Googleは、3月9日、Google Marketing Platformの主要なソリューションである、検索広告360とディスプレイ&ビデオ360でのアップデートを発表しました。本記事では、それぞれのプロダクトごとのアップデート詳細を解説します。
参考:
目次
検索広告360で入札戦略機能の変更
ポートフォリオ入札戦略の適用可能階層がキャンペーン階層のみに
同発表によると、2020年4月1日以降、新規に作成するポートフォリオ入札戦略の適用は、キャンペーン単位で行う必要があるようです。(これまでは、検索広告360ではポートフォリオ入札戦略を広告グループ、キーワード、商品グループにも適用できました)
入札の適用範囲を上位階層のキャンペーンに引き上げ、学習元を広げることを促すアップデートは、より大きな範囲でも最適化が機能することを示しており、検索広告360の最適化が進歩しているというメッセージが読み取れます。また、管理や評価のしやすさの面でも、設定がより上位の階層毎にまとめられていくのは便利ですね。
まとめられたスケジュールは以下です。
【3月15日以降】
既存の入札戦略の適用階層をキャンペーン階層以下に変更することができなくなる
【4月1日以降】
新規作成の入札戦略は全てキャンペーン階層でしか適用できなくなる
【4月1日~4月30日】
現在キャンペーン以下の階層で適用されている入札戦略は自動的にキャンペーン階層に移行される
ポートフォリオ入札戦略は、すべてクロスデバイス環境でのコンバージョンがターゲットに
また同様に、2020年4月1日以降、ポートフォリオ入札戦略はすべてクロスデバイス環境でのコンバージョンをターゲットにするよう自動的に更新されるようです。
Google 広告では2017年に「デバイスをまたいだコンバージョン」がデフォルトで「コンバージョン」に追加されましたが、検索広告360でも同様のアップデートが行われました。今後、Google 広告で実装されている機能は、検索広告360でも順次実装されてくるでしょう。
なお注意する必要がある点としては、レポートについては今後もクロスデバイス環境でのコンバージョンを含む/含めないの選択が可能であり、今回の変更は入札コンバージョンの発生元のみに影響するという点が挙げられます。
参考:
さらに、検索広告360のFloodlight クロスデバイス環境コンバージョンのコンバージョンデータは、サイト上の Floodlight アクティビティに基づいて記録されるため、どの検索広告360エンジンアカウントのクロスデバイス環境コンバージョンでも確認することができるとされています。つまり、Yahoo!広告等のキャンペーンのコンバージョンでもクロスデバイス環境コンバージョンがレポートできるようです。
Google 広告コンバージョン トラッキングの場合、クロスデバイス環境コンバージョンもレポートできますが、その対象は、Google 広告コンバージョン トラッキングを使用している Google 広告キャンペーンに限定されていました。
参考:
ディスプレイ&ビデオ360で除外設定の変更
TrueView広告におけるデリケートなコンテンツカテゴリの 除外設定が更新
ディスプレイ&ビデオ360においては、TrueView 広告申込情報における、デリケートなコンテンツを除外する方法がまもなく変更されると発表されました。以後、デリケートなコンテンツの除外設定には下記3カテゴリより選択する形となります。
- 拡張カテゴリ
- 標準カテゴリ
- 制限されるカテゴリ
今回のアップデートでは、ディスプレイ&ビデオ360が、もともとブランド保護に重きを置いた機能設計であったDoubleClickのDFPの思想を受け継ぎつつ、「コントローラブルである」ということよりも「シンプルなインターフェースでブランドを保護する」という価値にスイッチし始めていることも読み取れます。(TrueViewに限定しているので完全にスイッチはしているとは言えませんが)
※注意点:広告主レベルでコンテンツ カテゴリを選択した後でも、個々の広告申込情報でより制限の厳しいカテゴリを選択できます。ただし、より制限の緩いカテゴリは選択できません。
参考:
2018年に、DoubleClickが生まれ変わり、広告と分析を統合してマーケティングを加速させるという思想を持って誕生した「Google Marketing Platform」。検索広告360とディスプレイ&ビデオ360は、その中の主要ソリューションであると言えます。多くのマーケターが注目しているソリューションであるため、今後さらにアップデートが進み、機能改善が大きく進むことに期待したいですね。