Criteoのクロスデバイス分析機能
リリースが特に出ていないため正確な開始時期が不明ですが、2017年4月13日時点で、Criteoの管理画面上に「Attribution Scope(アトリビューションスコープ)」というメニューが追加されています。(英語版では既にヘルプが用意されています)
参考:
Attribution Scope とは、いわゆるクロスデバイスを考慮したコンバージョン(Sales)項目を表示させる機能です。「ANALYZE」メニューの下部にプルダウンが用意されており、Salesのカウントにクロスデバイスを含めるか否かが選択できるようになっています。
実際の画面を見てみると、下記の「ANALYZE」メニューのキャプチャでは、点線で囲った(1)の部分で「Include Cross-device sales」がチェックされています。このチェックが入っている状態で、グラフ下のテーブル部分(2)にクロスデバイスを考慮したコンバージョンの総数が反映され、(3)の同一デバイスからのコンバージョン数と比較できるようになっています。
コンバージョン率やコンバージョン単価などの項目(4)も、Attribution Scope が「Include Cross-device sales」になっている場合は、クロスデバイスのカウントが反映されています。
ただし、「MANAGE」タブの指標はクロスデバイスがデフォルトになっているのでご注意下さい。評価期間は通常のコンバージョンと同様、クリックから30日です。
クロスデバイス分析は各プラットフォームのデフォルトへ
ここ数年でスマートフォンが一気に最優先のスクリーンへと躍り出たことで、マルチデバイス分析は広告プラットフォーム各社の喫緊の課題として前景化しており、主要数社を中心に急ピッチで開発が進められています。
その代表格である Google を例に挙げれば、既にデフォルトのコンバージョン値にクロスデバイスを含むように変更がされており、2017年後半にはディスプレイ広告でも適用されるほか、動画プラットフォームの YouTube でもマルチデバイス分析は対応が進んでいます。
Criteoが、「Attribution Scope」の案内の中で、
Today’s online consumers use multiple devices during their online shopping journey, regularly browsing and buying on different devices. Almost 1 in 3 online retail transactions involve two or more devices.
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今日のオンライン上の消費者は、表示と購入で違ったデバイスを使用するなど、購買プロセスの中で複数のデバイスを使いこなしています。オンライン購入の約3回に1回は、2つかそれ以上のデバイスが使われています。
と書いているように、マルチスクリーン化は既に購買プロセスの多くを占めるようになってきています。広告プラットフォーム側としても、クロスデバイスをデータとして反映させない限り、広告主側に説明責任を果たせないばかりか、自社が過小評価されることにも繋がるため、対応を急がざるをえないでしょう。
直接コンバージョンに近いデータを大量に持っている Criteo がこのタイミングでクロスデバイス分析の実装に踏み切ったことは、今後のコンバージョン計測は既にクロスデバイス抜きでは語れないレベルにまできているという、揺るぎない証左であるとも言えそうです。デバイス間の影響度や貢献度分析、予測モデルの精度向上など、クロスデバイスはまだまだこれから発展をみせていきそうですし、しばらくはホットトピックであり続けるのではないでしょうか!