2022年のTwitterといえば、イーロン・マスク氏による買収が真っ先に思いつく方も多いでしょう。
また、その後の大規模解雇も記憶に新しいですね。そんなTwitterですが、CEOが変わる前も変わってからも、広告においてもさまざまなアップデートがありましたので振り返っていきたいと思います。
目次
新広告フォーマットのテスト開始
2月、新広告フォーマット「インタラクティブテキスト広告」「プロダクトエクスプローラー広告」そして「コレクション広告」の3フォーマットのテスト運用を開始したことが発表されました。それぞれの概要は以下の通りです。
- インタラクティブテキスト広告
この広告はタイムライン上に標準フォントよりも大きく太い文字で表示されます。広告内の単語を最大三つまで強調することが可能で、そのテキストをクリックすると、それぞれ設定したランディングページへ誘導できます。
- プロダクトエクスプローラー広告
Twitter初の3Dを使った広告です。閲覧者は、ブランドの商品をスワイプしたり回転させるなど、さまざまな角度から商品を確かめることが可能となります。広告のショップボタンをクリックすることで広告主のウェブサイトに移動できます。
- コレクション広告
メイン画像の下に小さなサムネイル画像を挿入できる広告フォーマットです。メイン画像は横へスクロールすることはできず、下部の小さなサムネイル画像は横へスクロールして見ることができます。
サムネイル画像は、画像ごとにそれぞれ別のランディングページを設定することが可能です(コレクション広告は11月より提供が開始されました)。
ショッピング機能「Twitter Shops」ベータ版を追加
3月にはショッピング機能「Twitter Shops」のベータ版を追加したと発表しました。
Twitter Shopsの機能概要は以下の通りです。
・販売主は50個の商品を登録可能
・Twitter Shopsの利用は無料
・販売主のプロフィールページのツイート部分の上に「View shop」ボタンが表示される
・ボタンを押すと商品をスクロールできる
・購入したい商品をクリックすると、アプリ内ブラウザが立ち上がり、販売元のウェブサイトで商品の詳細を確認できる
参考リンク:
キャンペーンプランナーやShopifyとのパートナーシップなど大幅に機能を拡張
6月にはカンヌオンラインズに合わせて、以下、七つの新機能を発表しました。
参考リンク:
- Twitter Notes(ノート)
Twitterノートにより、Twitterで141文字以上の長文を画像、動画などを添付して書くことができるようになりました。
ノートは、Twitter Writeというライターがストーリーやノートと呼ばれる長文のコンテンツを作成するための編集ツールで書くことができます。参考リンク:
- Shopifyとのパートナーシップ
TwitterとShopifyとの提携により、米国に拠点を置く全てのShopifyの販売者は、Shopify上の商品カタログとTwitterアカウントを自動的に接続し、Twitter上で個別にカタログをアップロードすることなくTwitterプロフィール上で直接商品を紹介することができるようになりました。Twitterセールスチャネルアプリを使うことでTwitterアカウントを簡単にShopifyと連携でき、Twitter Shopping Managerを管理できるようになります。
Shopping Managerへのアクセスに加え、プロフェッショナル向けに開発された他の無料ツールにもアクセスすることが可能となります。TwitterセールスチャネルアプリはShopifyのマーチャントの商品カタログと定期的に同期するため、マーチャントはTwitterで商品情報を手動で更新する必要がなく、Shopifyのカタログが変更されるとTwitter Shopping Managerのカタログも変更されます。
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- Shop Spotlight(ショップスポットライト)
ショップスポットライトにより、米国内の全ての販売者が、プロフィールの上部に専用のスペースを追加し、数種類の商品を表示できるようになりました。
ショップスポットライトを有効にしたプロフィールにアクセスしたユーザーは、商品のカルーセルをスクロールして、一つの商品をタップして詳細を見たり購入したりすることができ、Twitterを離れることなく、アプリ内のブラウザでシームレスに操作できます。
