MicrosoftGoogle 広告など他のプラットフォーム広告を管理するマルチプラットフォーム機能を発表
Microsoftは、2022年9月8日(木)に同社ブログにおいて、Microsoft広告だけでなく、Google、Facebook、Instagramなど他のプラットフォームへの広告配信を管理するマルチプラットフォーム機能を備えたスマートキャンペーンを米国で利用開始したことを発表しました。
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スマートキャンペーンを強化
マルチプラットフォーム機能はガレージプロジェクトとして技術的には2020年から存在していましたが、人工知能(AI)を改良し、スマートキャンペーンの一部機能として一新され、広告主は、Microsoft広告だけでなく、GoogleやFacebookなどの広告プラットフォームのキャンペーンを管理し、レポーティングを一元化し、リーチを広げたり、パフォーマンスに合わせて予算を最適化することができるようになりました。
また、広告のみならず、Facebook、Instagram、LinkedIn、Twitterでコメントを公開したり、返信したりするなど、ソーシャルページの管理も一部可能です。
マルチプラットフォーム機能でできることは以下の通りです:
- 検索広告の実施: Microsoft広告とGoogle 広告で検索広告キャンペーンを実施
- ソーシャル広告の実施: Facebook広告とInstagram広告でソーシャル広告キャンペーンを実施
- ソーシャルページの管理:Facebook、Instagram、LinkedIn、Twitterで、コンテンツの公開、「いいね!」、コメントへの返信を実施
- レポートの一元化: インプレッション、エンゲージメント、オーディエンスの増加などの主要な指標を一元的に確認
- キャンペーン作成: 広告の目標を設定して、オンライン訪問者、実店舗の訪問者、ビジネスへの問い合わせを増加
- 広告コンテンツの自動作成: いくつかの広告を作成した後、AIがキャンペーンのパフォーマンスを最適化するために追加の広告を作成
- AIでROIを最適化: 予算を各チャネルに自動分配
- AIを活用したキャンペーン管理: 予算、ターゲット、広告の目標を設定し、広告を作成したら、あとはマイクロソフトのAIがキャンペーンを管理
- 広告と関連するキーワードやオンライン検索を結びつける:「キーワードテーマ」を設定することで、検索ユーザーと広告をつなげることが可能。また、「オンライン検索フレーズ」を設定することで、検索ユーザーが広告主を見つけやすくする
- ターゲット層を絞り込む: オーディエンスターゲティングで、年齢、性別、場所など、特定の条件を設定可能
今回の発表についてのコメント
2020年からアイデアは浮上はしていましたが、実際にスマートキャンペーンとして、他社プラットフォームの管理にも乗り出してくるとは驚きましたね。この狙いはいくつか考えられそうです。まずは、元祖ソフトウェア大手企業として、そのAI開発力の高さを見せつけるショーケースとすることが挙げられるかと思います。そしてさらに大きいのは、統合管理機能を無償で提供することで、広告予算のポートフォリオにMicrosoft広告を組み込むことが可能になります。つまり、広告主は、自然と広告予算をMicrosoftに寄せることになるという考え方です。従来はサードパーティのキャンペーン統合管理ツールが得意としていた領域に、プラットフォームが自ら乗り込んできたというのは新しい動きです。他社が追随するかというと、これはわかりません。Microsoftは広告プラットフォームとしては他社を追いかける立場ですので、むしろ販売戦略的な動きとしては考えられますが、GoogleやFacebookなどが自らこのような機能を実装して、みすみす予算を他社に提供するとは考えづらいからです。ただ、ビジネスが大きくないプラットフォーム、これから出現するプラットフォームでは考えられるかもしれません(APIの利用が承認されたのもやや驚く部分はありますが)。
発表されたブログにも、中小企業(SMB)を支援するための機能強化であることを言及しています。他社プラットフォームの管理機能も、すべての機能を網羅しているとは考えづらいので、実際のユーザーは運用リソースの少ない中小企業が中心となることも納得できます。
この機能はまだすべての広告主が利用できるわけではありませんが、こちらからウェイティングリストに登録することができます。ご興味のある方は登録してみてはいかがでしょうか。
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