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Google 広告が4つのアップデートを発表
2019年8月、Googleは4つのアップデートを発表しました。本記事では、それぞれのアップデート内容を紹介します。
スマート自動入札のための「季節性の調整」
「季節性の調整」は、予定しているイベント(プロモーションやセールなど)で見込まれる変化に応じて、コンバージョン率の調整幅(引き上げまたは引き下げ)を予約しておける、スマート自動入札の高度な機能です。
特定の期間、キャンペーン、デバイスを指定して、コンバージョン率の調整が可能です。
※検索とディスプレイキャンペーンでは既に利用可能。動画、アプリキャンペーンは適用不可。ショッピングキャンペーンは2019年中に対応予定。
例えば、今週末にセールを計画しているとして、過去同様のセールを実施した際のコンバージョン率が通常よりも30%上昇していたとします。「季節性の調整」を利用すると、事前にセール期間の予測コンバージョン率を調整しておくことができるため、機会損失を抑えることが可能です。
ただし、「季節性の調整」は、1~7日間の短いイベントに適しています。14日を超える場合は思うような成果を得られない場合があるとのことですので、ご注意ください。
参考リンク:
スマート自動入札「コンバージョン値の最大化」の提供範囲拡大
今までスマート自動入札「コンバージョン値の最大化」は、ショッピングキャンペーンでのみ設定可能でした。2019年8月21日(水)より、全ての検索キャンペーンで利用可能になりました。
本機能の事例として、カナダの大手カスタムプリントTシャツ会社のEntripyのケースが発表されています。同社は、元々クリック単価制での個別単価設定を利用していました。コンバージョン値の最大化戦略のテスト中、同社のコンバージョン値は 283% 増加し、広告費用対効果は 286% 向上したとのことです。
以下は、本機能を利用する際の注意点です。
- 注文や購入ごとにコンバージョン値を割り当てるよう事前にコンバージョントラッキングの設定が必要
- 1日の予算を完全に使い切ることを目指すため、現在の費用が1日の予算を大きく下回っている場合、費用が大きく増加する可能性がある
- 目標とするROIやROASなどが決まっている場合は、「目標広告費用対効果」を設定
配信方法「集中化」の一部提供終了
今までの広告の配信方法では、「標準の広告配信」または「広告配信の集中化」のいずれかの選択が可能でした。
9月17日(火)から検索、ショッピングキャンペーン、共通予算では「標準の広告配信」のみ選択でき、「広告配信の集中化」が利用できなくなります。現在「広告配信の集中化」を利用している場合、10月1日(火)までに標準配信に自動的に切り替わります。
「標準の広告配信」では、1日の予算内で掲載結果を最大限に高めるように最適化がされていますが、「広告配信の集中化」では標準配信よりも早く予算を費やそうとします。予算によって配信が制限されているキャンペーンの場合、早い時間帯のオークション率が高くなり、平均クリック単価が高くなる可能性がありました。
今回の適用は、検索、ショッピングキャンペーン、共通予算のみです。ディスプレイ、動画キャンペーンは引き続き利用できるとのことですが、特別な理由がない限りは、「標準の広告配信」を利用するのが良いでしょう。
また、Yahoo!スポンサードサーチにも本機能と同様の機能として「設定なし:できるだけ早い時間帯に広告表示」「設定あり:1日の中で均等に広告表示」の選択が可能でした。2019年9月17~19日にかけて、「設定なし:できるだけ早い時間帯に広告表示」の提供を終了し、「設定あり:1日の中で均等に広告表示」としてのみ広告が配信されるようになります。
平均掲載順位の提供終了が9月30日週に決定
かねてより発表されていた平均掲載順位の提供終了について、いよいよ9月30日の週より終了することが発表されました。
平均掲載順位の提供終了に伴い、平均掲載順位を利用した「ルール」「カスタム列」「フィルタ」「フィルタした保存済みレポート」が無効になります。
また、「保存した表示項目」「平均掲載順位を利用しているが、フィルタされていない保存済みレポート」「ダッシュボードで平均掲載順位を利用したスコアカード」から、平均掲載順位の指標が削除されます。
Google 広告スクリプトで平均掲載順位を利用している場合は、意図したとおりに機能し続けているか確認する必要があります。
平均掲載順位がなくなる背景や、その後の対応についての詳細は以下記事をご参照ください。
参考リンク:
今回、追加された「季節性の調整」「コンバージョン値の最大化」はGoogle Marketing Live 2019で発表された機能であり、実装を心待ちにしていた方も多かったのではないでしょうか。
既に実装されたものが多くなってきましたが、Conversion value rulesなどまだ実装されていない機能もあるため、今後のリリースも楽しみにしたいと思います。