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Google 広告の2024年主要アップデート記事をまとめました
本記事では、2024年のGoogle 広告の主要アップデートをピックアップしました。ぜひご一読ください。
Google 広告共通
Google 広告の新デザインへの移行完了について
2024年8月30日にGoogle 広告の新デザインへ移行が完了し、旧デザインはサポート終了となりました。新しいデザインでは画面左側にナビゲーションメニューが配置され、五つの上位のカテゴリにページがまとまっています。
- キャンペーン:キャンペーンを分析、最適化、管理
- 目標:コンバージョン目標の定義、モニタリング、更新
- ツール:次の用途のツールを利用可能
- プランニング
- 入札単価と予算
- トラブルシューティング
- アセット ライブラリ
- オーディエンス管理
- 料金:費用とお支払いを管理
- 管理者:チーム、セキュリティ、アカウント設定を管理
※参考リンク:Google 広告の新デザインへの移行完了について
クロスメディア リーチの概要
Google 広告の測定ツール「クロスメディア リーチ測定」を使って、動画キャンペーン全体で重複を除去した「オンターゲット リーチ」と「フリークエンシー」を測定できるようになりました。クロスメディア リーチでは、YouTubeのリーチの効率性をテレビと比較して確認したり、両方のチャネルで確認したりできるため、ブランドキャンペーンを包括的に把握できるようになりました。
※参考リンク:クロスメディア リーチの概要
検索
新しいアセットの変更により、AIを活用した検索広告のパフォーマンスを向上
検索広告のパフォーマンス向上のために、アセットを使用する場合の広告の動作が変更されました。
柔軟性を高めてパフォーマンスを向上
レスポンシブ検索広告で一つの広告見出しを使用することでパフォーマンスの改善が見込まれる場合、見出しが一つ表示されるようになりました。この変更の一環として、説明文の先頭に広告見出しが表示されることがあります。
画像引用元:新たに変更されたアセットを活用して、AI による検索広告のパフォーマンスを高めましょう
広告見出しと説明文の追加がより簡単に
「キャンペーン単位の広告見出しと説明文」が新たに導入されました。キャンペーン内の全ての広告グループに適用されるセールを宣伝する場合などは、そのキャンペーン全体で同一の広告見出しと説明文を追加した方が合理的なためです。これにより、キャンペーン単位で最大3個の広告見出しと2個の説明文を関連付けることができるようになりました。追加した広告見出しと説明文は、キャンペーンの全てのレスポンシブ検索広告に表示されるようになります。
検索語句ごとに最も効果的なアセットを表示
アカウント単位の自動生成アセットを有効にすると、Google AIによって自動的にアセットが作成され、パフォーマンスの向上が見込まれる場合に広告に表示されるようになりました。
※参考リンク:新たに変更されたアセットを活用して、AI による検索広告のパフォーマンスを高めましょう
「部分一致」の名称を「インテント マッチ」に変更
2024年7月、Google 広告における「部分一致」の名称を「インテント マッチ」に変更したことを発表しました。これまで部分一致については、精度の低さや広告効率が悪化してしまう懸念がありました。しかし、近年AIや言語モデルの進化に伴い精度は向上し、部分一致という名称はもはや実態を正確に表すものではなくなりました。そこで、Googleは生活者や企業のインテント(意図)を捉えるという機能の本質に合わせてマッチタイプの名称を「部分一致」から「インテント マッチ」へと変更しています。
※参考リンク:インテント マッチ:部分一致の変遷に思うこと
Google 検索のパフォーマンスを高める検索語句のマッチングのアップデート
進化するAIを活用し、インテント マッチの機能改善が実施されています。これにより、ユーザーの検索語句のばらつきに左右されず、ターゲットとするユーザーにリーチすることができるようになりました。この機能を使用できるようにするため、検索語句のマッチングおよびブランドコントロールについて四つの機能アップデートがリリースされました。
- ブランドのトラフィック管理
- インテント マッチ向けのブランドの登録を提案する新しい最適化を提示
- 全てのマッチタイプおよび動的検索広告で利用できるブランドの除外
- 検索語句レポートの可視性の向上
- 誤字脱字を含む検索を簡単にブロック
- 機能アップデートの動作
- 除外キーワード:一つの除外キーワードで、全ての誤字脱字パターンに対応
- ブランドの登録:選択したブランド、またはそのブランドに関連する商品を含む検索に対してのみ広告を配信(インテント マッチでのみ利用可能)
- ブランドの除外:選択したブランド、またはそのブランドに関連する商品を含む検索に対しては、広告を配信しない
※参考リンク:Google 検索のパフォーマンスを高める検索語句のマッチングのアップデート
YouTube
コネクテッドテレビでYouTube 動画のミッドロール挿入点を減らし、ユーザーエンゲージメントを高める
コネクテッドテレビで長時間動画を視聴する場合のミッドロール挿入点を減らす機能がリリースされました。
※参考リンク:コネクテッド テレビで YouTube 動画のミッドロール挿入点を減らし、ユーザー エンゲージメントを高める
P-MAX
パフォーマンスの詳細な管理や高度分析を可能にする機能
Google AIの技術をベースとするP-MAX キャンペーンにおいて、2024年4月に新しい機能がリリースされました。P-MAX で最大限の成果を上げるには、Google AIに適切なデータが入力される必要があります。そのために、パフォーマンスを詳細に管理し、高度な分析情報を確認できる以下の機能をリリースしました。
- 最適なユーザーにリーチし、関心を維持する「ユーザー維持」目標の追加
- IPアドレスの除外機能で関連性の低いトラフィックを除外
- 「最終ページURLの拡張」機能をリアルタイムでテストし、適用
- 「アセットのオーディエンス分析」に基づいて価値の高いオーディエンスを見極め、キャンペーンを調整
- 予算の消化ペースに関する分析情報を活用して、予算を最適化
※参考リンク:P-MAX キャンペーンを成功に導くための新機能
アセットのテスト、動画の拡張を導入
AIを提供する新しい方法が発表されました。P-MAX については、以下の新機能が導入されました。
- テストと生成 AIを活用してアセットの質を高める
- 動画広告を拡張する
- P-MAX と通常のショッピング キャンペーンをより柔軟に組み合わせる
※参考リンク:P-MAX の新機能: アセットのテスト、動画の拡張など
デマンドジェネレーション
動画アクションキャンペーンがデマンドジェネレーションキャンペーンへ統合
動画アクション キャンペーン(VAC)が、デマンド ジェネレーションに置き換わることが発表されました。置き換えによってパフォーマンスの向上が期待できますが、動画アクション キャンペーンが終了する前にデマンドジェネレーションキャンペーンの仕様や設定に慣れることをおすすめします。今後のスケジュールは以下のとおりです。
- 2025年3月:Google 広告から、新しい動画アクション キャンペーンを作成するオプション削除
- 2025年第2四半期:既存の動画アクション キャンペーンはデマンド ジェネレーション キャンペーンに自動的にアップグレード
※参考リンク:動画アクション キャンペーンがデマンド ジェネレーションにアップグレードされます
ポストクッキー時代に向けて
ChromeのサードパーティCookieの非推奨化を断念
Googleは、2024年7月22日に、ChromeのサードパーティCookieの非推奨化をせず、2025年以降もChomeブラウザ内で使用可能な状態に保つことを発表しました。
※参考リンク:Google、ChromeのサードパーティCookieの非推奨化を断念
プライバシー サンドボックス APIを使用したディスプレイ広告テストの結果
Googleはポストクッキー時代に向けて、サードパーティCookieを使用せずに広告のパフォーマンスを維持する方法を模索しています。その一つが、プライバシー サンドボックス APIと他のシグナルを組み合わせた厳格なテストの実施です。
※参考リンク:プライバシー サンドボックス API を使用したディスプレイ広告テストの結果
ファーストパーティ データ戦略を強化する新たなツール
デジタル広告に対する人々のプライバシー意識は世界中で高まっていて、強力なファーストパーティ データ戦略を構築することはかつてないほど重要になっています。プライバシーに関する規則の制定やテクノロジーの進化を受けて、Googleは消費者の選択を尊重しつつ広告主の成功を支援するため、二つの新しいツール「タグ診断ツール」「同意管理のセットアップ」をリリースしています。
- Google「タグ診断」を使用して、効率的に測定の精度を維持
- 「同意管理のセットアップ」でよりシームレスに同意管理を実装
※参考リンク:ファーストパーティ データ戦略を強化する新たなツール
Google イベント
2024年5月21日、Googleは同社の広告ならびにコマース関連プロダクト群に関する最新アップデートや、開発の方向性を発表するGoogle Marketing Live 2024(以下、GML2024)を開催しました。
検索の発表内容
検索広告の効果をこれまで以上に高めるために、どのように生成AIの最新の進化が活用されているのかについて発表がありました。
- 検索広告の新機能で新たな需要を開拓
- Google レンズや「かこって検索」の結果にショッピング広告を表示して、視覚情報を探しているユーザーに直接働きかける(GML2024時点では、今後数か月の間に導入予定)
- 検索広告にインタラクティブな新機能が導入され、AI によるおすすめ情報がユーザーに表示されるようになる(GML2024時点では、今後数週間かけて米国でテスト予定)
- AI による概要に広告を組み込み、調べものをしているユーザーにもアピールできるようになる
- 手間をかけずに効果的な検索キャンペーンを作成
