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Yahoo!広告におけるコンテンツキーワードターゲティングの機能を提供開始
2021年7月6日、ヤフー株式会社はYahoo!広告 ディスプレイ広告(運用型)においてコンテンツキーワードターゲティングの提供を開始すると発表しました。機能の提供は2021年7月29日から行われるとのことです。本記事では、Yahoo!広告におけるコンテンツキーワードターゲティングの機能、Google 広告のキーワードによるコンテンツ ターゲットとの違い、設定の際の注意点について説明します。
※参考リンク:
ディスプレイ広告のターゲティングは人をターゲティングするするものと、配信面をターゲティングするものとの2つに大きく分けられます。コンテンツキーワードターゲティングは、指定したキーワードと関連性の高い配信面にターゲティングできるもので配信面をコントロールできるターゲティングの1つと言えます。
これまでGoogle 広告では配信面を指定するキーワードによるコンテンツ ターゲットの機能がありましたが、Yahoo!広告ではキーワードによるコンテンツ ターゲットに相当するものはなく、サイトカテゴリのように広く配信面をターゲティングするか、プレイスメントを指定して絞り込むかで配信面を指定していました。
今回のアップデートによって、Yahoo!広告においても広告と配信面をキーワードを用いてマッチさせることが可能になります。
配信と除外の設定が可能
コンテンツキーワードターゲティングでは、配信または除外の設定が可能です。広告主のブランドに適したコンテンツに広告を配信したり、ペルソナが興味を持ちそうなコンテンツに広告を配信したりすることもできます。また、ブランド毀損につながりそうなコンテンツへの配信を防ぐことも可能です。
ターゲティング設定のためには「コンテンツキーワードリスト」でリストを作成する必要があり、除外専用のリストは1件のみ作成可能ですが、除外登録できるのが1件なのではなく、標準リストで作成したリストを除外にも配信にも設定することができます。設定は広告グループごとに行えます。
除外専用のリストはアカウント全体で除外しておきたいキーワードを登録したり、標準リストでは当該広告グループでは除外しておきたいキーワードを登録したりするといった使い分けが行えそうです。
対象の配信面と対象外の配信面
配信先についてはYahoo! JAPANの一部のサービスが対象だと媒体資料に記載されています。
コンテンツキーワードターゲティングの対象掲載面は、Yahoo! JAPANの一部サービスです。コンテンツキーワードリストを配信対象として設定すると、コンテンツキーワードターゲティングが可能な掲載面かつ、コンテンツの解析が可能な掲載面のうち、キーワードとマッチした場合にのみ配信されます。
Yahoo! JAPANの一部のサービスに配信面が限定されているため、キーワードの登録数が少なかったり、配信対象を絞り込みすぎたりすると、広告の表示回数が低下や、そもそもほとんど配信されないといった状況を招く可能性があります。
コンテンツに含まれるキーワードが、 該当コンテンツの主題ではないとシステムが判定した場合ターゲティング可能なキーワードとして抽出されない場合もあるため、配信初期は配信ボリュームをチェックし、そもそも絞りすぎないように設定すべきでしょう。
Yahoo!ニュースのコンテンツ面であっても、記事コンテンツ下部のタイムラインに表示される広告は除外ターゲティングも含めて配信や設定の対象外です。
Google 広告のキーワードによるコンテンツ ターゲットとの違い
Google 広告の場合はディスプレイネットワーク上に配信されますが、Yahoo!広告のコンテンツキーワードターゲティングではYahoo! JAPANのコンテンツ面にのみ配信されるため、Google 広告と比較すると配信ボリュームには大きな違いがあるでしょう。
また、コンテンツキーワードリストを除外で設定すると、除外対象コンテンツ以外にはすべて配信されるようです。
注意点1
コンテンツキーワードターゲティングを用いて広告を配信する際にはYahoo! JAPANのコンテンツ面に限定されるものの、除外でコンテンツキーワードを設定した場合、本来掲載対象ではないパートナーサイトなどの面にも広告が表示され、かつ除外キーワードに関連したコンテンツに広告が掲載される可能性もあるとのことです。
除外対象コンテンツ以外にはすべて配信されます。パートナーサイトやタイムライン等コンテンツターゲティング対象外の面においては、除外キーワードに関連したコンテンツに広告が掲載される可能性もございます。コンテンツターゲティング対象の面にのみ配信をご希望の場合は、プレイスメントターゲティングも組み合わせて設定してください。
コンテンツキーワードターゲティングを除外で設定する際、完全に配信先をコントロールしたい場合はプレイスメントターゲティングでYahoo! JAPANの配信面のリスト作成し、広告グループに設定する必要があるでしょう。
注意点2
Google 広告のキーワードによるコンテンツ ターゲットでは運用者が自由にキーワードを登録することができますが、Yahoo!広告のコンテンツキーワードターゲティングではリスト作成時にキーワードを入力し、そのキーワードを基にシステムが候補に出したものを選択します。これはサーチキーワードターゲティングと設定方法が似通った部分です。
コンテンツキーワードターゲティングを利用するには、まずコンテンツキーワードリストを作成します。リストはシステムが提示するキーワードを選択して作成します。
※参考リンク:
サーチキーワードリストは、広告管理ツールで作成します。サーチキーワードリストを作成する際は、任意のキーワードまたはURLを入力して「サーチキーワード候補」を検索し、表示されたサーチキーワード候補の中から、サーチキーワードとして設定するものを1つ以上選択します。
※参考リンク:
システムから提案されたキーワードを登録すれば、システム側でゆらぎを考慮してくれるので、運用者側がゆらぎを考慮してキーワードを登録する必要はないとのことです。
これまでGoogle 広告のキーワードによるコンテンツ ターゲットに相当するものがYahoo!広告にはなく、サーチキーワードターゲティングなど人へのターゲティングが充実していました。しかしユーザーを識別し、情報を記録・保持することができるCookieに依存した技術は日に日に利用が制限されています。そうしたクッキーレス時代の到来に対応するべく、Yahoo!広告は配信面や文脈(コンテキスト)に照準を合わせた広告メニューをリリースしたのだと思います。
今後対象の配信先が増えていったり、配信面へのターゲティングが増えたりしていく可能性がありますが、配信先の特性やコンテンツの文脈にあわせたコミュニケーションを取れるように配信先やパートナーサイトの特徴を改めて整理したいところです。
Google 広告とほとんど同じ配信手法でも、配信先がYahoo! JAPANコンテンツが対象であることから、ターゲティングが同じだとしてもクリエイティブやコミュニケーションはYahoo! JAPANコンテンツのユーザーに合わせたものを考えていきたいですね。