2020年2月3日(米国時間)、Googleの親会社であるAlphabetが2019年第4四半期と2019年通年の決算情報を発表しました。
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YouTube広告の2019年の売上が151億4900万ドル(約1兆6500億円)
今回の決算発表で、アルファベットは初めてYouTube広告とクラウド事業の売上を開示しました。YouTube広告の売上は2019年通年で151億ドル、2019年Q4は47億ドル、クラウド事業では2019年通年で89億ドル、2019年Q4は26億ドルと発表されました。
YouTube広告は他の広告と比較して高い成長率を記録しています。2017年の売上は81億ドル、2018年の売上は111億ドル、となっており、2年間で86%成長、前年比で36%の成長を遂げています。
セグメント | 前年同月比 | 前年比 | 前々年比 |
---|---|---|---|
Google Search & other | +17% | +15% | +41% |
YouTube ads | +31% | +36% | +86% |
Google Network Members’ properties | +8% | +8% | +22% |
また、YouTubeの有料サブスクリプション会員(YouTube PremiumとYouTube Music)が2000万人、YouTube TVは200万人を超えたと発表されました。これらの売上はグーグルのハードウェア製品(PixelやNestデバイスなど)の売上が含まれているセグメント「Google other」に合算されており、Q4終了時点で年間30億ドルペースの売上規模に達しているとCFOのRuth Porat氏が述べていました。
アルファベットの2019年Q4の売上は前年同月比17%成長の460億ドル、純利益は106億ドル。通期の売上は前年比18%成長の1618億ドル、純利益は343億ドルで着地しました。
クラウド事業の成長率は高いがアマゾン、マイクロソフトとは大きな差が
クラウド事業は「G Suite」と「Google Cloud Platform(以下、GCP)」で構成されています。2019年Q4で26億ドル、2019年通年で89億ドルの売上を上げており、前年同月比と1年間でそれぞれ約53%の高い成長を遂げています。
しかし、GCPのライバルであるアマゾンの「Amazon Web Services(以下、AWS)」、マイクロソフトの「Microsoft Azure(以下、Azure)」とは引き続き大きな開きがある模様です。
会社名 | セグメント | 売上 | 前年比 |
---|---|---|---|
アルファベット | Google Cloud | 26億ドル | +53% |
アマゾン | AWS | 99億ドル | +34% |
マイクロソフト | Commercial Cloud | 125億ドル | +39% |
※2019年10月~12月の決算数字
グーグルのGCP、MicrosoftのAzureは単体の売上を発表していないため詳細な比較はできませんが、AWSは3ヶ月間で99億ドルを売り上げており、GCPとは4倍近く差があります。
近年、グーグルはクラウド事業に大規模な投資をしており、2023年までにアマゾンとマイクロソフトの一方、または両方を上回ることを目標にしているともいわれています。現状では厳しいですが、引き続き注視していきたいと思います。
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