Google 広告のスマートショッピングキャンペーンで新規顧客の獲得目標を設定可能に
2020年7月15日、Google 広告のスマートショッピングキャンペーンで新規顧客の獲得目標を設定可能になりました。
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今までのスマートショッピングキャンペーンでは新規顧客、既存顧客といった区別はなく、両顧客まとめてコンバージョン値が最大になるように最適化されていました。しかし、今回のアップデートにより新規顧客1人あたりの価値を設定することで、より多くの新規顧客を獲得できるようになります。
どういうことかというと、以下の画像では新規顧客1人あたりの価値は$38と設定されています。そして新規顧客が$100分購入したとすると、新規顧客の合計コンバージョン値は$38(新規顧客の価値)+$100(購入金額)=$138となります。一方、既存顧客は新規顧客ではないため価値が$0となるので、既存顧客が$100分購入しても合計コンバージョン値は$100になります。スマートショッピングキャンペーンではコンバージョン値を最大化する入札が適用されるため、合計コンバージョン値が$38高い新規顧客に対しての購入促進に効果的な入札が期待できます。
ユーザー区分 | 新規顧客の価値 | 購入金額 | 合計コンバージョン値 |
---|---|---|---|
新規顧客 | $38 | $100 | $138 |
既存顧客 | $0 | $100 | $100 |
Googleの発表によると、本機能のベータ版プログラミングに参加した小売業者で新規顧客からの収益が188%増加した例もあります。
化粧品やスキンケア商品のブランドである IT Cosmetics では、主力商品を購入した新規顧客が再購入する割合が向上していることが判明しました。このブランドは Add3 との協力の下、新規顧客の売り上げの拡大に取り組み、スマートショッピングキャンペーンで新規顧客の獲得目標を追加したところ、新規顧客からの収益が 188% 増加しました。
新規顧客と既存顧客を区別する方法は「Googleによる検出」と「タグを利用した新規顧客コンバージョントラッキング」の2つがあります。「Googleによる検出」では、過去540日間のキャンペーンアクティビティとトラッキングされた購入履歴をもとに、オーディエンスリストが自動作成されることで、新規・既存顧客を区別することが可能になります。「タグを利用した新規顧客コンバージョントラッキング」とは、ご自身でタグをカスタマイズして区別する方法です。「Googleによる検出」ではCookieで判別されるため、より正確に測定したい場合はタグを利用したほうが良いでしょう。
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スマートショッピングキャンペーンで無料・即日配送のアノテーションの表示が可能に
加えて、2020年7月時点では米国のみで利用可能な機能になりますが、スマートショッピングキャンペーンで無料・即日配送のアノテーションの表示が可能になりました(画像左側)。Googleによると、このアノテーションを利用した小売業者のコンバージョン率は平均で9%上昇したようです。利用できるアノテーションの種類は今後増える予定です。
また、Googleは2020年後半から新しいビジュアルフォーマットをスマートショッピングキャンペーンで表示すると発表しました。例えば、検索語句に対して関連性の高い商品のカルーセルを使用した新しいショッピング体験に加えて(画像中央)、スマートショッピングキャンペーンに含まれる動画のディスプレイ広告を利用することで適切な商品をその場でユーザーにアピールすることができます(画像右側)。
スマートショッピングキャンペーンでは、指定された予算の範囲内でコンバージョン値が最大化される広告のプレースメントと入札単価が自動的に設定されます。ターゲットとするオーディエンスの設定や入札の強弱は手動でコントロールできないため、これまでは任意で新規顧客からの収益を増加させることはできませんでした。しかし、今回のアップデートで新規顧客に対してコンバージョン目標を設定できるようになったため、今後は新規顧客からの収益をより多く獲得できるようになりそうです。ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。