マストヘッド広告がテレビ画面へ進出
2019年9月18日、GoogleはYouTubeマストヘッド広告のテレビ画面配信をグローバルで試験導入(ベータ版)することを発表しました。
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マストヘッド広告は、YouTubeのホーム画面最上部に掲載される予約型の動画広告です。2019年7月のアップデートにより、固定の一日の費用(cost-per-day (CPD))に加えて、広告のターゲット設定を活用できるインプレッション単価制(CPM)での購入が可能となりましたが、対象デバイスはデスクトップとモバイルのみでした。
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今回のアップデートにより、広告主はインプレッション単価制でテレビ画面へのマストヘッド広告配信が可能になります。以下画像の通り、クリエイティブがテレビ画面上のYouTubeアプリのホーム画面に大きく表示、かつ自動再生されるため、アッパーファネル向けの強力なプロダクトといえるでしょう。
拡大するコネクテッドTVでの動画視聴
Googleによれば、テレビ画面、すなわちコネクテッドTVでのYouTube視聴は急成長しており、グローバルでの一日当たりの視聴時間は2.5億時間にのぼるとのことです。eMarketerの報じるところでは、引き続きモバイルでの視聴が50%以上を占めるとのことですが、以下の図からもコネクテッドTVでの視聴が着実に増加していることが分かります。
また、YouTubeに限らずコネクテッドTVでの動画視聴は急成長しており、米国において2019年には人口の57.2%を占めるユーザーがコネクテッドTVで動画視聴をする見込みとのことです。これに伴いコネクテッドTV上の広告在庫も増加しており、2018年第二四半期の時点で動画広告におけるデバイス毎のインプレッションシェアにおいてモバイルを上回っているというデータもあります。
参考:
今回のYouTubeマストヘッド広告のアップデートは、このようなコネクテッドTVの急成長を背景に実施されたものといえるでしょう。Googleによれば、コネクテッドTV(テレビ画面)上のYouTube広告は、従来のテレビCMと比較して広告想起が10%高いとのことですので、マストヘッド広告のコネクテッドTV上でのパフォーマンスにも期待が高まります。来年2020年の早い段階でのさらなるアップデートも予告しており、Googleとしても非常に注力している領域であることが伺えます。
YouTubeに限らず、動画視聴のメインデバイスとなりつつあるコネクテッドTV。私たちは、デジタル広告がテレビ画面の世界へ進出している様を目の当たりにしています。従来のテレビCMへの投資がコネクテッドTVへシフトしていく可能性も十分考えられるかと思いますし、デジタル広告の巨人Googleがこの流れを牽引していくかもしれません。広告運用者としても、デバイスとして影響力を持ちつつあるコネクテッドTVのトレンドはしっかりとキャッチアップしていきたいと思います!