講談社がOTAKADをリニューアルを発表
講談社メディアのデータを活用した広告配信プラットフォーム「OTAKAD(オタカド)」が提供サービスや機能の拡充を2022年2月28日(月)に発表しました。
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OTAKADの特徴
2019年に本プラットフォームは発表され、サービスを開始しています。OTAKADのサービス開始当初からの特徴はいくつかあります。
- 1つ目はAIの活用。講談社の各ウェブメディア読者の記事閲覧データを基に、独自に開発したAIによって閲覧記事の傾向から趣味趣向を指数化し、読者の「オタク」度合いを解析した上でオタク性を持ったペルソナを作成。そのペルソナを使ってリアルタイムで読者属性に合致した広告配信をするというものです。
- 2つ目は専門性の高いメディアと読者データ。講談社はNET ViVi、FORZA Styleなど11のウェブメディアを持っているので、媒体は専門性の高い記事を提供しているため、読者が強い興味を持つトピックをより詳細に計測することができ、興味の度合いや行動変容を把握することが可能としています。で、講談社では消費行動を起こしやすいであろう「オタク」基本セグメントを20種類ほど用意し、ニーズに沿った広告配信が可能としています。セグメント例としては、「コスメニスト」「婚活ファイターズ」「意識高い系ヤング」「財テクマスター」などが挙げられます。
- 3つ目は興味関心の期間設定の設定ができる点。季節やライフステージの変化により、人の興味関心が1日単位で変わることに注目し、最短1日前のアクセス履歴を基にユーザーセグメントを作ることが可能なのでユーザーの「現在」の興味関心を捉え続けて配信することができます。
今回のOTAKADのリニューアルのポイント
当時は広告プラットフォームという形でのサービス提供だったのですが、デジタルマーケティングサービスに拡張させたとしています。その根拠となる変更ポイントは4つあります。
- 1つ目は広告配信先の拡張。Google Partner Inventoryおよび各社SSPのディスプレイ・ネイティブ広告枠・アウトストリーム広告枠、YouTube上のインストリーム広告、インフィード動画広告、バンパー広告、スキップ不可の広告など、講談社メディアが保有するメディアサイト以外にも広告配信が可能になった点。講談社メディアのみの配信も引き続き可能です。
- 2つ目はGoogleの広告配信技術の採用によるターゲティングのアップデート。
・デモグラフィックやユーザー環境のターゲティングはGoogleの技術を採用
・講談社メディアまたは広告主様のGoogle アナリティクス 360のユーザーリストの講談社保有のディスプレイ&ビデオ360アカウントの連携
・ドメイン・アプリ指定配信・アドベリフィケーション広告配信
・YouTubeチャンネル指定配信
・コンテンツカテゴリ・キーワード指定
- 3つ目はタイアップ広告・広告主サイトの分析サービスの提供。タイアップ広告ページや広告主サイトに訪問したユーザーの傾向をOTAKADのターゲティング技術で利用しているデモグラフィック情報、コンテンツ興味関心情報を基に講談社サイトの全体の傾向とそれぞれのユーザーを比較することで傾向を把握し、顧客像を浮き彫りにするというもの。
- 4つ目はマーケティング目的に即したクリエイティブ制作サービスの提供。キャンペーンの狙いに合わせた広告クリエイティブを提案するというもの。ウェブページでの全画面をジャックする訴求力の強いクリエイティブを始め、バナーの中でユーザーが操作することができるインタラクティブなリッチフォーマット、マンガを使ったランディングページ・バナー制作、そして講談社メディアとタイアップで作るYouTube動画など、目的に合わせたクリエイティブを制作するサービスを提供する。
ということで、メディア拡張、ターゲティング改良、分析サービス、クリエイティブサービスと、とてもトータル感の強いアップデートという印象です。日本でもまだ少ないパブリッシャー発のデータ活用型広告プラットフォームソリューションですし、今後もどのように配信先が拡張され、デジタルマーケティングサービスとしても進化していくのか楽しみです。