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広告運用者として知っておくと便利なIPアドレスの知識を解説
広告運用者であればGoogle 広告やGoogle アナリティクスでIPアドレスの除外設定を行ったことがある人もいると思いますが、IPアドレスを正しく理解していないと間違ったIPアドレスを除外設定をしてしまうケースもあります。そのため本コラムではIPアドレスの基礎知識について、広告運用者にもわかりやすいようにポイントを絞って解説していきたいと思います。
IPアドレスとは
IPアドレスとは簡単に言うとインターネット上の住所のようなものです。インターネットに接続されたすべての機器は「IPアドレス」という数値によって管理され、識別されています。現在普及しているIPv4というバージョンでは以下のような形式です。
104.197.193.137
※Unyoo.jpのIPアドレス
すべてのユーザーはUnyoo.jpやその他ホームページに訪問する際、それらのデータが格納されているWEBサーバーのIPアドレスを取得してアクセスしています。つまり、ユーザーがUnyoo.jpを見たい場合はUnyoo.jpのIPアドレス「104.197.193.137」を取得して訪問しているのです。
しかし、Unyoo.jpを訪問したユーザーの中でUnyoo.jpのIPアドレスを知っている方はほとんどいないと思います。では、そのIPアドレスをどのように取得しているかというとDomain Name System(以下、DNS)という仕組みを利用してFully Qualified Domain Name(以下、FQDN)からIPアドレスを取得しています。
FQDNとは、ホスト名とドメイン名を組み合わせたものになっています。例えば、アタラ合同会社のFQDNは以下のようになっています。
このようにドメイン名の前にある「www」のような文字列がホスト名で、ホスト名に続く「atara.co.jp」がドメイン名となり、FQDNは「www.atara.co.jp」となります。Unyoo.jpの場合はホスト名がないのでFQDNはドメイン名である「unyoo.jp」になります。
IPアドレスとFQDNはどちらもコンピュータ(サーバーなど)の住所を指しています。しかし、コンピュータは数字の羅列であるIPアドレスを認識することはできるのですが、FQDNは認識できません。つまり、IPアドレスはコンピュータが認識できる住所、FQDNは数字の羅列であるIPアドレスをユーザーが認識しやすいように変換したものとなります。このIPアドレスとFQDNの紐づけをしているのがDNSと呼ばれるシステムになります。
DNSはFQDNとIPアドレスを紐付けて、ユーザーに対象FQDNのIPアドレスを教えてくれるシステムです。こうしたシステムがあるおかげでわざわざ数字の羅列であるIPアドレスを覚える必要がなく、より覚えやすいFQDN(例えばunyoo.jpなど)を覚えていればサイトに訪問することができます。インターネットではIPアドレスで通信が行われていますが、人はよりわかりやすいFQDNを覚えていれば必要な通信が行えます。
簡単にまとめるとユーザーがWEBサイトに訪問する際は以下のようにしてIPアドレスを取得して利用しています。
- ユーザーがブラウザから[https://www.atara.co.jp/unyoojp]を入力
- DNSに[unyoo.jp]のIPアドレスを問い合わせる
- DNSが[unyoo.jp]のIPアドレスを教える
- DNSから取得したIPアドレスをもとにWEBサーバーへ問い合わせる
- ブラウザにWEBページを返す
- Unyoo.jpを表示
本当はもう少し複雑なのですが、わかりやすく簡単にまとめると上記のような流れになります。
IPアドレスの種類とそれぞれの役割
IPアドレスには「グローバルIPアドレス」と「プライベートIPアドレス」の2種類があり、それぞれの役割は以下になります。
- グローバルIPアドレス:インターネットの世界で住所に相当し、インターネットに接続されているコンピュータや通信機器を個々に特定する重複しないアドレスです。
- プライベートIPアドレス:家庭内や組織内のプライベートなネットワークでのみ使用できるIPアドレスであり、インターネットに直接接続できません。ネットワークが異なれば同一のプライベートIPアドレスが存在しても問題ありません。
さらに、グローバルIPアドレスは「静的(固定)IPアドレス」と「動的IPアドレス」の2種類に分けることできます。
静的(固定)IPアドレスは事前にプロバイダーからIPアドレスが付与されており、動的に変更されないグローバルIPアドレスのことを言います。例えば、WEBサーバーなどは「静的(固定)IPアドレス」です。理由として、IPアドレスが頻繁に変化するとWEBサイトの住所がわからなくなり、アクセスできなくなるからです。また、会社によっては社内からインターネットにアクセスする際も「静的(固定)IPアドレス」を使用しているケースがあります。
動的IPアドレスとはグローバルIPアドレスが動的に変化するIPアドレスです。インターネットに接続するたびにプロバイダーがIPアドレスを決めます。例えば、一般家庭でインターネットに接続するケースがあげられます。
これまでの説明をまとめると、Unyoo.jpにアクセスする際は以下のような流れになります。
IPアドレスを除外するときは「グローバルIPアドレスの静的(固定)IPアドレス」を設定
上述の通り、IPアドレスといっても色々な種類があります。それを踏まえた上で、広告運用者が実際にGoogle 広告やGoogle アナリティクスでIPアドレスの除外設定をする際は「グローバルIPアドレスの静的(固定)IPアドレス」を設定するのがベストでしょう。
プライベートIPアドレスはそもそも社内や家庭内ネットワークで使用されるIPアドレスなので、設定したとしても意味はありません。また、動的IPアドレスの場合は上述の通りIPアドレスが変化するため、Google 広告、Google アナリティクスで設定したとしてもIPアドレスが変化した場合、その都度設定したIPアドレスを更新する必要が出てくるため運用が大変です。
静的(固定)IPアドレスがない場合、Google アナリティクスでは以下のプラグインを使用して内部トラフィックを除外できます。
※参照:
このプラグインはPCのブラウザにのみ対応しているため、スマートフォンやタブレットからのアクセスを除外することができません。また、プラグインを導入しているブラウザ以外からのアクセスは除外できないという制約があります。
使用しているIPアドレスを調べて設定してみよう
下記のページを訪問すると、現在どのグローバルIPアドレスを使用しているかが表示されるので、確認してみてください。静的(固定)IPアドレスかどうかは社内のネットワーク管理者にお尋ねください。
※参照:
プライベートIPアドレスの調べ方について簡単に説明すると、Windowsの場合はコマンドプロンプトから「ipconfig/all」というコマンドを入力すればPCに割り当てられているプライベートIPアドレスを確認することができます。詳細については以下の記事にまとめられているのでご確認ください。
※参照:
Google 広告でIPアドレス除外を設定すると、設定したIPアドレスに対して広告を表示しないようにすることが可能です。以下に設定方法が記載されています。
※参照:
Google アナリティクスでIPアドレス除外を設定すると、設定したIPアドレスからのトラフィックを除外することできます。設定方法については、以下の記事を参照にしてみてください。
※参照: