Microsoft 広告について掘り下げる連載「Microsoft 広告アカウントマネージャーに聞く」。第22回ではオーディエンス広告で実施された様々なアップデートについてお伝えしました。第23回では2024年10月1日発表のアップデート内容をお伝えします。
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目次
PMAXで四つのアップデート
Microsoft 広告のPMAXではCopilotにも広告掲出が可能です。MAX経由でCopilotに広告表示した場合と検索キャンペーンにてCopilotに配信した検索広告を比較するとコンバージョン率が63%上昇*したという調査結果が出ています。
* Microsoftが類似した業種サービスにて比較調査した2024年6月〜8月の実績より
また、その他の広告形式においても同様の調査を行った結果、インプレッションがマルチメディア広告では3.5倍、商品広告では5倍増加していました。
今回、PMAX活用をさらに検討しやすくするアップデートが実施されました。アップデートされた機能は下記のとおりです。
- 検索語句レポートが利用可能に
- ブランド除外が指定可能に
- アセットグループ単位でのURLルールが10月中旬より設定可能に
- DSAからPMAXにアップロードする際の推奨事項アナウンスの提供開始
さらに今後、
- 動画アセットの登録開始
- 新規顧客獲得目標設定の追加
など、多くの機能の展開が予定されているとのことです。
ディスプレイ広告の入札やターゲティングもさらに強化
Microsoft 広告のディスプレイ広告では、Microsoft EdgeやEdgeを開いた際にデフォルトで表示されるトップページのMicrosoft Start、そしてOutlookといったMicrosoftが保有する広告面への配信だけでなく、パートナーサイトにも広告配信することが可能です。
ディスプレイ広告では、入札やターゲティングの機能が追加されました。
- 入札戦略の選択肢が「手動CPM」「拡張クリック単価」「コンバージョンの最大化(自動入札)」の3項目に
- オーディエンスターゲティングは下記項目の通りインプレッションから購入まで目的に応じた項目を選択できるように
- 購買意向の強いユーザー
- リマーケティングリスト
- 動的リマーケティングリスト
- カスタマーマッチリスト
- 結合されたリスト
- LinkedInプロフィールターゲティング
- 予測ターゲティング
- インプレッションベースのリマーケティング(パイロット版)
予測ターゲティングでは、コンバージョンの可能性が高い新規オーディエンスの発見が可能となりました。
また、インプレッションベースでのリマーケティングが可能となり、例えば下記のような施策で活用が想定されます。
- 認知施策で広告を閲覧したユーザーに対して、コンバージョン目的の広告を配信
なおこれらのアップデートと合わせて、これまで日本ではMicrosoftの担当者での申請許諾を得てから配信可能だったディスプレイ広告が、許諾なしに全アカウントで配信可能となりました。
Microsoft 広告のすべての入札方式にてIAS検証が可能に
8月のアップデートにてMicrosoftとIASの提携について発表されましたが、ついに全ての入札戦略においてIASの検証機能を用いてネイティブ広告、ディスプレイ広告、動画広告の視認性、無効なトラフィック、ブランドセーフティを計測確認できるようになりました。計測を行いたい場合は、Microsoft Advertising プラットフォーム内の広告にIASタグURLの追加が必要です。
その他のアップデート
その他に以下のアップデートが発表されました。
- 自動入札戦略の推奨事項が追加。現在の広告配信パフォーマンスが予算制限か自動入札機能による制限の影響を受けているかなどを確認可能に
- MicrosoftのDSPであるInvestに、特定のページURLを入力するだけで、ページの画像とコピーに基づいて、関連性の高いパーソナライズされた広告を自動作成する機能が追加
今回の発表についてのコメント(南)
今回のアップデートは、主にPMAXやディスプレイ広告に関連したものでした。
運用型広告にてここ数年大きい波を起こしているアクション・パフォーマンス最大化に向けた配信の自動最適化には引き続き取り組みつつ、課題となっているパフォーマンスの更なる最大化に向けた調整ポイント、分析機能の拡張が行われたことで、Microsoft 広告がより安全に、成果の向上に貢献できるようになった印象を持ちました。
Unyoo.jpでは、引き続きMicrosoft 広告のアップデートに注目して参ります。
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