はじめに
2023年10月1日に、「LINE」を展開するLINE株式会社、「Yahoo! JAPAN」を運営するヤフー株式会社が合併して、LINEヤフー株式会社が発足しました。合併により、Yahoo!広告のLINEへの配信が、より強化されるなど、今年も多くのニュース・アップデートがありました。まとめて紹介しますので、この機会に、ぜひチェックしてみてください。
配信先拡大関連のアップデート
【ディスプレイ広告(運用型)】LINEアプリにおける配信先の拡大
LINE_トーク画面の最上部
(画像引用元:https://s.yimg.jp/images/ads-promo_edit/support/pdf/202304_YDA_LINEapp_JP_RN.pdf)
2023年4月より、LINEアプリ内で、最も利用されているトーク画面の最上部に広告掲載ができるようになりました。広告のスマートフォン画面占有率は決して高くないため、広告画像内にテキスト情報を詰め込みすぎないように注意しましょう。
※参考リンク:
【ディスプレイ広告(運用型)】LINEファミリーアプリ/LINE広告ネットワークを配信先として追加
2023年5月17日に、LINEファミリーアプリ(※1)/LINE広告ネットワーク(※2)への広告配信が開始されました。
※1 LINEファミリーアプリ:カメラアプリ「LINE camera」やアバターコミュニケーションアプリ「LINE PLAY」、ゲームサービス「LINE GAME」など、さまざまな分野でLINEと連携するアプリ
※2 LINE広告ネットワーク:1万(※2022年8月時点の累計アプリ数)を超えるアプリに、リーチできるモバイルアドネットワーク
※参考リンク:
【ディスプレイ広告(運用型)】LINE VOOMを配信先に追加
LINE VOOM 広告枠
(画像引用元:https://s.yimg.jp/images/ads-promo_edit/support/pdf/20230821_YDA_LINEapp_JP_RN.pdf)
2023年8月28日より、LINE VOOMに、広告が掲載されるようになりました。LINE VOOMには、ショート動画などが表示されます。おすすめタブでは縦型のフルスクリーン表示になるため、ユーザーに没入感を与えることが可能です。
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【ディスプレイ広告(運用型)】コンテンツキーワードターゲティング対象掲載面の拡大
コンテンツキーワードターゲティング対象掲載面拡大イメージ
(画像引用元:https://s.yimg.jp/images/ads-promo_edit/support/pdf/20230913_Contentkwtg_placements_JP_RN.pdf)
2023年9月13日に、コンテンツキーワードターゲティング対象掲載面が拡大されました。従来は、Yahoo! JAPANの一部サービスのWebページとアプリのみが掲載先でしたが、指定するキーワードや、その数によって著しく配信ボリュームが少なくなる場面があったかと思います。アップデート以降は、ディスプレイ広告の掲載先となる全てのWebページも、広告配信対象となりました。
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コンバージョン関連のアップデート
【ディスプレイ広告】コンバージョン計測の一部見直しについて
ディスプレイ広告(運用型)におけるコンバージョン測定関連のアップデート予定
(画像引用元:https://s.yimg.jp/images/ads-promo_edit/support/pdf/202211YDA_convtrack.pdf)
2023年1月12日より、コンバージョン計測の見直しが実施されました。従来は、同一ユーザーの5分以内のリロードはコンバージョンとしてカウントされていませんでしたが、アップデート以降はカウントされるようになっています。
本アップデートは、世界中で起こるプライバシー保護の動きにより、サードパーティクッキーによるコンバージョン計測に制限がかかっていることを背景に、プライバシーに配慮しながらデータの観測性を高め、質の高いレポートや自動入札を提供することを目指したアップデートになります。
本アップデート以降、同一ユーザーによる複数コンバージョンを除外したい場合は、計測方法を「初回のみ」に変更する必要がありますので、ご注意ください。
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【ディスプレイ広告(運用型)】推定コンバージョンの導入について
推定コンバージョン
(画像引用元:https://s.yimg.jp/images/ads-promo_edit/support/pdf/202301YDA_modeledCV.pdf)
2023年2月27日に、推定コンバージョンが導入されました。推定コンバージョンは「測定可能なデータを用いてモデルを構築し、測定できないコンバージョンを推定したもの」で、iOSなど観測性が低下しているプラットフォーム上での測定データを適用対象としています。
