Googleは2020年10月12日、アトリビューションレポートのアップデートを発表しました。今回は3つの重要なアップデートがありました。1つ目はより多くの広告主が活用できるように、データドリブンアトリビューションの利用要件が引き下げられたこと。2つ目はアトリビューションレポートがYouTube広告まで拡大されたこと。3つ目はコンバージョンリフトの測定が利用可能となったことです。
本記事では、今回のアトリビューションレポートに関連するアップデートについて紹介します。
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データドリブンアトリビューション
データドリブンアトリビューション(以下DDA)はアトリビューションモデルの一種で、Googleの機械学習が、カスタマージャーニーに沿って各広告にどのくらいの貢献度を割り当てるべきかを決定するものです。
DDAは、常に機械学習を更新させていて、消費者行動の最新の変化を考慮しているため、特に変化の激しい状況下でのアトリビューションモデルとしては最適であると言えます。
これまでDDAは、30日間で検索のクリックが15,000 回以上、各コンバージョンアクションで600回以上のコンバージョンを必要としていました。30日間の検索広告のクリック10,000回、コンバージョン400回が閾値で、これを下回る場合はDDAを利用できませんでしたが、今回のアップデートにより、対象となるデータの要件が下げられています。今回のアップデートより、30日以内に3,000回以上の広告インタラクションと300回以上のコンバージョンがあったGoogle 広告アカウント内の各コンバージョンアクションがDDAの対象となりました。これにより、より多くの広告主がDDAを利用できるようになります。
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クロスネットワークアトリビューション(β版)
2020年6月18日、Google 広告のアトリビューションレポートにYouTubeを追加したクロスネットワークアトリビューションのβ版プログラムが公開されました。
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クロスネットワークアトリビューションは現在もβ版ですが、利用要件を満たしたアカウントは、アトリビューションのセクション内でオプトインすることで、コンバージョン経路、アシストコンバージョン、経路の指標レポートに検索広告やショッピング広告だけでなく、YouTube広告も表示させられることができるようになります。また、より全体的なコンバージョンに至るまでの経路が見られるように、今後数ヶ月のうちにアトリビューションレポートにディスプレイ広告を追加する予定とのことです。
コンバージョンリフト測定をβ版として提供
これまでマーケティング担当者は、ブランドリフトとサーチリフトを使用して、YouTube広告がブランド認知や購買意向、オーガニック検索ボリュームのリフトに与える影響を測定してきました。今回のアップデートによりコンバージョンリフトがβ版として利用可能になったことで、ユーザーによるウェブサイトの訪問や購入などの具体的なアクションに対して、YouTube広告がどれほど影響を与えたのかを可視化できるようになりました。
ブランドリフト同様に、サーチリフトとコンバージョンリフトにおいても、データが利用可能になり次第すぐにレポートで確認できるようになります。また、ブランドリフト、サーチリフト、コンバージョンリフトの測定を同じキャンペーンで実行できるようになります。これにより、例えばあるキャンペーンがブランドリフトに貢献しているのか、コンバージョンリフトに貢献しているのかが可視化されます。
Googleは、将来的により多くのチャネルとフォーマットをアトリビューションとリフト測定に導入し、より良いインサイトを得られるようにすることで、すべてのマーケティング費用の効果を計算できるよう取り組んでいるとのことです。
変化の激しい時代でも成果を出すためのインサイトが得られるアトリビューションレポートが利用できるのは、Googleだからこそ成し得るのでしょう。今回のアップデートでは、今後はディスプレイ広告もアトリビューションレポートに含まれるとも言及されていました。早くも次のアップデートが待ち遠しいですね。