本記事では「Googleファインド広告」の特徴や、ディスプレイ広告(GDN)との違い、配信するメリットについて詳しく解説します。
目次
Googleファインド広告とは
Googleファインド広告(ファインドキャンペーン)とは、Googleが保有するサービスのフィード面に配信できる広告のことです。具体的には、YouTube、Discover、Gmailに配信できます。
YouTubeのホームフィードに配信された例
画像引用元: https://www.thinkwithgoogle.com/future-of-marketing/creativity/discovery-campaign-tips/
近年、ユーザーが新しい商品やサービスを見つける機会は増えており、個人にパーソナライズされた情報を提供するフィード面のあるサービスも、そのうちの一つです。フィードを見ているユーザーは、関心のある情報や役に立つ情報を探している状況にあります。ユーザーが関心を示しやすいタイミングに広告を表示できるGoogleファインド広告について詳しく見ていきましょう。
Googleファインド広告とGoogleディスプレイ広告(GDN)との違い
Googleディスプレイ広告(GDN)との主な違いについて解説します。GDNとの主な違いは四つあります。
- 配信面
- ターゲティング
- クリエイティブ
- ユーザーの心理状態
配信面
GDNは、Googleの所有するサービス(YouTubeやGmailなど)以外に、一般のWebサイトやアプリにも広告が配信されます。一方、Googleファインド広告は、Googleの所有するサービスのみに広告が配信されます。
左からYouTube、Discover、Gmailに表示されるGoogleファインド広告の例
画像引用元:https://support.google.com/google-ads/answer/12414324?hl=ja&sjid=1500455298499893741-AP
Googleファインド広告は、それぞれのサービスで以下の面に配信されます。
YouTube | ホームフィード、次のおすすめフィード |
Discover | 指定なし |
Gmail | プロモーションタブ、ソーシャルタブ |
ターゲティング
Googleファインド広告とGDNは、どちらもユーザー属性や興味・関心など人に対してのターゲティングができます。違いとしては、Googleファインド広告は、広告を表示する場所を指定するコンテンツターゲティングを利用できません。
クリエイティブ
Googleファインド広告では、複数の画像を表示できる「カルーセル広告」と呼ばれるフォーマットを利用できます。GDNでは、カルーセル広告を利用できません。
カルーセル広告については「配信のポイント」の章で詳しく解説します。
ユーザーの心理状態
GDNは、一般のWebサイトやアプリに広告が表示されます。このときのユーザーは、Webサイトやアプリの内容に興味がある心理状態にあります。一方、Googleファインド広告が表示されるフィード面を利用するユーザーは、特定の情報に興味があるのではなく、ニュースや動画など自分が興味のある情報を探している心理状態にあります。
Googleファインド広告のメリット
この章では、Googleファインド広告のメリットとGoogleファインド広告ではできないことを紹介します。
まずは三つのメリットについて解説します。
- 一つのキャンペーンで、Googleサービスを利用する幅広いユーザーに配信できる
- 自然な形で見てもらいやすいネイティブな広告形式
- Googleが保有するデータに基づく精度の高いターゲティング
一つのキャンペーンで、Googleサービスを利用する幅広いユーザーに配信できる
Googleファインド広告では、一つのキャンペーンでGoogleの所有するサービスに広告を配信でき、幅広いユーザーにリーチできます。特にYouTubeやGmailは利用者が多く、多くのユーザーにリーチできます。
自然な形で見てもらいやすいネイティブな広告形式
Googleファインド広告は、フィードの中のコンテンツに違和感なく溶け込んで表示されます。広告に嫌悪感を持つユーザーも、自然な形で広告を目にして興味を持ってくれるでしょう。
Googleが保有するデータに基づく精度の高いターゲティング
Googleファインド広告は、Googleのサービス内に広告が配信されるため、Googleが保有する膨大なデータをターゲティングに利用できます。具体的には、検索履歴や閲覧履歴のデータを利用して、興味関心の高いユーザーに高い精度でターゲティングすることができます。
