPサービスの特性を理解する必要がある
  • DSP広告の配信先が不透明である

1.各DSPサービスの特性を理解する必要がある

DSPは最適な広告配信に有効ですが、各サービスの特性を理解しなければ期待した効果を得られないというデメリットがあります。例えば、広告の表示先や対応デバイス、費用、運用方法などはDSPごとに異なり、それぞれに得意分野があります。

そのため、自社のプロダクトや目的に適したDSPを選ぶことが重要です。適切なDSPを選択するには、事前調査を行い、慎重に検討する必要があります。

2.DSP広告の配信先が不透明である

DSP広告では、利用するサービスによって、広告の掲載先が明確に開示されないことがあります。どのWebサイトやアプリに広告が表示されるのか分からないと、十分に広告施策のデータ分析ができず、改善につなげられません。

透明性を重視する場合は、事前に配信先の情報を確認できるサービスを選ぶことが大切です。契約前にサポートへ問い合わせたり、配信リストの提供可否を確認したりすることで、安心して広告運用を行うことができます。

代表的な六つのDSP

DSP名 課金形態 特徴
UNIVERSE Ads インプレッション課金 ・業界に特化した豊富なデータとの連携
・業界や業種の特性を正確に把握し、最適な広告配信を実現可能
Criteo クリック課金型 ・個々のユーザーに対してパーソナライズされた広告を配信することに特化
・1日あたり約15億ものデータを分析
ディスプレイ&ビデオ 360 広告タイプによって変動 ・YouTubeへの広告出稿が可能
・Google マーケティング プラットフォーム製品とのデータ連携も可能
Red インプレッション課金 ・Google Analyticsと連携し、広告の効果を詳しく分析可能
・広告の成果を分かりやすく可視化
The Trade Desk ・広告主が自由にキャンペーンを管理・最適化できる環境
・あらゆる段階において効果的にアプローチが可能
Logicad インプレッション課金 ・ソニーの国産DSPをもち、ビッグデータと人工知能(VALIS-Engine)を活用
・専門チームの運用力により、柔軟な調整を行いながら継続的な広告効果の向上を支援

UNIVERSE Ads|株式会社マイクロアド

UNIVERSE Ads|株式会社マイクロアド
引用元:UNIVERSE Ads

UNIVERSE Adsは、株式会社マイクロアドが提供するDSPです。業界に特化した豊富なデータと連携できることが特徴です。業界や業種の特性を正確に把握し、最適な広告配信を実現します。

UNIVERSE Adsの料金体系は以下のとおりです。

  • 最低出稿金額:10万円~
  • ターゲティングに使用するデータ費用によって最低出稿金額が変動するため要問い合わせ

Criteo|CRITEO株式会社

Criteo|CRITEO株式会社
引用元:Criteo

Criteoは、ユーザーのWebサイト訪問や購買履歴などのデータを活用して、個々のユーザーに対してパーソナライズされた広告を配信することに特化しています。

ユーザーの行動に基づいた広告体験の提供で、関連性の高い広告を効果的に展開できます。Criteoは1日あたり約15億ものデータ分析により、ユーザーの興味や行動を詳細に把握しているため、ユーザーの関心に応じた広告配信が可能です。

Criteoはクリック課金型で、最低50万円の広告実施予算が必要です。

ディスプレイ&ビデオ 360|グーグル合同会社

ディスプレイ&ビデオ 360|グーグル合同会社
引用元:ディスプレイ&ビデオ 360

ディスプレイ&ビデオ 360は、グーグルが提供するDSPです。特徴としては、YouTubeへの広告出稿が可能で、Google アナリティクス 4などのGoogle マーケティング プラットフォーム製品とのデータ連携も容易な点が挙げられます。これにより、広告キャンペーンの管理やデータ活用がより簡単に実施できます。

ディスプレイ&ビデオ 360の料金は、広告枠のタイプに基づいて計算され、以下のような「上限」と「下限」で構成されるレートが適用されます。

  • 上限(エクスチェンジ)レート:公開オークション、優先取引、プライベート オークション取引に適用
  • 下限(エクスチェンジ以外)レート:YouTubeとプログラマティック保証型取引に適用

Red|株式会社フリークアウト

Red|株式会社フリークアウト
引用元:Red|株式会社フリークアウト

Red(株式会社フリークアウト)は、Google アナリティクスと連携し、広告の効果を詳しく分析できる点が特徴です。広告主のニーズにあわせてカスタマイズが可能で、柔軟な運用ができます。

アトリビューション分析を含む多彩なレポート機能を備えていて、広告の成果を分かりやすく可視化し、最適化をサポートします。課金形態は、インプレッション課金型です。

The Trade Desk

The Trade Desk
引用元:The Trade Desk

The Trade Deskは、透明性の高いセルフサービス型の広告配信プラットフォームを提供し、広告主が自由にキャンペーンを管理・最適化できる環境を整えています。

The Trade Deskのプラットフォームでは、広告主が最適なデータを活用することで、認知の向上からエンゲージメントの促進、最終的なコンバージョン獲得まで、ファネルのあらゆる段階において効果的にアプローチが可能です。

