ショッピング広告の配信面が拡大
2019年11月5日、Googleはショッピング広告の配信面をYouTubeホーム画面とYouTube検索結果画面へ拡大することを発表しました。
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ショッピングキャンペーンのターゲティング設定で、以下画像の通り対象ネットワークとして「ディスプレイネットワーク上のYouTubeやDiscover」を選択している場合、YouTubeホーム画面とYouTube検索結果画面へもショッピング広告が配信されるようになります。
Googleは本発表の中で、これらの画面へショッピング広告が表示される仕組みを以下のように説明しています。
Now, people coming to YouTube to browse and research products may see visual Shopping ads, based on their interest. This means if a consumer expresses an interest in running, they could see ads from retailers that offer running apparel, like PUMA, highlighting different products and prices.
(YouTube上で商品を見て調べているユーザーは、彼らの興味・関心に基づいたショッピング広告を見ることになるでしょう。これは、例えばランニングに興味を持ったユーザーに、PUMAのようなランニングアパレルを提供する小売業者のショッピング広告が表示されることを意味します)
※()内は筆者意訳
YouTubeホーム画面は、ユーザーの登録チャンネルや再生履歴等に基づいておすすめの動画を表示する機能を持っており、同様の仕組みでユーザーの興味・関心にあったショッピング広告が表示されることが推測できます。同一のGoogleアカウントであれば、Google検索、Chromeでのアクティビティも考慮に入れられるでしょう。
一方で、AdExchangerの報じるところによれば、過去に特定の商品を検索したユーザーにはショッピング広告が表示されるものの、強い購入意向を持っていないユーザーに対してはファインド広告(ベータ版)がYouTubeホーム画面で表示されるとのことですので、あくまでユーザーの購入意向が強いと判断された場合にショッピング広告が表示されるようです。
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いま検索していないYouTubeユーザーへアプローチ
2019年5月に開催されたGoogle Marketing Live 2019では、YouTubeやGmail、DiscoverといったGoogleプロパティを最大限活用することで、ユーザーのあらゆるタッチポイントを捉えようとするGoogleの姿勢が見て取れました。
特に、過去のアクティビティに基づいておすすめコンテンツを表示する機能を持ったYouTubeホーム画面やDiscoverは、ユーザーが検索行動を起こす前に次のアクションを促すことができる場として重要視されており、今回YouTubeホーム画面がショッピング広告の配信面として追加されたことも頷けます。
参考:
また、2019年10月にGoogleの親会社であるアルファベット社は2019年第3四半期決算を発表しましたが、売上高は前年同期比20%増の404億ドルとなり、YouTubeはモバイル検索とならび売上成長の牽引役としてあげられています。いまやGoogleプロパティ内においても非常に重要なプラットフォームであることは明確で、今後もYouTube関連のアップデートは積極的に行われていくでしょう。
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ショッピングキャンペーンの対象ネットワークとして「ディスプレイネットワーク上のYouTubeやDiscover」を選択しているアカウントでは、今回のアップデートによりインプレッション数増加が予測される一方、YouTubeのホーム画面や検索結果画面への配信が全体のパフォーマンスにどのように影響するかも気になるところです。運用者としては、パフォーマンスの変化を注視しながら必要に応じて対象ネットワークの設定をしていきたいですね!