Netflix 広告つきベーシックプランの内容
Netflixは、2022年10月14日(金)に、広告つきベーシックプランの月額を含む内容および広告に関する情報を発表しました。
※参考リンク:
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発表された内容は以下の通りです:
ユーザー向けの情報
- 料金および開始日:新プラン「広告つきベーシック」の月額料金は790円(税込)。日本では11月4日(金)午前1時より提供開始。
- 提供地域:オーストラリア、ブラジル、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、韓国、メキシコ、スペイン、英国、米国の12カ国にて順次提供開始。
- ライセンス体系:現在のプランとメンバーに影響はなく、従来の「ベーシック」、「スタンダード」、「プレミアム」の3つの料金プランに加え、新たなプランとして「広告つきベーシック」が加わる。
- 変更点:最大720p HDの画質(今回の発表に伴いベーシックプランも画質が480pから720p HDに変更)、1時間に平均4〜5分の広告を表示、ライセンス上の理由により一部の映画や番組を再生できない場合がある。また作品のダウンロードはできない。
広告に関する情報
- 広告フォーマット:当面は15秒または30秒の広告が作品の再生前と再生中に流れる。
- 広告表示のコントロール:広告が適切なターゲット層に届き、かつ効果的に消費者へ表示できるよう工夫をする。国単位、また作品ジャンル(アクション、ドラマ、ロマンス、SFなど)ごとに出稿を決められるようにするなど幅広いターゲティングが利用できる。また、広告主のブランドに適さない作品(性的描写や過激な暴力表現など)に広告を表示しないようにすることもできる。
- 広告検証ツール:Netflixは、出稿された広告の検証を強化するためDoubleVerifyおよびIntegral Ad Scienceとパートナーシップを締結。2023年第1四半期より、Netflixへ出稿された広告の視認性やトラフィックの検証が可能に。
プレス向けの発表会の様子が動画で公開されています。5:05あたりから、広告がどのように露出されるかのイメージの説明があります。
今回の発表についてのコメント
米国を例にとって話をしますが、旧来のベーシックプラン9.99ドルから3ドル下げた形の広告つきプラン。発表でもありましたが、Netflixとしては売上へのインパクトはニュートラルからポジティブ、つまり、トントンまたはそれよりも少し上とみているようです。
果たして計画通りになりえるのか、を少し考察します。ひとりあたりの平均売上金額を表す指標、つまりARPUで考えます。
- 2022年末までに50万人が広告つきプランへ加入すると見込んでいる
- 既存プランから移行すると考えると150万ドルの減収になるので、ARPUを維持またはそれを上回る広告収入にできるかが焦点
- 65ドルCPMで広告は販売
- ユーザーあたり月に46回露出が必要
- 平均視聴時間が2時間とすると、8分間は広告となる。15秒枠だと32回分露出が可能。30秒枠だと16回分露出が可能。平均視聴回数が2-3回程度であればRevenue positive
あくまでもシミュレーション上の数字であることと、平均視聴回数3回は若干アグレッシブな数字なので、ここは一つのポイントかと思います。15秒、30秒で露出数も変わってきますので、売り方も関わってきます。言うまでもなく魅力的なコンテンツを増やし、視聴回数を増やすことで既存プランから移行してきたユーザーでも売上を増やすことは可能ですが、やはり新規ユーザーをいかに獲得して積み上げ分を作っていくかがキーとなるのではないかと思われます。