推定コンバージョンは、レポートや一覧画面のコンバージョン数に合算されて表示され、分割しての数値確認ができません。本機能の導入による影響は、それぞれ以下のとおりです。
推定コンバージョンの導入による影響
(画像引用元:https://s.yimg.jp/images/ads-promo_edit/support/pdf/202301YDA_modeledCV.pdf)
従来はコンバージョンの数が少なく、自動入札の機械学習が進まなかったアカウントは、本アップデートにより自動入札の導入が行いやすくなる、というメリットは見込めるかと思います。ただし、推定コンバージョンの精度に課題があれば、パフォーマンス上昇を楽観視できません。自動入札の目標値設定や予算金額の変更を、適宜、行う必要があると思います。
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【ディスプレイ広告(運用型)】動画視聴経由のコンバージョンの広告配信などにおける活用について
動画視聴経由のコンバージョンも配信に利用
(画像引用元:https://s.yimg.jp/images/ads-promo_edit/support/pdf/202301YDA_CVvideo.pdf)
2023年2月27日に、動画視聴経由のコンバージョンを「自動入札の最適化」と「広告品質の予測」に活用するアップデートを実施しました。
詳細は以下の記事をご参照ください。
https://www.atara.co.jp/unyoojp/2023/02/news_yahoo_dsp_230210/
【ディスプレイ広告】コンバージョンのインポート機能の提供について
コンバージョンのインポート機能の仕組み
(画像引用元:https://s.yimg.jp/images/ads-promo_edit/support/pdf/20230803_YDA_CVimportfeature_JP_RN.pdf)
2023年8月3日に、Webサイト外で発生したコンバージョンのデータをインポートする機能が、広告管理ツール上で提供開始されました。従来は、コンバージョン計測APIでのみ提供されていました。
コンバージョンのインポートは「Webサイト外で発生したコンバージョン(来店や実店舗での購入など)のデータを「YCLID」と関連付けて広告管理ツールにインポートする機能」です。Webサイト外で発生するコンバージョンを計測するニーズを基にした機能で、本機能により、オフラインとオンラインを横断した広告効果を可視化し、広告配信が最適化され、広告効果の向上が見込めます。
※参考リンク:
その他のアップデート
【検索広告】オークションインサイト機能の提供開始
オークションインサイトの項目
(画像引用元:https://s.yimg.jp/images/ads-promo_edit/support/pdf/YSA_Auctioninsights_20230112.pdf.pdf)
2023年1月25日に、オークションインサイト機能の提供が開始されました。広告管理ツール(新画面)にて、キャンペーン、広告グループ、キーワードの単位で、上表の項目が確認できる機能です。
例えば、あるキーワードでのインプレッションにおけるページ最上部の割合に課題がある場合、そのキーワードについてオークションインサイト機能を活用することで、表示URLのドメイン単位で自社と他社の掲載結果を確認し、他社の広告を参考にすることで、インプレッションにおけるページ最上部の割合を改善する、といった活用方法があります。
※参考リンク:
Yahoo!広告 スクリプトの提供開始について
Yahoo!広告 スクリプトで実現できること
(画像引用元:https://s.yimg.jp/images/ads-promo_edit/support/pdf/YahooAdsScript202302.pdf)
2023年2月15日に、Yahoo!広告 スクリプト機能の提供を開始しました。JavaScriptを用いて、広告の入稿や設定変更、レポートの作成などを自動化できる機能です。実装の際はデベロッパーセンター(https://ads-developers.yahoo.co.jp/ja/ads-script/)をご参照ください。
※参考リンク:
【検索広告】マッチタイプ「部分一致」の判断要素追加について
2023年7月10日に、マッチタイプ「部分一致」キーワードの判断要素として以下が追加されました。
- ランディングページの内容
- 同じ広告グループ配下にある、他のキーワード
登録キーワードと一致、または類義語や関連性のある検索キーワードに表示される仕様であり、完全一致やフレーズ一致よりも一般的には広告表示対象のキーワードが拡張されます。本アップデートにより、インターネットユーザーの検索意図に沿った広告表示、配信精度の向上が見込めるとのこと。
詳細は以下の記事をご参照ください。
※参考リンク:
以上、Yahoo!広告の2023年主要アップデートまとめでした。2024年にはChromeサードパーティクッキー完全廃止が予定されており、インターネット広告の世界が大きく変化する年となりそうです。引き続き、アップデート情報をしっかり追って、広告運用していきたいですね。