米国時間の2月17日、CriteoはFacebook Exchangeで複数のクリエイティブを同時にレコメンドする広告メニュー(Dynamic Product Ads)を、モバイルデバイスにも対応したことを発表しました。日本のFacebookユーザーは90%以上がモバイルデバイスからアクセスしていますので、Eコマースなどダイレクトレスポンス系の広告主には強力な配信方法になるかもしれません。
リンク:Criteo Extends Mobile Capabilities with Launch of Facebook’s Dynamic Product Ads Solution
そもそも、Facebook Exchangeとは
Facebook上で行える動的リターゲティング広告で、サードパーティーのDSPを介してのみ出稿することができるRTBの広告メニューです(Facebookの管理画面から直接設定することは出来ません)。詳細はこちらをご参照ください。
では、Dynamic Product Adsとは
上記Facebook Exchangeのロジックを使い、1つのニュースフィード枠に3〜5のクリエイティブを同時に設定できる広告フォーマットです。複数の商品をいっぺんにリーチできますので、ユーザーの選択肢も瞬時に増え、パフォーマンスの向上が期待できます。
今回のCriteoのアップデート
今回のアップデートを例にすると、PCを使いウェブサイトでスニーカーを検索していて、購入まで至らなかった人がスマートフォンでFacebookアプリを起動すると、ニュースフィードにさっきまで見ていたスニーカーといくつかの似たスニーカーのクリエイティブを同時にリーチさせることが可能になった、ということになります。
Criteoのレコメンドエンジンを使ってクロスデバイスで動的リターゲティングが出稿できるのは、特に小売業の広告主にとって魅力的なアップデートでしょう。元記事ではCriteoの広告主であるMenlookとPromod(海外のアパレル系通販サイト)は、今回のアップデートをテストした結果、全売上の6.2%がFacebook Exchangeに起因していることが明らかになり、Facebookのモバイルニュースフィード全体では売上高の24.5%をマークした、と記載されています。
Criteoのチーフプロダクトオフィサーであるジョナサン・ウルフ氏は、「他のアプリに比べFacebookはユーザーの滞在時間が長いため、小売業者にとって顧客にリーチする重要な場所である。CriteoのDynamic Product Adsは広告主の顧客であるFacebookユーザーにタイムリーかつ関連性の高い広告を配信し、広告費に対して高いリターンをもたらす。」と語っています。
アメリカではFacebookから離脱すること無く商品を購入できる”Buyボタン”の導入も試験的に開始されています。この機能も本格的に実装されれば、ダイレクトレスポンス系の広告主も、よりFacebook広告を活用しやすくなるでしょう。
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動的リターゲティング広告は効率性の高いパフォーマンスを発揮してくれますが、潜在的な顧客にリーチすることは出来ません。Facebook for Business内の”Facebook Exchangeを利用する理由”にも記載されていますが、通常の広告を出稿しながらあくまでオプションのような感覚で活用したほうが、最終的な総コンバージョン数は増加する、というのが個人的な見解です。