TikTokの広告収入は、2021年の38億8000万ドルから今年は3倍の116億4000万ドルになると予想
2022年4月11日に米国の市場調査子会社Insider Intelligenceが発表した調査レポートによると、TikTokの広告収入は、2021年の38億8000万ドルから今年は3倍の116億4000万ドルになると予想しています。
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Twitterの55億8000万ドル、Snapchatの48億6000万ドルと比べてもすでに遜色なく、この2社の広告収入を合計したものを上回る勢いです。TikTokは、YouTubeにも肉薄しており、2024年には、TikTokの広告収入は235億8000万ドルになり、YouTube(236億5000万ドル)と実質的に同等となる見込みです。その際、世界のデジタル広告市場における各社のシェアは3.1%となります。
背景にはここ数年のTikTokのユーザー数が爆発的に増えていることが挙げられます。また、TikTokのアルゴリズムは、ユーザーに興味がある動画を提供し続け、新世代のインフルエンサーを輩出しています。
Insider Intelligenceの主任アナリスト、Debra Aho Williamson氏は以下のように述べています。「TikTokのユーザー数はここ2、3年で爆発的に増え、ユーザーがアプリに費やす時間も尋常ではありません。TikTokは、口パクやダンスアプリというルーツをはるかに超えて、トレンドを生み出し、クリエイターとの深いつながりを育み、ユーザーは次々と動画を視聴し続けることができます。広告主は、情熱的で熱心な視聴者にリーチしたいと考えており、TikTokはそれを実現することができます。広告費の伸びを促進するもう一つの要因は、TikTokのユニークなソーシャル・コマースへの取り組みです。TikTokは、マーケッターとクリエイターをペアにして、コンテンツのバイラルを促進し、広告主が宣伝したい製品の莫大な需要を促進することができるのです。」
一方、米国の収入が半分以上を占める
今年、TikTokの広告収入の半分以上(51.2%)が米国が生みだす見通しです。前年比184.4%増の59.6億ドルを生み出すことになり、米国のデジタル広告市場で2.4%のシェアを獲得することになります
来年からは成長が2桁に鈍化しますが、TikTokの米国での広告収入は2024年までに110億ドルを超え、市場シェアは3.5%に上昇する見通しとのことです。
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今回の発表についてのコメント
広告収入は爆発的に伸びていますが世界のデジタル広告市場におけるTikTokのポジションは依然比較的小さく、2021年の0.7%から今年2022年は1.9%に拡大する予定です。Googleが29.0%でトップ、Metaが21.4%で続いていることから、その差はまだ大きいということもわかります。
米国での伸びは、TikTokに限らず、大手広告主は全マーケティング予算の一定の割合(10-15%という説もある)を実験予算として新興メディアや施策に投じる傾向があることから、TikTokのような新しいプラットフォームは他国と比較して伸びやすい土壌があるのです。ですが、当然投下した予算に対して効果が伴わなければ、継続的な成長は見込めないわけで、TikTokの現在の状況および将来のパフォーマンスの見通しは、広告主にとっても無視できない、メインストリームのプラットフォームに躍り出る兆しを見せているということなのかもしれません。ますますTikTokのグローバルな状況、日本における展開から目が離せなくなっています。