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GoogleはYouTube広告 TrueView アクション キャンペーンを動画アクション キャンペーンに自動的に移行
2021年6月11日、GoogleはYouTube広告 TrueView アクション キャンペーン(以下TrueView アクション)を動画アクション キャンペーン(以下VAC)に自動的に移行させると発表しました。2022年初頭より、TrueView アクション キャンペーンは、自動的にVACにアップグレードされるとのことです。本記事では、この変更の内容と変更が行われることによる影響について説明します。
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アップデートの背景
TrueView アクションはブランドが動画視聴を通して見込み客に行動を促すことができる、従来のTrueView広告よりもコンバージョンに繋がりやすいソリューションとして提供されていました。
近年カスタマージャーニーがより複雑になり、顧客が探索や評価をする瞬間にリーチすることが重要になっています。その状況をうけ、顧客の探索や評価の瞬間を逃さないために、ホームフィードなどYouTubeで動画を見ていない時やYouTube内外のより多くの場所に広告配信を行える、TrueView アクションを進化させたVACが登場しました。
2020年10月6日には、今後1年の間にテレビ画面などの新しい配信面でのVACのテストを強化していくと発表されていました。今回のアップデートの記事内で、テストの結果VACはTrueView アクションと比較して1ドルあたりのコンバージョン数が20%多いと公表されています。
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TrueView アクションではYouTube ホームフィードに配信できませんでしたが、VACではTrueView ディスカバリー広告(以下ディスカバリー広告)のようにYouTube ホームフィードにも配信されるところが大きな違いです。アップグレードされた際は、まずリーチ数やインプレッション数に変化が見られるでしょう。
アップデート内容
今回のアップデートは、2022年初頭にTrueView アクションが廃止され、既存のTrueView アクションを自動的にVACに移行させるものです。レスポンシブの形式であるためインストリーム広告の形式以外としても配信されるようになります。ディスカバリー広告を獲得寄りの施策としても扱えるようになるため、新たにディスカバリー広告を入稿したり管理したりする工数が削減できるようになるでしょう。
また、Googleが今後 広告フォーマットを増やしたとしても、作業を行うことなく配信先を増やせることも、TrueView アクションとVACとの大きな違いです。
TrueView アクションの作成を継続したい場合は、2021年9月30日まで作成することができ、既存のTrueView アクションは2022年初頭までは利用できます。
コンバージョンが計測できることが前提のTrueView アクションがVACに移行されるというアップデートであるため、コンバージョントラッキングについては大きく触れませんが、もし初めてYouTubeに配信する広告としてVACを配信する場合はコンバージョントラッキングの設定が前提として必要です。
自動アップデート前のVAC作成手順
前述の通り、2022年初頭より既存のTrueView アクションは自動的にVACに移行されますが、既にVACは利用可能であるため移行前でもキャンペーンを開始できます。
TrueView アクションと比較して、VACは1ドルあたりのコンバージョン数が20%多いとGoogleは公表しています。その情報を受け、今すぐVACを開始したい場合は、広告グループ設定時に広告グループの種類をレスポンシブにすることで作成可能です。
入札戦略やキャンペーンの目標に変更がない場合、既存のTrueView アクションのキャンペーン配下で作成すれば、キャンペーンの設定は改めて行う必要がないため、よりスムーズに作成できます。
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上記の手順よりも更にプロセスを簡単にするために、Googleは今後数週間のうちにGoogle 広告に既存のTrueView アクションをコピーしてVACとして貼り付けることができるコピー&ペースト機能を導入するとのことです。最も少ない労力でVACを作成したい場合は、このアップデートを待つこともできます。
VACの広告作成に関しては、新規作成したとしてもコピー&ペーストで作成したとしても、レスポンシブとして機能させるために「長い見出し」と「説明文」の設定が追加で必要です。
機械学習とスマート自動入札が重要なキャンペーンであるため、広告は5種類以上設定し、キャンペーンを開始させた場合はスマート自動入札が安定する7~14日間は変更を加えないようにしましょう。日予算も想定されるCPAの15倍を目安に設定することが推奨されています。
また、ターゲットとするユーザー属性とオーディエンスのタイプを選択する際、ユーザー属性のグループは、できるだけ多くターゲットに含めることが重要です。ユーザー属性を絞りすぎてしまうと、広告の掲載対象が狭い範囲に限定されることで機械学習が阻害される恐れがあるため、VACの強みである配信面が増えることによる機械学習の最適化を阻害しないように、できるだけ多くのターゲットが含まれるようにしましょう。
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コロナ禍以降、人々は以前よりも多くの時間をYouTubeを視聴することに充てており、テレビ画面での視聴も含め、より多くの方法でYouTubeを視聴している傾向にあります。Googleは今後も時勢に合わせて広告フォーマットを増やす可能性は大いにあるので、作業を行うことなく配信を増やせるVACは広告主にとってリソースの観点でもコストパフォーマンスの観点でも見逃せない広告フォーマットです。
特に変化の激しいYouTubeにこそレスポンシブのフォーマットが適しているとし、Googleが完全移行に踏み切ったのではないかと推察しています。作業や管理の工数が削減できた分、広告のアセットにこだわってパフォーマンスを上げていきたいですね。