公開日:2023年7月31日
更新日:2024年5月24日
本記事では、インプレッションシェアの定義や改善方法を分かりやすく解説しています。
目次
インプレッションシェアとは
インプレッションシェアとは、広告が表示可能だった合計回数のうち、広告が実際に表示された回数が占める割合のことです。
インプレッションシェアは、以下の計算式によって求められます。
例えば、広告が表示可能だった合計回数が1000回、実際に広告が表示された回数が800回だった場合、インプレッションシェアは80%となります。
インプレッションシェアの計算の仕組み
インプレッションシェアは、以下のオークションを対象に計算されます。
- 広告が表示されたオークション
- 広告が十分に表示可能だったオークション
例えば、入札単価が現在の2倍であれば広告を表示できたオークションは「広告が十分に表示可能だったオークション」に含まれますが、広告を表示するために入札単価を1000倍に引き上げる必要があると推定されるオークションは含まれません。
インプレッションシェアは、その日に行われた広告オークションを対象として、同じ広告オークションに参加した他の広告主の広告の品質などのデータに基づいて計算されます。
インプレッションシェア損失率とは
インプレッションシェア損失率とは、広告が表示されなかった原因を理解するための指標のことで、インプレッションシェア損失率(予算)とインプレッションシェア損失率(ランク)の二つの指標があります。
インプレッションシェア損失率(予算)
インプレッションシェア損失率(予算)は、キャンペーンの1日の予算が足りないことで広告が表示されなかった回数の割合です。例えば、予算が少ないキャンペーンで検索ボリュームの大きいビッグワードに配信すると、すぐに1日の上限予算に達してしまいインプレッションシェア損失率(予算)が大きくなる可能性があります。
インプレッションシェア損失率(ランク)
インプレッションシェア損失率(ランク)は、広告ランクが低いことで広告が表示されなかった回数の割合です。例えば、広告の品質や入札単価が低いことで他社とのオークションに負けて広告が表示されないと、インプレッションシェア損失率(ランク)は大きくなります。
つまり、インプレッションシェアとインプレッションシェア損失率(予算)・インプレッションシェア損失率(ランク)の合計が100%になります。
インプレッションシェアの改善方法
広告配信では「どんなユーザーに」「どの広告を見せると目標を達成できるか」を機械学習しています。学習するデータは、ユーザーに関する情報(検索キーワード・デバイス・地域・時間帯・ブラウザ・OS・言語など)や広告のパフォーマンス(広告・クリックされたか・コンバージョンにつながったかなど)など多岐にわたり、機械学習を進める上でデータ量が重要になります。
そのため、インプレッションシェア損失率(予算)が発生している場合は、0に近づけるよう改善する必要があります。
一方、インプレッションシェア損失率(ランク)は、広告の表示回数を増やしたいなど必要に応じて改善をするといいでしょう。機械学習を利用した広告配信では、広告主が求めるアクションをしそうなユーザーに対しては入札価格を引き上げ、しなそうなユーザーには入札価格を引き下げています。入札価格を引き下げると、広告を表示できない可能性は高まるため、インプレッションシェア損失率(ランク)が発生するのは仕方ないといえます。
インプレッションシェア損失率(予算)が発生している場合の配信
インプレッションシェア損失率(予算)が発生している場合、予算不足が原因で広告を表示できない機会損失が発生しています。例えば、午前中に予算を使い切ってしまい、午後は入札ができないといった広告配信になっています。こうした広告配信では、広告の表示機会が失われることで、機械学習が進みづらくなっています。
インプレッションシェア損失率(予算)の改善方法
インプレッションシェア損失率(予算)が発生している場合は、以下のような対応が有効です。
1日の上限予算を増やす
予算の増額が可能な場合、1日の上限予算の引き上げを行うことで、インプレッションシェア損失率(予算)を減らすことができます。
広告の配信対象を減らす
予算の増額が難しい場合、広告の配信対象を減らすことで、インプレッションシェア損失率(予算)を減らすことができます。具体的には、以下のような対応を行います。
- 入札価格の引き下げ
- デバイスや配信時間、配信地域を絞る
- 効果の悪いキーワードを停止する(検索広告の場合)
- ビッグワードへの配信を停止する(検索広告の場合)
- 除外キーワードの設定(検索広告の場合)
- プレースメントの数を減らす(ディスプレイ広告の場合)
インプレッションシェア損失率(ランク)の改善方法
インプレッションシェア損失率(ランク)を改善する場合は、広告ランクを改善しましょう。
広告ランクとは
広告ランクとは、広告の掲載順位を決める数値のことです。広告ランクは、オークションのたびに入札単価や広告の品質に基づいて計算されます。広告ランクが低いとオークションに負けてしまい、広告が表示されない可能性があります。
広告ランクの改善方法
広告ランクを改善するには以下の方法があります。
- 入札単価を上げる
入札単価を引き上げることで広告ランクが上がり、広告が表示される可能性が高まります。ただし、入札単価を引き上げるとクリック単価も上がる可能性があるので注意しましょう。また、入札単価を引き上げることで、インプレッションシェア損失率(予算)が発生することもあるので注意しましょう。 - 推定クリック率を高める
推定クリック率は、広告がクリックされる可能性を表した数字です。推定クリック率を高めることで広告ランクを改善することができます。具体的には、広告文の具体性を高めたり、検索するユーザーの意図と広告文をマッチさせたりするといいでしょう。 - 広告の関連性を上げる
広告の関連性は、検索キーワードと広告の内容の関連性の高さを示したものになります。広告の関連性を上げるには、ユーザーが検索するキーワードを広告文に含めたり、ユーザーが検索するキーワードと広告文がマッチしているかを確認したりします。マッチしていない場合は、広告グループを分割するなどの対応をするといいでしょう。 - ランディングページの利便性を改善する
ランディングページの利便性を改善するには、広告文の内容とランディングページの内容に一貫性を持たせたり、ページの読み込み速度や操作のしやすさを改善したりするといいでしょう。 - 広告表示オプションを設定する
広告表示オプションを設定していない場合は、設定することで広告ランクを高められる可能性があります。 - クリエイティブを改善する
メッセージが適切に伝わる広告を作成することで、広告ランクを改善することができます。具体的には、クリエイティブのABテストを行ったり、広告とランディングページに一貫性を持たせたりします。
インプレッションシェア・インプレッションシェア損失率の確認方法
インプレッションシェア・インプレッションシェア損失率は、さまざまな広告プラットフォームで確認できる指標です。ここではGoogle 広告とYahoo!広告の確認方法を紹介します。
Google 広告の場合
- ページメニューの[キャンペーン]、[広告グループ]、[商品グループ](ショッピング キャンペーンの場合)、[キーワード] のいずれかをクリックし「表示項目」ボタンをクリック
- 「競合指標」の中の表示項目にチェックし「適用」ボタンをクリック
- インプレッションシェアに関するデータを表で確認
Yahoo!広告 検索広告の場合
- キャンペーン、広告グループの一覧画面の「表示項目を編集」ボタンをクリック
- 追加したい表示項目にチェックし「適用」ボタンをクリック
- インプレッションシェアに関するデータを表で確認
Yahoo!広告 ディスプレイ広告の場合
- キャンペーン、広告グループの一覧画面の「表示項目を編集」ボタンをクリック
- 追加したい表示項目にチェックし「適用」ボタンをクリック
- インプレッションシェアに関するデータを表で確認
まとめ
インプレッションシェアに関する数字は、効果的な広告運用を行う上で重要な指標になります。各数字の定義を理解した上で、日々の広告運用に生かしてみてください。
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