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Google DV360にコネクテッドテレビ広告の購入オプションなどの新機能を発表
Googleは、2022年8月18日に同社ブログで、ディスプレイ&ビデオ360にコネクテッドテレビ広告の購入オプションなどの新機能の追加を発表しました。
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今回の発表の背景
Googleは、テレビの視聴者が従来のリニアテレビからコネクテッドテレビ(Connected TV – CTV)へと移行し続ける中、広告主企業はストリーミングサービスのユーザーとつながったり、様々なCTVアプリでのキャンペーンの到達度を測定する効果的な方法を求めているとしており、広告主がコネクテッドテレビ広告をより扱いやすくする目的で、今回、ディスプレイ&ビデオ360に新しい機能を追加しました。
ニールセンのデジタル広告視聴率(Digital Ad Ratings – DAR)に基づくオーディエンス保証
プログラマティック保証型取引は、パブリッシャーの広告枠を直接購入できる購買体験とプログラマティックによる自動化およびパーソナライゼーションを組み合わせつつ、コネクテッドテレビ広告のプレースメントにアクセスすることができます。
ニールセンのデジタル広告視聴率(Digital Ad Ratings – DAR)は、コネクテッドテレビや動画広告の広告主企業がコアオーディエンスの中でどれだけのユニークなリーチを獲得しているかを把握し、デジタルメディアプラットフォーム全体におけるキャンペーンのインパクトを証明するために使用されます。今回、ディスプレイ&ビデオ360を使ったプログラマティック保証型取引に、ニールセンDARに基づくオーディエンス保証を追加しました。
保証契約を設定する際に、18歳から49歳の成人のように特定の年齢層や性別層を選択し、ニールセンDARで測定されたターゲット視聴者に到達した広告インプレッションに対してのみ支払うことができるようになりました。この機能は、コネクテッドテレビ広告を含むあらゆるタイプの動画キャンペーンに対応し、広告主には追加費用なしで提供されます。
現時点では、この機能は、Googleアドマネージャーでプログラマティック保証型取引を活用している一部の米国のでパブリッシャーで利用可能です。
早期導入企業の1つであるUberは、すでにこの購入手法を使用して、プログラマティック広告の効率性を享受しながら、視認性の高いイベント周辺でコネクテッドテレビの広告在庫を確保しています。
YouTubeと他のCTVアプリを統合したワークフロー
Googleは、広告主がYouTubeのコネクテッドテレビ機能(YouTube CTV)とその他のコネクテッドテレビアプリの広告在庫を横断してプランニング、フリークエンシーキャップ管理、パフォーマンス測定を行えるよう、統合ワークフローを導入しました。
また、広告主は、YouTube広告をディスプレイ&ビデオ360のコネクテッドテレビ広告専用の広告申込情報(Insertion Order)で購入できるようになりました。YouTubeとコネクテッドテレビの在庫を並べることで、共通の目標に向けた最適化が容易になると、Googleは述べています。
高度なプログラマティック保証型取引機能を他のエクスチェンジへ拡大
プログラマティック保証型取引用のGoogleオーディエンスを、Googleアドマネージャーだけでなく、XandrやMagniteなどさまざまなエクスチェンジで利用できるようにし、今後もさらに追加する予定です。すでにコネクテッドテレビキャンペーンでオープンオークションの在庫に入札する際に、Googleオーディエンスを使ったリーチ機能を拡張しています。また、Googleアフィニティ、インマーケット、デモセグメントを使用して、さまざまな参加パブリッシャーにおいてプログラマティック保証型取引で購入できるようになり、コネクテッドテレビキャンペーンのオーディエンス戦略にさらなる柔軟性がもたらされるとしています。
また、Googleはフリークエンシー・キャッピングにも配慮しており、オープンオークション、プログラマティック保証型取引、またはその2つの組み合わせのいずれであっても、特定のユーザーに対してキャンペーンのフリークエンシー目標に達すると、ディスプレイ&ビデオ360はこれらのユーザーへの広告表示を停止しますが、保証付き案件からのインプレッション数には優先的に対応し、配信を継続します。
今回の発表についてのコメント
今回の機能追加で、リニアテレビに匹敵する方法で、ディスプレイ&ビデオ360でコネクテッドテレビ全体をアップフロントで計画、購入、測定することが容易になります。これは大きいでしょう。ニールセン部分に関しては広告主に追加費用が発生しないということで、ニールセンにとっては大きなディールですが、それだけ広告主の利便性を実現する上で必須の機能とGoogleが判断したためと考えられます。また、YouTube CTVと他のコネクテッドテレビ広告の統合管理ができることも広告主にとってはメリットがあるでしょう。
高度なプログラマティック保証型取引機能を他のエクスチェンジへ拡大した背景にはEUの反トラスト法対策もあったのかと思われますが、今後の機能をどの程度他のプラットフォームに開放していくのかも注目に値します。