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Looker Studioの4つのアップデートが発表される
Googleは2021年3月11日(木)、Looker Studio(旧Google データポータル)に関するアップデートを発表しました。
※参考リンク:
Looker StudioでのIF関数の追加
Looker StudioでのIF関数の構文は以下です。
IF(condition, true_result, else_result)
[condition] がtrueであれば [true_result] を返します。それ以外の場合は[else_result] を返します。[condition] はブール値フィールドまたは式を入れます。[true_result] と [else_result] は項目か式を入れます。
例えば検索語句レポートにおいて、コンバージョンの獲得状況に合わせて検索語句を分類する場合などにIF関数は利用できます。以下はコンバージョン数が1件以上なら[CVクエリ]、0件なら[未CVクエリ]として分類するIF関数の例です。
IF(コンバージョン > 0, "CVクエリ","未CVクエリ")
IF関数の中に、パラメータやIF関数やREGEXP_MATCH関数なども含められるため、さらに複合的な条件を設定することもできます。
CASE関数の条件式内で数式の利用が可能に
Looker StudioでのCASE関数の条件式内で数式の利用が可能になりました。今回追加されたIF関数内でも数式の利用ができます。
例えばGoogle 広告とYahoo!広告はコンバージョン数をそのまま表示させつつも、Facebook広告は資料請求CVと入会CVを合算した数値を表示させる場合は、以下のようなCASE関数を設定できます。
CASE
WHEN メディア = "Google 広告" THEN コンバージョン
WHEN メディア = "Yahoo!広告" THEN コンバージョン
WHEN メディア = "Facebook広告" THEN 資料請求CV + 入会CV
END
今まではCASE関数の条件式に数式が利用できなかったため、上記式内の[資料請求CV+入会CV]の箇所は、あらかじめ[資料請求CV+入会CV]を計算する項目を別途作成した上で、CASE関数を組む必要がありました。今後はそのような手間が省けるため、設定がしやすくなります。
生文字列リテラルで特殊文字のエスケープが容易に
「.」(ドット)など正規表現で使用される文字は、他の状況では異なる意味を持つものがあります。
例えば、正規表現では「1.」は次と一致します。※正規表現における「.」は任意の一文字に一致することを指します。
- 11
- 1A
「.」を正規表現の特殊文字ではなく文字通り解釈するためには、バックスラッシュ(または¥)を使用してエスケープする必要がありました。以下はエスケープ例です。
- \[(ブラケットをエスケープ)
- \{(中括弧をエスケープ)
- \.(ドットをエスケープ)
今回のアップデートでRを用いる [生文字列リテラル] が利用できるようになりました。
生文字列リテラルを用いない場合、以下のような記述になっていたところを、
REGEXP_REPLACE(String, "(\\[.*\\])\\+(\\[.*\\])","\\2 \\1")
生文字列リテラルを用いることで以下のような記述になり、記述内容が読み取りやすくなります。
REGEXP_REPLACE(String, R"(\[.*\])\+(\[.*\])",R"\2 \1")
YouTube アナリティクス コネクタの指標 [watch time] の提供終了
YouTube アナリティクス コネクタに存在していた[watch time]は以前から非推奨の項目として扱われており、以前から提供終了するという発表がされていました。
今回、[watch time] の提供が終了したため、今後は[Average Watch Time]または[Total Watch Time]を利用することになります。
以前からYouTube アナリティクス コネクタを利用して、データソースに[watch time] が存在している場合、データソースの再接続をしてデータソースのフィールドを更新することを推奨します。再接続方法は以下をご参照ください。
IF関数は、Excelでも使える関数のため使い慣れている方も多いと思います。また、CASE関数内で計算式が利用できることで、今までひと手間加えていた作業を簡略化することができます。他の人とも共同編集することも考えて、できるだけ読み解きやすく、編集しやすい計算式を使っていきたいですね。