売上高215億ドルで前期比 +15%、前年同期比 +22%の増収
Facebook が発表した2020年第三四半期(7−9月:以下「Q3」)の決算報告によれば、今期の売上高は214.7億ドル、1株あたりの利益は2.71ドルでした。
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アナリスト予想は198.2億ドル、1株当たり利益が1.91ドルでしたが、パンデミックの影響が、増収や後述するユーザー数の増加に対し、ポジティブに作用したと言えます。
2020年7月は大手広告主たちが広告出稿を停止する「#StopHateforProfit」と銘打ったボイコット運動もありましたが、Q2同様に影響は軽微なものとなり、パンデミックで危機にさらされる事業者に向けたコマース機能・リソースの拡充なども継続し、スモールビジネスの予算を離さなかった Facebook に軍配が上がりました。
日本においても助成プログラムや Instagram の無料ウェビナーなど、スモールビジネスに対する支援が積極的に行われており、来年以降も中小ビジネスのトレーニングに継続して注力予定と伝えられています。
Q2の決算発表時に、Q3の広告収益成長率について言及されており、前年同期比 +10% 程度(約194.2億ドル)になるとの予想でしたが、、結果的にこの見込みも上回る着地となっています。
Revenue – In the first three weeks of July, our year-over-year ad revenue growth rate was approximately in-line with our second quarter 2020 year-over-year ad revenue growth rate of 10%. We expect our full quarter year-over-year ad revenue growth rate for the third quarter of 2020 will be roughly similar to this July performance.
(収益 – 7月の第1-3週の前年同期比広告収益成長率は、2020年第2四半期の前年同期比広告収益成長率10%とほぼ一致しました。2020年第3四半期の通期の広告収入成長率は、この7月の実績とほぼ同程度になると予想しています。)
売上高の実に98.8%を占める広告収入ですが、地域別ではQ2で前期割れしたその他地域が前期比 +28.7% と最も大きな伸びを見せ、次いでアジア太平洋地域が +26.6%、ヨーロッパ地域が +13.4%、北米地域が最も増加幅の少ない +9.1% としています。
MAUが27.4億人に伸長、DAUも増加するも北米のユーザーが減少
まず月間アクティブユーザー数(Monthly Active Users:以下「MAU」)ですが、前期比 +1.4% の27.4億人に増加しました。前年同期比でも +11.8% と成長を続けていますが、Q2で増加させた北米地域のユーザーが-100万人で 0.3% 微減しています。
続いて1日あたりのアクティブユーザー数(Daily Active Users:以下「DAU」)ですが、前期比 +2.0% とMAUを若干上回る成長率をマークし、前年同期比でも +12.1% と伸長しました。
アジア太平洋地域が最増加エリアとなり、前期比 +4.0% の前年同期比 +15.9% とハイライトになった一方、北米地域は-200万人で前期比 -1.1%、ヨーロッパ地域は±0で停滞し、明暗が分かれる結果になりました。
なお、グローバル全体でユーザー数が増加しても毎日の利用率(DAU/MAU)は高水準の 66% を維持しています。
総ユーザー数が32億人を突破
Instagram、WhatsApp などの Faceboook ファミリーのユーザー数についても順調に増加し、月間の総アクティブユーザー数(Family Monthly Active People:以下「MAP」)は32.1億人としました。Facebook の成長率を上回る 前期比 +2.2%、前年同期比 +13.8% で推移しています。
1日あたりの総アクティブユーザー数(Daily Active People:以下「DAP」)は25.4億人で、前期比 +2.8%、前年同期比 +15.5% とMAPを上回る成長率でした。
毎日の利用率(DAP/MAP)は Facebook 単体に比べ依然高い数値をマークしており、Q3に関してもQ2と同じ 79% としており、Facebook より高い数値になっているのはメッセンジャーアプリの WhatsApp の影響ではないかと思われます。
結果的に、例年はQ4で過去最高の売上高を更新するところをQ3で記録する異例の決算発表となりました。パンデミックの追い風にうまく乗った形で広告収入を増加させ、Oculus Quest 2の受注状況が好調のようで、ハードウェア事業の恩恵も受けて「Q4はQ3の決算発表を上回るだろう」と決算発表の中でもコメントしてます。
北米ユーザーのDAUが前期比マイナス成長というローライトはあったものの、Q1とQ2の異様な成長率からの揺り戻しとして Facebook はネガティブに捉えておらず、「この傾向はQ4以降も継続し、北米地域におけるユーザー数はQ3と比較してDAU、MAUともにフラットないしわずかな減少となるだろう」と述べました。
As expected, in the third quarter of 2020, we saw Facebook DAUs and MAUs in the US & Canada decline slightly from the second quarter 2020 levels which were elevated due to the impact of the COVID-19 pandemic. In the fourth quarter of 2020, we expect this trend to continue and that the number of DAUs and MAUs in the US & Canada will be flat or slightly down compared to the third quarter of 2020.
予想通り、2020年Q3には、米国とカナダにおける Facebook のDAUとMAUは、COVID-19のパンデミックの影響で上昇した2020年Q2のレベルからわずかに減少しました。2020年第4四半期もこの傾向は継続し、米国とカナダのDAUとMAUは2020年第3四半期と比較して横ばいか、やや減少すると予想しています。
Q4は年末商戦の広告特需に牽引される形でさらに売上高を伸ばすことになるかと思いますので、引き続き注目したいと思います!