参考リンク:
- Twitter Shops(Twitter ショップ)
参考リンク:
- Location Spotlight(ロケーション・スポットライト)
店舗などが実店舗の所在地、営業時間、その他の連絡先情報をTwitterプロフィールの下に表示し、顧客が電話やテキスト、メール、またはTwitterのダイレクトメッセージで直接コンタクトを取れるようにするための機能です。また、Googleマップとの統合により、店舗やオフィスの位置を示す地図を追加できるようになりました。
顧客はこの地図をクリックして道順を確認することができます。発表当初は、米国、英国、カナダ、オーストラリアでの提供でしたが、8月に全世界で提供開始したことを発表しました。
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- キャンペーンプランナー
キャンペーンプランナーにより、広告主はターゲットオーディエンスにリーチするために、どの程度の広告予算が必要となるのかをプランニングの段階で把握しやすくなりました。
当初は米国、英国、日本の全てのマネージドパートナー(Twitterが支援している広告主)からキャンペーンプランナーの提供を開始しましたが、現在は合計18カ国に拡大して提供されています。
マネージドパートナーは、担当Twitterクライアントパートナーを通じてキャンペーンプランナーへのアクセスを申請可能となっています。
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- Product Drops(プロダクト・ドロップ)
プロダクト・ドロップにより、購入者が自分にとって一番重要なブランドの新商品情報のリマインドを受け取ることができるようになりました。販売者が発売予定の商品についてツイートすると、ツイートの最後に「Remind me(リマインドミー)」ボタンが表示され、ユーザーがこのボタンをタップすると、発売日(ドロップ日)に再度通知するように設定できます。現在、プロダクト・ドロップが表示、活用できるのは、iOS端末を使用して英語でTwitterを利用している米国内の利用者のみとなっています。
参考リンク:
アプリインストールキャンペーンにおいて「自動ターゲティング」機能の提供を開始
こちらも6月に発表されたアップデートで、Twitter広告のアプリインストールキャンペーンにおいて「自動ターゲティング」機能の提供が開始されました。
この機能は、設定したターゲティングでリーチ可能なオーディエンスを拡張して配信できるターゲティングです。当該機能は、以前は「オーディエンスの拡張」として提供されていましたが、2022年6月中に自動で「自動ターゲティング」機能へ移行されました。
参考リンク:
「いいね」を広告主がカスタマイズ可能にする「ブランドいいね」の提供を開始
7月には、広告主が「いいね」ボタンをアニメーションにカスタマイズできる新機能「ブランドいいね」の提供を開始しました。
「ブランドいいね」とは感情豊かな表現が可能な新プロダクトで、趣向を凝らしたアニメーションの挙動でブランドへの愛着と興味を醸成したり、また、思わず人に勧めたくなる仕掛けが話題となって広まっていき、購買行動のチャンスが生まれるとしています。
広告主は「ブランドいいね」に使用するハッシュタグと、希望する外国語バージョンを合わせて最大10個まで選択でき、指定のハッシュタグが含まれる通常のツイートかプロモツイートに対し消費者が「いいね」をタップすると「ブランドいいね」のアニメーションが現れる仕様となっています。
参考リンク:
ピクセル、コンバージョンAPI、アプリ購入最適化を発表
8月には「Twitterピクセル」「コンバージョンAPI」「アプリ購入最適化」の三つの広告ツールの改良および新規リリースを発表しました。
参考リンク:
- Twitterピクセル
広告主がTwitter広告の閲覧、クリック、その他のエンゲージメントを含むコンバージョン活動を追跡することで、広告費に対する効果を測定できるように改良されています。具体的には、消費者がショッピングカートに商品を追加した場合など、より多くのアクションを測定できるようになった点や、測定ソリューションのセットアップ/イベント作成プロセスを簡素化し、広告主がウェブキャンペーンの影響をより理解し、Twitterピクセルが適切に実装されているかどうかを確認する際に使えるChromeの拡張機能であるTwitter Pixel Helperを更新しました。
