ドラフト&エクスペリメント
2016年2月19日、Google は AdWords のアカウント内で適用した変更による結果を判断しやすくする機能「drafts and experiments」を発表しました。
リンク:Inside AdWords: Test with confidence using campaign drafts and experiments
この機能は検索ネットワーク(ディスプレイセレクトを含む)に向けて適用され、今後数週間以内に順次公開されるとのこと。以前にも増してAdWords内でのテストの結果が判断しやすくなることが予想されます。
【更新】
※日本語のブログでも、2016年3月8日に正式にアナウンスされています。
リンク:キャンペーンの下書きとテスト機能
「下書き機能」と「テスト機能」それぞれの役割
■下書き機能 ※
下書き機能は、シンプルに言えば「元のキャンペーンをコピー(ミラーリング)し、アカウントに反映しない状態で変更を加えることができる機能」です。
ドラフトの内容はそのまま元のキャンペーンに適用することもできますし、以下の「テスト(エクスペリメント)」として反映することもできます。
■テスト機能 ※
テスト機能は「作成したドラフトを、元のキャンペーンに変更を加えずに並行して実行することができる機能」です。
作成されたテストは、元のキャンペーンとのオークション機会の配分が可能です。つまり、例えば「重要で量も多いキャンペーンなので全体の30%程度からテストしたい」という場合であれば、オリジナルを70%、テストを30%とすることで、表示機会をコントロールすることができます。
あくまで機会配分ですので、テストの内容によっては結果は配分と異なることがありますので注意が必要ですが、同じ期間でオークション機会を分割できるので、余計な変数を増やさずに条件を揃えたテストが可能になるということですね。
現時点で使えない項目や指標の一覧
AdWordsにはかなり昔から「テスト(BETA)」という機能がキャンペーン設定の中に含まれていました。これもオークション機会をテストグループとコントロールグループに分けることができるため、今回発表のものと非常に近い機能が元々提供されていたことになります。
ただ、この機能はベータ表示がなかなか消えず(下手すればAdWordsの機能で一番長いベータなのでは…)、長い期間日の目をみなかった機能でもあります。今回の「下書き機能」「テスト機能」の2つは、この「テスト(BETA)」のリニューアル版のような位置づけかもしれません。
なお、2つの機能には使うことのできない項目や指標が幾つか存在しますので、利用の際はご注意下さい。以下はそれぞれの利用不可項目の一覧です。
■下書き機能で使用できない項目
・詳細分析タブ
・広告のスケジュールレポート
・検索語句レポート
・オークション分析レポート
・プレースメントレポート
・レポートのスケジュール設定への反映
・入札単価シミュレーション
・広告カスタマイザ(キャンペーン/広告グループターゲット)
・テスト(BETA)
・キーワード診断
・入札戦略の一部(クリック最大化、目標優位表示シェア、目標掲載位置、目標ROAS)
■テスト機能で実装できない項目
・広告カスタマイザ(キャンペーン/広告グループターゲット)
・テスト(BETA)
・入札戦略の一部(クリック最大化、目標優位表示シェア、目標掲載位置、目標ROAS)
テストの結果を判断するには統計的に有意になる程度の量があった方が望ましいため、ある程度ボリュームが確保できる大規模キャンペーンや、そのアカウント内の重要なキャンペーンで利用すると、この機能のありがたみが実感できそうですね。PDCAがより回しやすくなることが期待されます。