Upfrontを締める形で発表
Netflixは、2024年8月20日に、広告事業に関するいくつかの主要な発表を行い、Upfront(アップフロント=米国のネットワークとストリーミング配信事業者が、今年から来年にかけてのシーズンの番組編成計画を明らかにし、広告主に毎年恒例の売り込みをかける時期)を締めくくりました。
発表された内容
以下の内容が発表されました:
- Netflixが5月に発表した自社開発の広告システムについては、11月にカナダでテスト運用を開始し、2025年には全世界でサービスを開始する予定
- The Trade Desk、Googleのディスプレイ&ビデオ360(DV360)、またはXandrを通じて、Netflixと直接1:1のプライベートマーケットプレイス取引を設定を開始。11月にはプログラマティックギャランティーを含む様々なバイタイプに機能を拡張する予定
- インプレッション検証のためにGoogleのキャンペーン マネージャー 360とInnovidを導入。アドフラウドとビューアビリティ検証に対しては、すでにパートナーシップを締結しているDoubleVerifyとIntegral Ad Scienceをプログラマティックチャンネルに拡張。これらのソリューションは、10月にはすべてのバイイング・チャンネルで利用可能になる予定
- ここ数週間、エクスペディア、フォード、T-モバイル、メルセデス・ベンツ、ノバルティス、アメリカン・イーグルなどの広告主と複数のプログラマティック・キャンペーンを実施。
- プログラマティック・プライベート・マーケットプレイスでの購入は、現在、米国、カナダ、ブラジル、メキシコで利用可能であり、今後数ヶ月でさらにグローバルに拡大される予定
- Netflixは、今秋からBarb AudiencesのAdvanced Campaign Hub、NielsenOne、Lucid Holdings, Inc./Cint、EDO, Inc.、NCSolutions、Kantar、Affinity Solutionsでプランニングと計測が可能になる
- クリーンルームのサプライヤーであるSnowflake、InfoSum、LiveRampと提携。広告主が安全な環境でオーディエンスの重複、キャンペーン後のリーチとフリークエンシー、ラストタッチのアトリビューションなどを分析可能。Snowflake Data Clean Roomsは2024年8月20日よりパートナー向けに提供開始され、InfoSumとLiveRampは今後数ヶ月のうちに提供開始される予定
今回の発表についてのコメント
自社開発システムは想像以上に早いペースで開発を進めている印象です。また、さまざまなパートナーとの提携を矢継ぎ早に発表しました。Netflixの広告事業に対する評価は現在のところまちまちです。広告事業も新体制になり、先々の収益性に対する不安を払拭する意味でも、やれることは全方位で行い、急いで再構築を行なっている感があります。Netflix広告事業のフェーズ2がどのように進んでいくのか、注目したいと思います。