※この記事は admarketech.の「IABがプログラマティック・ダイレクト取引の標準APIを公開」を一部編集して再掲したものです。
OpenDirect 1.0 の発表
2014年11月3日、IAB(Interactive Advertising Bureau)は ニューヨークで行われていた AdOps Summit 2014 の場で、プログラマティック・ダイレクト(プログラマティック・プレミアム)と呼ばれる広告在庫予約型固定単価取引の標準API である「OpenDirect 1.0」を発表しました。
「OpenDirect 1.0」は、プレミアム在庫の自動取引のプロトコル(取引手順)を標準化することで、売買を行うセルサイド、バイサイド双方にとって信頼性や効率を強化する目的で発表されたもので、約1年前である2013年9月に AOL、マイクロソフト、ヤフー、Yieldex(後にMediaMathなども参加)によって結成された標準化ワーキンググループの活動が結実したものだと言えます。
この仕様によって、パブリッシャー(メディア)には以下のようなメリットがあるとされています。
・ワークフローの効率化の促進
・広告在庫の配信やプライシングなどの管理強化
・取引自動化の信頼性強化
多くのパブリッシャーが参加することで、代理店や広告主にも以下のようなメリットがあります。
・データの流動性や鮮度の担保
・複数メディアを1つのAPIで取引できることによる効率化
・アドエクスチェンジではアクセスできないプレミアム在庫の予約
APIのドキュメントは既に公開されており、102ページにも及んでいます。
リンク(PDF):www.iab.net/media/file/OpenDirect_V1.pdf
高まるプログラマティック・ダイレクトへの期待
US Programmatic Ad Spend Tops $10 Billion This Year, to Double by 2016 – eMarketer
eMarketer によると、プログラマティック・ダイレクトは、ディスプレイ広告のプログラマティック取引の中でも最も伸びる分野だと捉えられており、オープンRTBと比べてまだ規模は小さいものの、年率数倍の成長カーブを描き続けると予測されています。
プログラマティック取引の種類については、プラットフォーム・ワンさんの以下のページで詳述されています。ぜひご一読下さい。
プログラマティックと自動取引 -媒体社の視点から- | プラットフォーム・ワン
現在のアドテクノロジー分野は、中間のプレイヤーの乱立→合従連衡という過渡期にあることで、プロトコルが複数存在し、スケールメリットが出しにくく事業者の開発工数が肥大しがちなことが、今回の標準化を要請したものと思われます。
この標準化にどれだけのプレイヤーが参加するのか、巨人は動くのか、しばらくは見守っていく必要がありそうです。