Googleファインド広告ではできないこと
Googleファインド広告では、いくつかできないことがあります。
- 配信面の指定
- 配信デバイスの指定
- フリークエンシーキャップの利用
- 広告のローテーションの利用
配信面の指定
Googleファインド広告では、YouTubeのみに配信するといった配信面の指定はできません。機械学習により、自動的に最適な配信面に広告が表示されます。
配信デバイスの指定
デバイスについても、モバイルのみといった指定はできません。
フリークエンシーキャップの利用
フリークエンシーキャップは、同じユーザーに広告を表示する回数を制限する機能です。Googleファインド広告では、フリークエンシーキャップを利用できません。
広告のローテーションの利用
広告のローテーションの機能を利用すると、同じ広告グループ内の複数の広告を均等配信することができますが、Googleファインド広告ではこちらの機能を利用できません。
Googleファインド広告の配信時のポイント
この章では、Googleファインド広告を配信するときのポイントをいくつか紹介します。
実際にGoogleファインド広告を配信する際には、ぜひ参考にしてみてください。
カルーセル広告を活用する
Googleファインド広告では、カルーセル広告を利用することで、複数の画像を用いて商品・サービスの魅力を伝えることができます。例えば、ECサイトなど複数の商品を展開している場合にも活用できます。
画像引用元:https://support.google.com/google-ads/answer/9904013?hl=ja&ref_topic=10307857
商品フィードを活用する
商品フィードを活用したGoogleファインド広告では、複数の商品の中から、ユーザーに関連性の高い商品を自動的に表示できます。商品フィードを活用することで、商品ごとに広告を作成する手間が省けるので、商品数が多いECサイトなどに適しています。利用するには、Google Merchant Centerに商品データをアップロードし、Google Merchant CenterアカウントとGoogle 広告アカウントを連携する必要があります。既存のファインド広告に商品フィードを追加することや、ファインド広告にすでに連携された商品フィードを修正することはできないので注意しましょう。
魅力的で高解像度の画像を使用する
広告で利用する画像は、一目でどんなサービスかが分かるものにし、できるだけ高い解像度の画像(1200×628、960×1200、1200×1200ピクセル)を使用しましょう。また、人物が写っている画像は、人物が写っていない画像に比べてクリック数が4%増加したというデータがあるため、人物が写っている画像の使用もおすすめです。(*1)
※出典:
*1:Discovery campaign tips – Think with Google
ユーザー体験を損なう画像は使わない
広告全般に言えることですが、Googleファインド広告でもユーザー体験を損ねないように注意しましょう。過剰なテキストを用いた画像は使わず、サービスを利用しているユーザーが自然に目を留める画像を利用しましょう。
既存キャンペーンの成果を活用する>
既存キャンペーンで成果の出ている画像やターゲットを活用することで、効果的な運用ができます。イギリスのファッションブランドの例では、SNS広告のクリエイティブを活用したことで、広告費用対効果が62%向上しています。(*2)
※出典:
*2:Discovery campaign tips – Think with Google
画像を複数パターン用意する
画像を複数パターン用意することで、広告のパフォーマンスを最大限に高めることができます。さまざまなアスペクト比の画像を用意することで、各配信面(YouTube、Discover、Gmail)で最適な画像を配信できます。
機械学習のために十分な予算と学習期間を確保する
機械学習で成果を出すためには、十分なデータ量が必要になります。そのため、1日の予算は、目標コンバージョン単価の10倍以上に設定することが推奨されています。学習期間は、少なくとも50件のコンバージョンが発生する期間を考えておくとよいです。
また、キャンペーンに変更を加える場合は、学習期間が終わってからとし、次の変更を加えるまでは2〜3週間待ちましょう。
Googleファインド広告に関する、よくある質問
最後に、Googleファインド広告について、よくある質問に回答します。
Googleファインド広告の課金形態は?
