”新しい”Googleアナリティクスを導入
2020年10月14日(米国時間)、Googleは、Google Marketing Platform公式ブログにて、「App+Web プロパティ(App + Web property)」を拡張して「Google Analytics 4 property」に名称変更したことを発表しました。App+Web プロパティは2019年7月にリリースされましたが、「Google Analytics 4 property」はすべてのアカウントで利用でき、新しいプロパティを作成するときのデフォルトとなるようです。
公式ブログのタイトルにも「Introducing the new Google Analytics」とありますが、「Google Analytics 4 property」は次世代のGoogleアナリティクス(the next generation of Analytics)として紹介されています。
機械学習からインサイトの提供
「Google Analytics 4 property」には、新たにインサイトの予測、Google 広告とのより高度な統合、クロスデバイス測定、詳細なデータ制御などが含まれます。
例えば機械学習を適用して、商品の需要が高まっている傾向を自動的に通知します。予測機能を用いてサービスの解約確率を計算することで、マーケティング予算が逼迫している際でも、顧客を維持するためにどこに投資するのかを明確化して、効率的に投資先を選定できます。予測機能については、2020年7月にもアップデートがありました。
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下記図では、チャネルごとの解約確率(Churn probability:Average)とユーザー数(Total users)、LTV(LTV:Total)が表示されています。「Google Analytics 4 property」とGoogle 広告をリンクすることで、データによって得られた洞察から、ユーザーに対して最適なアクションを取ることができるようになるでしょう。
また、アプリおよびウェブ上で発生するYouTube動画ビューからのコンバージョンをレポートに含めるようになるようです。YouTube動画ビューからのコンバージョンと、検索・ソーシャル・メールなど各チャネルからのコンバージョンを確認し、マーケティング活動への影響を理解することに役立ちます。
ユーザーを中心とした測定とデータ制御
「Google Analytics 4 property」は企業が提供するユーザーIDやGoogleシグナルを利用し、クロスデバイス・クロスプラットフォームにてユーザー中心の測定を提供します。下記画像では、「LIFE CYCLE」の「Acuisition」レポートでどのチャネルが顧客の獲得に繋がり、「Engagement」「Retention」レポートでその後の行動やリテンションを確認することができます。
その他にも、データの収集、保持、使用について適切に管理できます。Google Marketing Platformが2020年7月に公開したブログには、Googleアナリティクスでのデータ管理方法について詳細に記載されているため、一度目を通すことをお勧めします。
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そして、今後はCookieや識別子に頼らない、機械学習を利用して不完全なデータのギャップを埋める機能を搭載していく予定とのことです。Think with Googleでも、Cookieのない世界でモデリングが重要になる理由について説明しています。
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次世代のGoogleアナリティクス
本記事では、簡単にではありますが、「Google Analytics 4 property」について紹介しました。「App+Web プロパティ」の発表から1年がすでに経過し、Googleアナリティクスはデータの自由な取得と機械学習への活用を確実に進めてきました。
また、GoogleアナリティクスのYouTube公式チャンネルでは、KS DigitalのKrista Seiden氏が動画にて「Google Analytics 4 property」の新しいインタフェースやGoogle タグ マネージャーの設定方法などを紹介しています。こちらもぜひ確認してみてください。
Googleアナリティクスヘルプにも記載されている通り、「Google Analytics 4 property」はApp+Web プロパティを基盤とした「次世代のGoogleアナリティクス(the next generation of Google Analytics)」です。Googleは今回の発表を通して、改めて、新しいGoogleアナリティクスが機械学習に適合する全く新しいプラットフォームであることを表明しました。
App+Web プロパティでは、アップデートも多く完成形ではなかったため試験的に導入される方が多かったと思います。「Google Analytics 4 property」も今後は様々なアップデートが想定されますが、新しいプロパティでどのようなことができるのか、今のうちに確認しておくことをお勧めします。