DisneyとHorizon Mediaとのパートナーシップ
Disneyがデータクリーンルームの機能拡張に投資を2022年3月3日(木)に発表しました。
※参考リンク:
今回の内容は3月3日(木)に開催される第2回Disney Platform Tech Showcaseでの発表に基づくものです。広くメディアでも取り上げられていますが、かなりインパクトのある内容です。
- Disneyは彼らのデータクリーンルームの測定機能を拡張するため、Horizon Mediaを採用することを発表し、クロスチャネル測定を可能にする予定とのこと。
- Disney Selectという彼らのデータクリーンルームプラットフォームは、昨年10月に発表され、これは、世帯の属性、ビヘイビア(行動)、サイコグラフィックス(心理状態)に基づいて、マーケターがリーチしたい視聴者グループに到達できるように設計された、同社の1,000以上のファーストパーティデータセグメントです。
- Disneyのデータクリーンルームのユーザーは、広告効果を評価し、出稿戦略やメディアバイイングの最適化に役立つ新しい測定機能を得ることができる。今後もHorizon Mediaと協力し、さまざまな新しい測定機能を展開する予定です。
- これを活用し、Hulu, ESPN+, FX and National Geographicなどを含むDisneyのプロパティに含まれるTVネットワーク、ウェブサイトやコネクテッドTVやOTTアプリ、で横断的に使うことができる構想とのこと。
- これはDisneyのデータクリーンルームがOmnicom Groupや中古車販売店のDriveTimeなど初期ユーザーから好評だったものの、クロスチャネル測定機能の要望が高かったためとしています。
今回のポイント
当時は広告プラットフォームという形でのサービス提供だったのですが、デジタルマーケティングサービスに拡張させたとしています。その根拠となる変更ポイントは2つあります。
- 同社幹部は以前から、今後集中的に取り組むべき「3つの柱」を、インサイト(商品購買の動機付け)/アクティベーション(機能化)/メジャメント(測定化)と発表していました。クリーンルームがインサイト、今回の取り組みがメジャメントと思われます。多くのケースでインサイトはどうしても後回しになることが多いのですが、かなり力を入れたデータクリーンルームソリューションとして提供をしている点は特筆すべき点でありますし、急速に迫り来るファーストパーティデータの活用ニーズに対して、迅速にソリューションを準備しているところはさすがDisneyという感じです。次に取り組むのがアクティベーションとのことでThe Trade Deskとの協議に入っていることも表明しているので注目したいと思います。
- 同日の発表で、SMB企業(中小企業)向けのセルフサービスプラットフォームについても機能拡充するとのことでした。Huluは2020年にすでにセルフサービスプラットフォームをリリースしていますが、Disney+も現在の月額サブスク型から広告挿入型のプランを追加すると発表していたので、今後も同様の取り組みはDisneyのプロパティ内でも増えるでしょう。月額サブスク型も乱立し、加入者数の課題はどこもあるでしょうから、今後広告挿入型でのコンテンツ提供は増えていくことが予想されます。
さて、この流れに日本のメディア業界はどう反応するのか、興味深いところです。