- Google 広告の会話機能を使って、最適化された検索キャンペーンを作成
YouTubeの発表内容
より多くの視聴者に行動を促し、広告の掲載場所をより詳細に把握するための機能が発表されました。
- より多くの視聴者に行動を促す
- ステッカーを使用してYouTube ショート広告のインタラクティブ性を高める(GML2024時点では、今後数か月の間に導入予定)
- YouTube ショートを視聴しているより多くのユーザーに、そのユーザーの考え方に合った広告(スワイプやダブルタップなど)で働きかける(GML2024時点では、今後数か月の間に導入予定)
- 資格要件をクリアしているYouTube クリエイターは、YouTube ショッピング アフィリエイト プログラムを利用することで、視聴者が動画を見ながら購入ができる動画を配信できる(GML2024時点では、年内に導入予定)
- YouTube クリエイターが作成した動画をYouTube 広告として宣伝できる(GML2024時点では、今後数か月の間に導入予定)
- 広告の表示場所を詳しく把握
- YouTube ショート広告の掲載先を参照し、データを確認できる
- YouTube インストリームだけでなく、YouTube ショートでも、掲載先の絞り込み機能やテーマに基づく除外機能を利用することで、広告の掲載先を管理できる
P-MAX の発表内容
P-MAX で広告をより細かく管理し、掲載場所やパフォーマンスをより詳細に把握できる新機能が発表されました。
- ブランドのイメージに即した視覚に訴える広告作成をリリース予定
- 画像生成技術が進化(GML2024時点では、今後数か月の間に導入予定)
- ブランドの基準に即し、高い効果が見込める広告を作成(GML2024時点では、今年後半に導入予定)
- Google Merchant Center フィードの商品画像などの画像を編集可能に(GML2024時点では、今後数週間以内に導入予定)
- Google 広告とサードパーティのクリエイティブ プラットフォームを簡単に連携(GML2024時点では、今後もパートナー連携予定)
- パフォーマンスや大きなチャンスがある領域を詳しく分析
- P-MAX キャンペーンの広告がYouTubeのどこに表示されているのかを、より詳細に把握
- クリエイティブ アセットごとにコンバージョン関連の主要指標を確認し、ユーザーが反応を示しているアセットを把握(GML2024時点では、今後数か月以内に導入予定)
- アセットをP-MAX キャンペーンに追加するテストを実施し、コンバージョン数の伸びを測定できるように変更(GML2024時点では、年内に小売業界の広告主向けに導入予定)
- コンバージョン リフト測定機能を追加(GML2024時点では、今後数か月以内に導入予定)
- 改善された診断的インサイトをトラブルシューティングに活用(GML2024時点では、年内に導入予定)
- ショッピング広告のカテゴリ別の詳細な分析情報を入手
- 費用対効果と顧客ロイヤルティを向上
- スマート自動入札の目標を利益の最適化に設定して、利益を最大化(GML2024時点では、今後数か月以内に導入予定)
- ポイント会員に購入を促す、会員限定の特典や特別価格などをアピールできる新機能(GML2024時点では、今後数か月以内に導入予定)
- 新規顧客向けに初回購入プロモーションの情報を掲載(GML2024時点では、年内に導入予定)
- 利用可能なクーポンを掲載した広告を表示
デマンド ジェネレーションの発表内容
広範囲にわたってパフォーマンスを最適化したり、視覚に訴える広告を配信したり、より関心の高いユーザーに広告を表示したりできる新機能が発表されました。
- 広範囲にわたってパフォーマンスを最適化
- Google マーケティング プラットフォームからデマンド ジェネレーション キャンペーンを実施(GML2024時点では、今後数か月以内に導入予定)
- 視覚に訴える広告を配信し、広告の表示場所を管理
- アニメーション付きイメージ広告を使用し、エンゲージメントを促進
- 動画アセットの配信先を固定して、広告が表示される場所をコントロール(GML2024時点では、今後数週間で導入予定)
- より関心の高いユーザーにリーチ
- 既存顧客に似ている新しいオーディエンスに広告を表示(GML2024時点では、今後数週間で導入予定)
2024年もUnyoo.jpでは、Google Marketing Live のイベントレポートを日本時間の開催当日に公開しました。詳しくは「Google Marketing Live 2024イベントレポート:キーノートスピーチまとめ」をご覧ください。
※参考リンク:Google Marketing Live 2024イベントレポート:キーノートスピーチまとめ
Google Marketing Live 2024:発表内容のまとめ
まとめ
以上、Google 広告の2024年主要アップデートまとめでした。2024年はP-MAX をはじめとする自動化やAIフォーカスのアップデートが多く発表されました。今後もさまざまな機能のアップデートが実施されると思いますので、定期的にキャッチアップしていきましょう。