2020年7月21日、GoogleはGoogle 広告エディタ バージョン 1.4をリリースしました。Google 広告エディタでは、さまざまなキャンペーンの設定を、オフラインで一括して変更することができます。多くの入稿や変更を行う際は、一括で変更を加えることができるので、広告運用にとって欠かせないアプリケーションと言えます。
本記事では、今回の主なアップデート内容について説明します。
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アカウント全体の最適化案を確認、適用できるように
最適化案とは入札単価、キーワード、広告の改善によって予算を効率的に活用する方法を提案し、キャンペーンの掲載結果と効率の向上をサポートしてくれる機能です。キャンペーンの掲載結果や Google 検索でのトレンドなど、過去のデータに基づいて、それぞれの最適化案でどのような改善が見込まれるかが示されます。1から改善ポイントを探しにいかなくとも、キャンペーンに変化をつけて新鮮さを保つことが出来るので、重宝する機能なのではないでしょうか。
これまで管理画面でしかできなかった最適化案の確認と適用が、エディタから一括でできるようになりました。
管理画面からの確認
エディタからの確認
エディタの最適化案【概要】では「最適化案のタイプ」としてどのような改善を行うべきか一覧で表示されています。アカウントによって表示される最適化案は異なり、各最適化タイプをダブルクリックすると、一括で適用できる画面に切り替わります。
また、改善したいキャンペーンをエディタの左上で選び、最適化案を確認に行くと何項目最適化案があるのか、最適化タイプごとに確認することが出来ます。全てのキャンペーンに最適化案は適用したくない場合には、キャンペーンを絞って確認・適用するのが便利でしょう。
視覚的には管理画面のほうが分かりやすくも見えますが、エディタの強みである一括編集ができるようになり、より使いやすさが増しました。
ローカルキャンペーンに対応
ローカル キャンペーンとは、実店舗への来店を促すことを目的とした、店舗を持っている広告主向けのキャンペーンで、少ない工数で店舗周辺地域での集客を行えます。一度設定すれば、以降はキャンペーンがオフラインでの目標達成(実店舗への来店促進)に重点を置いて自動的に最適化され、Google 検索ネットワーク、マップ、YouTube、Google ディスプレイ ネットワークで広告を配信できます。
これまでエディタで作成・修正を行うことができませんでしたが、以下の画像のようにローカルキャンペーンを設定できるようになりました。
地域グループの割り当て
地域グループとは、実店舗などのビジネス拠点をグループとしてまとめたものです。キャンペーンのターゲティングの際、グループとしてまとめて適用できるため、個々の拠点を細々と指定する必要がありません。地域グループは、ローカルキャンペーンや、住所表示オプションなどを作成する際にも使用できます。地域グループは、複数のキャンペーンで使用でき、キャンペーンの数に制限はありません。エディタから地域グループをキャンペーンに割り当てることができるようになり、より便利になりました。ローカルキャンペーンが作成・編集できることと一緒に押さえておくとよさそうです。
組み合わせオーディエンスの編集
組み合わせオーディエンスは、ユーザー属性やアフィニティなど、さまざまな属性を組み合わせてオーディエンスを定義するターゲット設定です。これにより多様なペルソナに合わせて広告を配信でき、管理画面上のキャンペーンや広告グループ画面で作成・編集できます。
今回の変更で、他のユーザーリスト同様に、組み合わせオーディエンスのキャンペーンおよび広告グループへの割り当て・削除ができるようになりました。注意点は、エディタで新しい組み合わせオーディエンスを作成することはできない点です。
動画広告シーケンスキャンペーンの編集
動画広告シーケンスキャンペーンとは、規定した順番で一連の動画をユーザーに表示できるYouTube 動画ネットワークでのみ配信されるキャンペーンです。商品やサービス、ブランドのストーリーなどを、ユーザーの関心を高めつつ統一されたテーマで作成することができます。今回のアップデートで動画広告シーケンス キャンペーンの編集が可能になりました。こちらも組み合わせオーディエンスと同様に編集のみが可能です。
今回の最も大きな変更点は、最適化案を確認、適用できるようになったこと、ローカルキャンペーンの作成編集ができるようになったことではないでしょうか。今回のアップデートによって、Googleの推奨に基づいた設定を行いやすく、最適化案の適用によってどのキャンペーンの改善につながるのかが分かりやすくなりました。スマートアシストキャンペーンの新機能も6月に発表されたばかりですが、ローカルビジネスのオーナーのような広告運用を専門にしていない広告主でも運用しやすい環境がさらに整えられたように見受けられます。広告運用者はエディタによって作業工数が浮いた分、より上流の仕事に注力していきたいですね。