- コンバージョンAPI(CAPI)
新しいコンバージョンAPI(CAPI)測定ソリューションでは、広告主がTwitterのAPIエンドポイントに接続し、サードパーティCookieを使用せずに、サーバーからTwitterにコンバージョンイベントを送信することができます。CAPIは、Twitterピクセルを必要としない最適化と広告ターゲティングの向上に役立つとされており、これは、広告主がサイトにタグを設置することなくコンバージョンを確認するためのデータ接続ができると説明しています。TwitterクリックIDやメールアドレスなど、CAPIによる複数のデータシグナルを使用して、コンバージョンイベントをAPIエンドポイントに送信し、コンバージョン指標/インサイトを得ることができます。
参考リンク:
- アプリ購入最適化
アプリ購入最適化は、Twitterが購入などのファネルのパフォーマンスキャンペーンの成果を促進させるために設計されています。アプリ購入最適化は、機械学習を利用して行動を起こす可能性の高いオーディエンスを特定し、アプリのインストールや購入を行う可能性がより高いユーザーに広告を配信できるようにするものです。
ツイート編集機能を正式にテスト開始
9月には、ツイート編集機能のテストを開始したことが発表され、10月にはカナダ、オーストラリア、ニュージーランドのTwitter Blueユーザーのみに提供を開始しました。
ツイート公開後の30分間に数回、ツイートを編集できるようになっており、編集されたツイートには、アイコン、タイムスタンプ、ラベルが表示され、元のツイートが変更されたことが読者に分かるようになっています。
ラベルをタップすると、そのツイートの過去のバージョンを含む編集履歴が表示され、この「制限時間」と「バージョン履歴」が、会話の整合性を保護し、何が語られたかを公にアクセス可能な記録として作成するのに役立つとしています。
参考リンク:
Webサイトコンバージョン最適化など3つの新機能を発表
11月には「Webサイトコンバージョン最適化」「ダイナミックプロダクト広告」「コレクション広告」の三つのプロダクトの提供を開始しました。
参考リンク:
- Webサイトコンバージョン最適化(Website Conversions Optimization:WCO)
Webサイトコンバージョン最適化の機能により「カート追加」や「購入」といったローワーファネルのアクションを起こす可能性が高いと判断されるユーザーへの広告配信の方法を改善できるとされています。特定のコンバージョンポイントを識別し、Twitterのユーザーレベルの配信アルゴリズムによる関連性がより高いユーザーへのターゲティングを行うことで、指定したコンバージョンアクションを起こす可能性が最も高いユーザーへ広告配信することが可能となります。
- ダイナミックプロダクト広告(Dynamic Product Ads : DPA)
ダイナミックプロダクト広告は、適切なタイミングで適切なユーザーに対して、最も関連性が高いと判断される商品の広告を表示させることができる配信方法です。広告主のWebサイトでカート追加、閲覧などのアクションを起こしたユーザーに対して、購入に至っていない商品(カート追加、閲覧で止まってしまった商品)の広告を配信したり、広告主のWebサイトに訪問したことがないユーザー(新規顧客)に対して、最も関連性が高いと判断される商品の広告を配信することができます。
- コレクション広告
コレクション広告は前述の内容と被りますが、メイン画像の下に小さなサムネイル画像を挿入できる広告フォーマットで、下部の小さなサムネイル画像は横へスクロールして見ることができるようになっています。また、サムネイル画像については、カルーセル広告のように画像タップによる遷移先として、それぞれ別のURLを設定することができます。
以上、2022年Twitter広告主要アップデートまとめでした。こちらには記載しておりませんが、カンバセーションカードの作成ができなくなったり、広告グループ単位での日予算およびスケジュールの設定機能の提供開始などもありました。
早くもイーロン・マスク氏の退任という話も出ており、2023年もTwitterは落ちつかなそうな様子がうかがえ、先行き不透明な感じがあるからこそ、情報のキャッチはいち早くしていきたいものですね。
2023年もUnyoo.jpでは早い情報提供を心がけて参りますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。