2020年4月21日、GoogleはGoogle検索のショッピングタブに無料で商品を掲載できるようになると発表しました。2020年4月末までにはアメリカで利用可能となり、年末までに世界中に拡大していくとのことです。
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何百万人ものユーザーに対して無料で商品掲載が可能なGoogleのショッピングタブ
Google検索のショッピングタブに商品を掲載する場合、本アップデート以前は、ショッピング広告を出稿する必要がありましたが、今回の発表により小売業者は無料でショッピングタブに商品を掲載できるようになります。つまり、ショッピングのために毎日Googleを利用する何百万人ものユーザーに対して、無料で接触することが可能になるということです。
昨今、新型コロナウィルス感染症の影響により多くの小売業者は実店舗での販売が難しい状況に追い込まれています。加えてユーザー側もオンラインショッピングの機会が増えているため、企業にとってオンライン販売は今まで以上に不可欠な販売チャネルとなっています。GoogleのBill Ready氏は、「この影響がプロジェクトを前進させた」と同記事で述べています。
商品検索のシェア低下を阻止
Search Engine LandのGinny Marvin氏は、今回のアップデートは商品検索と広告におけるシェアを争うAmazonと戦う上で重要な施策になると述べていました。
Limiting the universe of products available in Google Shopping results to those retailers who are willing to pay has put Google’s search power at a disadvantage.
Opening up to all merchants will enhance Google’s offering and its appeal to both sellers and consumers. And as on Amazon, merchants that want to ensure prominent visibility in the search results, now more competitive with more products eligible to show, will continue to pay for ads. For e-commerce marketers and SEOs, the move adds a new layer to organic product search optimization efforts.
Googleショッピングの検索結果で利用できる商品の範囲を、広告を出稿している小売業者に限定するとGoogleの検索機能が不利になります。
すべての小売業者が利用可能になることで、小売業者と消費者に対してGoogleの魅力がより強化されるでしょう。そして、Amazon同様、検索結果でより目立つ形で商品を掲載したい場合は引き続き広告料金を支払い続けることになるでしょう。また、eコマースのマーケティング担当者とSEOにとって、この動きはオーガニック製品検索の最適化という新しい仕事を生むことになります。
またeMarketerによると、今後、Googleの検索広告シェアの低下、およびAmazonのシェア拡大が見込まれるそうです。Googleのシェア低下要因の一つとして、ユーザーが商品を検索する際に、GoogleではなくAmazonを利用していることが挙げられます。商品検索のシェア低下防止はGoogleにとって重要な今後の戦略の一つとなります。
本アップデートにより、ユーザーはGoogle検索のショッピングタブ上でより多くの小売業者からより多くの商品を発見できるようになります。その結果ユーザーにとってGoogleがより魅力的なプラットフォームとなれば、Googleは商品検索のシェア低下を食い止められるかもしれません。
Google検索のショッピングタブは主に無料掲載の商品で構成
Google検索のショッピングタブの構成は主に無料掲載の商品になります。下記のイメージを確認する限り一番上の枠は広告、そこから下は無料掲載枠になっているのではないかと思います。
これまで、上位での掲載を目指す場合は入札調整である程度はコントロールが可能でした。しかし今後は入札調整のみでのコントロールが難しくなるため、データフィードの最適化が不可欠になると筆者は考えます。
必須項目以外も正確に設定し、タイトルやイメージ画像のクリエイティブ改善を行うことで、ユーザーの検索語句と商品の関連性が増し、クリック率が向上して結果的に上位での掲載につながると思います。
また、構造化データを正確に設定することもデータフィードの最適化には欠かせない要素の一つです。Ginny Marvin氏が同記事中で言及している通り、eコマースのマーケティング担当者とSEOにとっては、オーガニック製品検索の最適化という新しい仕事が発生することになるのだろうと思います。
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PayPalとのパートナーシップを発表
また今回の発表に伴い、GoogleはPayPalとのパートナーシップ開始を発表しました。PayPalを利用している小売業者はPayPalアカウントとGoogle Merchant Centerをリンクできるようになり、Googleは信頼できる販売者をすばやく確認できるようになります。また、Shopify、WooCommerce、BigCommerceなどのeコマースプラットフォームとも提携しており、小売業者は在庫や商品を簡単に管理できるようになります。
日本ではまだ利用できない機能ですが、利用する際にはGoogle Merchant Centerへの商品フィードの登録が必須になるため、注意しておきたいところです。
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