Googleファインド広告は、クリック課金です。Gmailでは、Webサイトに遷移するまでに2回クリックが必要ですが、最初のクリックに対して課金されます。
Googleファインド広告で利用できる入札戦略は?
Googleファインド広告では、以下の入札戦略を利用できます。
- コンバージョン数の最大化
- 目標コンバージョン単価
- 目標広告費用対効果(2023年7月現在はベータ版のため、利用するにはGoogleの担当者への連絡が必要)
個別単価設定を使った入札戦略は利用できません。
Googleファインド広告の入稿規定は?
Googleファインド広告の入稿規定は、画像が1つのみの広告の場合と、カルーセル広告の場合で、それぞれ以下のとおりです。
画像が1つのみの広告の場合
広告見出し(必須) | 半角40文字以下(全角20文字以下)
3~5つまで設定可能 |
説明文(必須) | 半角90文字以下(全角45文字以下)
3~5つまで設定可能 |
お店やサービスの名前(必須) | 半角25文字以下(全角12文字以下)
1つ設定可能 |
最終ページURL(必須) | 1つ設定可能 |
行動を促すフレーズ(必須) | デフォルトで自動生成またはリストから選択
1つ設定可能 |
横向きの画像(必須)
(アスペクト比 1.91:1) |
推奨サイズ:1200×628ピクセル
最小サイズ: 600×314ピクセル 推奨数:3つ 最大ファイルサイズ:5MB |
縦向きの画像
(アスペクト比 4:5) |
推奨サイズ:960×1200ピクセル
最小サイズ:480×600ピクセル 推奨数:3つ |
スクエア画像(必須)
(アスペクト比 1:1) |
推奨サイズ:1200×1200ピクセル
最小サイズ:300×300ピクセル 推奨数:3つ 最大ファイルサイズ:5MB |
スクエアロゴ(必須)
(アスペクト比 1:1) |
推奨サイズ:1200×1200ピクセル
最小サイズ:128×128ピクセル 推奨数:1つ 最大ファイルサイズ:5MB ※透明な背景を推奨 |
カルーセル広告の場合
広告見出し(必須) | 半角40文字以下(全角20文字以下)
1つ設定可能 |
説明文(必須) | 半角90文字以下(全角45文字以下)
1つ設定可能 |
お店やサービスの名前(必須) | 半角25文字以下(全角12文字以下)
1つ設定可能 |
最終ページURL(必須) | 1つ設定可能 |
行動を促すフレーズ(必須) | デフォルトで自動生成またはリストから選択
1つ設定可能 |
モバイルURL | 任意 |
カード画像(必須)
(アスペクト比 1.91:1または1:1) |
▼アスペクト比 1.91:1
推奨サイズ:1200×628ピクセル 最小サイズ:600×314ピクセル 最大ファイルサイズ:5MB ▼アスペクト比 1:1 推奨サイズ:1200×1200ピクセル 最小サイズ:128×128ピクセル 最大ファイルサイズ:5MB 2〜10枚の範囲で設定可能 ※アスペクト比はカード全体で統一する必要があります |
ロゴ(必須)
(アスペクト比 1:1) |
推奨サイズ:1200×1200ピクセル
最小サイズ:128×128ピクセル 最大ファイルサイズ:5MB ※透明な背景を推奨 |
まとめ
Googleファインド広告は、新しい情報を探しているユーザーに広告を配信し、商品・サービスの認知向上や興味・関心を促すことができる広告です。Googleディスプレイ広告(GDN)との違いがいくつかあるため、その違いを理解した上で活用していきましょう。
アタラでは、専門知識が豊富なスタッフによる広告運用最適化サービスやコンサルティングを提供しています。現状のパフォーマンスにご不満な方や、Googleファインド広告を始めてみたいと思われましたら、ぜひご相談ください。また、Unyoo.jpではGoogle 広告をはじめとしたプラットフォームの最新動向やコラムを日々発信しています。この機会にSNSアカウントのフォローをお願いします。