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Alphabetの2019年Q2の売上は389億ドル
2019年7月25日(木)、Googleの親会社であるAlphabet社は2019年第2四半期(4−6月:以下「Q2」)の決算を発表しました。
Alphabet社の2019年Q2の売上高は389億ドルを記録し、昨年比で+19% 増加しました。また当期純利益は、99億ドルでした。売上を特に牽引しているのは引き続きモバイル検索ですが、YouTubeやクラウドの領域でも売上が拡大しています。
営業利益(Operating income)が、昨年対比で61億ドル増加しています。これは2018年7月に欧州連合(EU)の欧州委員会がAlphabet傘下のGoogleに43億4000万ユーロの制裁金を支払うように命じていたことが影響しています。
制裁金を除いた営業利益(Operating income Non-GAAP)は、昨年対比で
10億ドル増加となっており、制裁金の影響が大きかったことがわかります。
モバイル検索が広告売上を牽引、次いでYouTube、デスクトップ検索
2019年Q2におけるGoogleの広告経由売上は、326億ドルで前年同期比22%の増加となりました。
広告経由売上の内訳は以下です。
- Google properties(※1)経由の売上 273億ドル
- Google Network Members’ properties(※2)経由の売上 52億ドル
また広告以外の売上であるGoogle other revenues(※3)は、61億ドルでした。
Alphabet社の CFO の Ruth Porat 氏によれば、広告の成長を主に牽引したのはモバイル検索であり、続いてYouTube、デスクトップ検索が続いていると述べています。一方で広告以外の売上に関しては、Google CloudとGoogle Playが大きく貢献したとのことです。
※1:Google propertiesには、Googleの検索プロパティで発生する広告収入と、Gmail、Googleマップ、Google Play、YouTubeなどGoogleが所有および運営するプロパティが分類されます。
※2:Google Network Members’ propertiesには、AdMob by Google、Google AdSense、Google Ad Managerに参加しているサイトに配信された広告から発生する広告収入が分類されます。
※3:Google other revenuesには、Google Play経由の売上、Google Cloudの売上、Chromecastなどのハードウェアの売上、YouTubeミュージックなどの購読料、Google Expressサービスの加盟店および顧客が支払う料金が分類されます。
昨年対比クリック数は28%増加、平均クリック単価は11%低下
2019年Q2のGoogle Propertiesにおける広告クリック数は、昨対比で28%上昇しています。一方でクリック単価は、11%低下しています。
下図は、Google propertiesにおけるクリック数とクリック単価の昨対比変化率の推移です。
2015年からクリック数は増加、平均クリック単価は低下の一途をたどってはいるものの、過去2四半期においてはクリック数の増加率、平均クリック単価の低下率共に鈍化しています。
Ruth Porat 氏によればクリック単価とクリック数の傾向に影響を与えている最大の要因は、YouTube広告で、総クリック数の大部分を占めているとのことです。YouTubeのクリック数は2019年第1四半期以降も伸び続けていますが、2018年初めに「YouTube パートナープログラム」が変更された関係で、YouTubeのクリック数の伸びが鈍化しました。その影響で、過去2四半期の変化率が鈍化しています。
地域別成長率はAPACがトップ
地域別に見ると、昨対比の売り上げはUS:+20%、EMEA:+15%、APAC:+29%、Other Americas:+15% となり、日本を含むAPACの成長率が最も高い結果となっています。
2019年Q2では、プライバシーの強化にも力をいれており、GoogleマイアクティビティやGoogle 広告設定などのプライバシーツールのアップデートもありました。また、Google I/O、YouTube Brandcast、Google Marketing Liveなどの大規模なイベントが開催され、Google検索へのAR導入やギャラリー広告の登場などの大きな発表がありました。
発表はあったものの、まだリリースに至っていない機能の本格実装を楽しみにしつつ、第3四半期以降の動きにも注目していきたいと思います!