Logicad|SMN株式会社

Logicad|SMN株式会社
引用元:Logicad|SMN株式会社

Logicadは、ビッグデータと人工知能(VALIS-Engine)を活用し、0.003秒でデータを処理することが可能です。広告出稿の機会損失を防ぎ、効果を最適化します。

高精度な最適化エンジンと専門チームの運用力により、柔軟な調整を行いながら継続的な広告効果の向上を支援します。

DSP広告配信時の注意点

DSPの運用に際して注意すべきポイントは、以下の三つです。DSP活用の効果をより高めるために、ぜひ参考にしてみてください。

  • 採算が合っているか定期的に確認し、成果改善に向けて検証を進める
  • 自社の商品・サービスに合ったメニューか慎重に考える
  • DSP担当者から提示されたシミュレーションを信じすぎない

採算が合っているか定期的に確認し、成果改善に向けて検証を進める

DSPは広告配信の最適化を自動で行いますが、常に期待通りに動くわけではありません。特に、キャンペーン開始時や外的要因によりKPIの急激な変化があった場合、広告効果が不安定になることがあります。そのため、定期的にKPIを確認し、異常がないかを確認し、問題があれば素早く対応できる体制を整えることが大切です。

自社の商品・サービスに合ったメニューか慎重に考える

自社に合ったDSPを選ぶ際は、機能や特徴だけでなく、予算、信頼性、セキュリティも重要な要素です。各DSPは提供する機能が異なるため、自社のターゲットに最適なものを選ぶことが求められます。また、利用料金も異なるため、予算に合わせた選択が必要です。

自社のデータや顧客情報を守るため、セキュリティ面も確認しましょう。導入前に試用期間を設け、効果を確かめることをおすすめします。

DSP担当者から提示されたシミュレーションを信じすぎない

DSP導入時にサービス提供元から提示されるシミュレーションや成功事例には注意が必要です。うまくいったケースのみピックアップされることが多いため、シミュレーションの数値が現実的か、事例が自社に適しているかをよく確認することが大切です。

業界やターゲットとなるコンバージョンポイントが自社に近い事例を参考にすることが重要です。他社の成功事例が必ずしも自社に当てはまるとは限らないため、過信せず、慎重に選択することが成功への鍵となります。

DSPを使った広告配信の始め方

DSPを使った広告配信の始め方について、以下の三つのポイントに沿って解説します。

  • 広告配信をする目的を明確にする
  • 複数のDSPを比較する
  • 広告代理店に依頼するのも一つの方法

広告配信をする目的を明確にする

DSP活用では、広告配信の目的を明確にすることが重要です。DSPの強みは「ターゲティング」にあるため、広告を「どの層に」「どのような目的で」「どのような配信枠で」配信するかを事前に明確にする必要があります。

各DSPはターゲティングの方法や得意分野が異なるため、ターゲットに合わせたサービス選びが求められます。目的を明確に定めないままDSPを使った広告運用を進めてしまうと、時間や費用が無駄になる可能性があります。自社の広告配信についての方針をしっかりと決め、DSPサービスを選びましょう。

複数のDSPを比較する

広告配信の方針が明確になったら、複数のDSPを比較し、自社に合ったプラットフォームを選びましょう。DSPは種類によって得意分野が異なり、年々、新しい特徴を持ったプラットフォームが登場しています。

BtoB商材を扱う企業が、海外ユーザー向けの配信が得意なDSPを選んでしまうと、自社のターゲットに広告が届きにくくなるケースがあります。商材に合わせ、企業向けマーケティングに特化したDSPを選ぶことで、より効果的な広告配信が可能です。

数多くある中から自社の方針に合うDSPを選ぶのは難しいですが、適切なプラットフォームを選定できれば、高い広告効果が期待できます。

広告代理店に依頼するのも一つの方法

DSPを導入する場合、広告代理店に相談することも一つの手段です。DSPは効果的な広告キャンペーンを実施するためのプラットフォームですが、専門知識が必要です。広告代理店は広告主のニーズに合った最適なDSPを提案し、効果的な広告戦略を立ててくれます。

広告代理店に任せることで、専門家による効果的なキャンペーンの実施が継続して可能です。また、専門家のアドバイスを受けられるため、広告効果をより高めることができます。

アタラでは、専門知識が豊富なコンサルタントによる広告運用最適化サービスやコンサルティングを提供しています。現状の広告運用のパフォーマンスにご不満な方や、広告運用を始めてみたいとお考えの際は、ぜひご相談ください。

※この記事の内容は、公開・更新時点の情報をもとに作成しています。

公開:2023年8月
更新:2025年4月1日

まとめ

DSPは、広告枠をリアルタイムで購入し、ターゲティングを通じて効果的なキャンペーンを実施するために重要なプラットフォームです。DSPの特徴は、ターゲット層に最適な広告配信ができること、広範囲にリーチできること、そして広告運用が自動で最適化される点です。

運用には特定のサービスやプラットフォームの理解が必要であり、媒体が増えると運用が複雑になることもあります。そのため、専門的な知識を持つ広告代理店に運用を依頼するのも一つの方法です。

最適なDSPを選び、効果的に活用することで、広告運用の効率化と広告効果の向上が実現できます。

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