Google 広告の同意モードとは
Googleは、2022年9月20日(火)に、Google 広告における同意モードの実装と、それを利用したコンバージョンモデリング機能、診断機能およびパートナープログラムを発表しました。
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同意モードは、2020年9月3日に、ユーザーの同意ステータスに基づいて、Google関連タグの配信をカスタマイズできる機能としてリリースされました。今回の発表では、同意モードがGoogle 広告に実装され、ユーザーの同意状況に基づくGoogleタグの動作調整と、測定できないコンバージョンに対するGoogleによるモデリングが可能になります。分析と広告を目的としたCookieの使用について、ユーザーの同意が得られているかどうかを指定すると、ユーザーによる同意が得られている場合にのみ、指定された目的でCookieを使用するようGoogleのタグが動的に調整されます。また、同意シグナルを使用すると、Googleはコンバージョンモデリングを適用して、同意に関する変更により失われたコンバージョンを回復します。
同意モードの適切な実装により、コンバージョンモデリングを十分に活用し、データ内の未知の部分を解決し、より包括的なレポートと最適化を実現することができるとしています。
同意モードは、以下で使用できます:
- Google 広告のコンバージョントラッキング
- データセグメント
- Floodlight
- Googleアナリティクス
同意モードが実装された後のpingの動作や調整プロセスについての詳細は、以下のヘルプページを参照してください。
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同意モードにおけるコンバージョンモデリング機能
資格要件をすべて満たした広告主は、Google 広告で同意モードにおけるコンバージョンモデリング機能が活用できます。モデリングされた推定コンバージョンは [コンバージョン] 列に表示され、このデータを使用するすべてのレポートに反映されます。同意モードのステータスを確認することで、同意モードが実装されているかどうか、モデリングが有効かどうかを確認できます。また、同意モードが与える影響を確認して、コンバージョン数に対するモデリングの影響を確認することもできます。
エールフランス航空は、メディアエージェンシーのPerformicsの支援により、ヨーロッパ市場全体で9%、フランス国内だけで4%のコンバージョン増加を実現したと説明しています。エールフランス航空のサーチ&メタサーチ部門長であるCédric Ibanez氏は、「同意モードのおかげで、ユーザーのプライバシーを保護しながらキャンペーンを最適化することができます」と述べています。
トラブルシューティングの推奨事項
近日中に、Google 広告の管理画面のコンバージョンの診断タブ(測定>コンバージョン>各コンバージョンアクションの詳細ページ)でトラブルシューティングの推奨事項が表示される予定です。ステータス欄には、同意モードが正しく実装されているかどうかが表示されます。また、診断タブでトラブルシューティングのアラートを表示したり、タグ付けや同意率に関するドメインレベルのインサイトを確認したりできるようになります。さらに、URLのリストをダウンロードしたり、Googleタグアシスタントの同意デバッグツールにアクセスして、設定に関する問題を解決できるようになります。
Googleタグアシスタントのトラブルシューティングガイドでは同意モードが検出されない場合や同意率が予想より低い場合に考えられる原因と解決策を説明しています。
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診断タブが実装されるまでは、最適化案タブにアクセスして、同意モードが適切に設定され、コンバージョンモデリングのメリットを十分に享受していることを確認できます。
CMPパートナープログラム
より多くの広告主が同意モードを適切に有効化し活用できるよう、コンセントマネジメントプラットフォーム(CMP)との新しいCMPパートナープログラムを開始し、初期のパートナー企業も発表されました。
CMPパートナープログラムの初期参加企業は、Commanders Act、Consentmanager、Cookiebot、Cookie Information、Didomi、Iubenda、OneTrust、Osano、Usercentricsなどが含まれます。
CMPパートナーは、同意モードとGoogleタグマネージャーに統合されており、シームレスな実装を保証し、技術的な課題への対応を支援します。CMPパートナーは、Cookieバナーの管理を支援し、ユーザーがウェブサイトにアクセスし、Cookieバナー上で同意の意思を示したときに開始される同意管理プロセスを明示します。CMPは、同意モードを通じてその選択肢をGoogleタグに伝え、タグはそれに応じて動作を調整します。
今回の発表についてのコメント
これまでGoogleタグマネージャーおよびGoogleアナリティクスに対応していた同意モードがGoogle 広告に拡張されたというもので、コンバージョンの欠損を最大限防ぐという意味では重要な取り組みであると考えられます。同意モードをCMPとして実装することもそもそも可能なので、技術リソースのある広告主は、そういった方策も可能ですが、やはり日本のCMPへの対応が待たれます。