au Payマーケットと米NordstromがCriteoリテールメディアを導入
au PayマーケットがCriteoリテールメディアを導入したと2022年2月28日(月)に発表しました。
※参考リンク:
- au PayマーケットとNordstromがCriteoリテールメディアを導入しました。auは2022年2月28日、Nordstromは2022年3月1日ということでほぼ同時に発表がありました。au Payマーケットは日本で初の導入とのことです。NordstromはNordstrom Media Networkという名前で広告事業に参入すると表明しています。
- 米eMarketerによると、今年2022年に米国のリテールメディアは前年比の31.4%増の成長率を記録し、2023年には、米国における全てのデジタル広告費用の約20%をリテールメディアが占めると予測されています。こうした需要をうけ、Criteoのリテールメディア事業も100社以上のグローバルな小売業者、120社以上の代理店パートナー、1,000以上のブランドへとリーチを拡大していると説明しています。
- Criteoリテールメディアは、サードパーティ・クッキーに頼ることなくオーディエンスを特定し、Criteoの機械学習テクノロジーとAI機能を使ってユーザーのコンテキストに即した関連性の高い広告を配信するとしています。
- CriteoのAPAC地区のリテールメディア担当マネージングディレクターである藤中太郎氏のコメントを抜粋すると。「クッキーに頼らないアドレサビリティが重要になってくるこれからの時代に向けて、小売業者およびブランドのマネタイゼーションをより一層支援するリテールメディアは、今後ますます重要な役割を担います。Criteoは10年以上にわたるリテールメディア事業の経験を有し、400人以上のリテールメディアプラットフォーム専門チームおよび110人以上のエンジニアを抱え、グローバルでは既に20か国以上で『Criteoリテールメディア』が導入されています。今回の『au PAY マーケット』への導入は、その豊富な経験値と実績を裏付けるものであると大変光栄に思っています。」としています。
今回の発表のポイント
今回の発表のポイントは4つあります。
- リテールメディアプラットフォームの構築には内製開発とパートナーソリューションを活用するという感じで大きく2つの選択肢がありますが、Criteoはまさに後者のソリューションを提供しています。
- 藤中さんの話にもありましたが、Criteoは10年以上にわたるリテールメディア事業の経験を有し、としています。リテールメディアは最近のトレンドだったのではと思われる方もいるかもしれません。Criteoはリターゲティング広告のユーザーを拡大していく中で、並行して現在のリテールメディアソリューションの原型となるCriteo Commerce Marketing Ecosystemというものを何年も前にリリースしています。Unyoo.jpの対談記事のURLもチャプターメニューにつけていますが、2017年でした。5年前ですね。つまり、クッキーベースのリタゲではなく、このソリューションを導入する企業が保有する顧客メールアドレスを活用します。というのもCriteoは行動履歴データはたくさんあるのですが、IDが紐づかないと、なかなか良いマーケティングはできません。でもCriteoはユーザーを特定するIDを持っていないことが課題だったので、その解決策としてCriteo Shopper GraphというCriteoオリジナルのユーザーデータベースを作ろうとしていました。
※参考リンク:
- まだリテーゲティング広告が全盛の頃で、顧客企業もCRMにあるようなファーストパーティデータをCriteoのような外部のパートナーに出すことに抵抗があったので、このソリューションは当時はさほど受け入れられなかったのですが、あれから急速にポストクッキー問題に移行していって、Criteoはクライアントのビジネスに深く入り込む形にシフト。少し前にCriteoの幹部もCriteoの売上の3割ほどをリテールメディアで作っていくと表明していました。
- 機械学習テクノロジーとAI機能を駆使してとありますが、これまでもいくつか主要な企業買収の中で得てきたものが、現在のリテールメディアソリューションを支えているという印象です。
ということで、リテーゲティング広告の先駆者であるCriteoがリテールメディアにおいてもかなり注力してます。リターゲティングの次のソリューションとしてリテールメディアビジネスを捉えているのか、全体のビジネスの中でどこまで拡大させていくのか、注目しています。