2021年4月29日、Amazonはスポンサーディスプレイ広告のオーディエンスターゲティング機能をリニューアルし、新たに「閲覧リマーケティング」が利用可能になりました。
新規向けオーディエンスでは「ライフスタイル」や「ライフイベント」といった新しいセグメントも追加されています。
リマーケティングと新規向けオーディエンスを提供
スポンサーディスプレイ広告で利用できるターゲティングは、元々「オーディエンス」と「商品ターゲティング」の2つがありました。
今までの「オーディエンス」では「興味・関心」を選択でき、「商品ターゲティング」ではさらに「商品」か「カテゴリー」を選択後、特定の商品やカテゴリーの中の掲載枠を指定する形でした。「オーディエンス」では「人」を指定し、「商品ターゲティング」では「枠」を指定すると理解いただけると分かりやすいと思います。
今回のアップデートでは、「オーディエンス」「商品ターゲティング」の枠組みはそのままに、配下で設定できるセグメントが一新されました。
新しい「オーディエンス」配下には「閲覧リマーケティング」と「Amazonオーディエンス」が追加されました。
新「オーディエンス」:
「閲覧リマーケティング」内ではさらに「カテゴリー」タブと「商品」タブがあり、それぞれ以下のようにターゲティングが可能です。
・「カテゴリー」タブ…過去30日間にAmazon内で特定のカテゴリーまたはブラウズノードの商品を閲覧した買い物客
・「商品」タブ
└「広告商品」…過去30日間にAmazon内で広告対象商品を閲覧した買い物客
└「広告商品の類似」…過去30日間にAmazon内で広告対象商品の類似商品を閲覧した買い物客
「カテゴリー」や「広告商品の類似」を選択すれば、実質的に自社リマーケティングではない、他社商品の閲覧を対象としたターゲティングが可能です。
閲覧リマーケティング:
「Amazonオーディエンス」では、閲覧者のリマーケティングではなく新規見込み客向けに以下のセグメントを指定することが可能です。
これらは「ファーストパーティのショッピングおよびストリーミングに関するさまざまなシグナル情報をもとに構成」されているとのことです。
- ライフスタイル…ショッピング行動やストリーミング行動が特定のライフスタイルの好みや親近感を示唆しているオーディエンス
- 興味…ショッピング活動が特定のカテゴリーへの継続的な関心を示唆しているオーディエンス
- ライフイベント…引っ越しや結婚など、人生の重要な節目に関わる活動を最近行っているオーディエンス
- インマーケット…最近の活動が特定のカテゴリーで商品を購入する可能性が高いことを示唆しているオーディエンス
Amazonオーディエンス:
「商品ターゲティング」は画面こそ少し変わりましたが、機能は今まで通り、「どの掲載枠に広告を表示するか」を指定する形です。掲載枠はAmazon内に限ります。
「商品ターゲティング」:
Amazon外への配信はまだできない
スポンサーディスプレイ広告は、米国では2019年9月にベータ版を提供開始、日本では2019年10月から提供開始しました。
米国では提供開始時点から「Views」ターゲティングが存在し、これを利用することでAmazonの外、サードパーティのWebサイトやアプリにもディスプレイ広告を表示できることが大きな話題を呼びました。しかし日本では提供開始時点で「Views」ターゲティングが実装されていませんでした。
また、2020年11月からは米国で「スポンサーディスプレイ広告オーディエンス」を提供開始、新しい「閲覧者のリマーケティング」機能が登場しました。今までの「Views」ターゲティングとの違いは「自社のページだけでなく、(他社を含め)Amazonの詳細ページを閲覧したことのあるオーディエンスをターゲティングできる」という点にあり、「閲覧者のリマーケティング」は「Views」ターゲティングの機能強化版と言えます。
ただし、日本では引き続き掲載枠がAmazon内のみに限られ、「閲覧者のリマーケティング」を使用してもAmazon外への配信はまだできません。(日本語の管理画面やヘルプページに「Amazon内外」と記載がありますが、これは誤りで修正中だそうです)
日本でもAmazon外配信が解禁されることを楽しみに待ちたいと思います。
※参考リンク: