BIツールLookerの可能性:エクスチュア、Lookerに聞く

BIツールLookerの可能性:エクスチュア、Lookerに聞く

アタラ BIツール導入コンサルティングサービス

BI/ダッシュボードツールによるデータの「統合・分析・可視化」

 

複雑化するデジタルマーケティングにおいて、企業が取り扱うデータの種類は日々増加しています。そのなかで、分散されたデータを統合・可視化し、即座に意思決定につなげることを目的として、「BI/ダッシュボードツール」を導入する企業も多くなっています。

 

 

また、Gartner社が2019年2月に公表したMagic Quadrantレポート(Analytics and Business Intelligence Platforms)でも記載の通り、昨今のBIソリューションの世界ではLEADERSからNICHE PLAYERSまで、多くのツールがしのぎを削っていることも事実です。

 

Gartner:Magic Quadrant for Analytics and Business Intelligence Platforms より抜粋
 

今回は世の中に数多くのBI/ダッシュボードツールが存在するなか、米国のスタートアップ企業を中心に導入が進んでいる「Looker」の特徴について、Looker 小澤様・ナロン翔平様と、Lookerのライセンス販売パートナーであるエクスチュア株式会社 原田様・権様にお話を伺いました。

 

話し手:
Looker
ジャパンカントリーマネージャー 小澤正治様
シニアソリューションコンサルタント ナロン翔平様

エクスチュア株式会社
代表取締役CEO 原田憲悟様
取締役副社長CTO 権泳東様

聞き手:
アタラ合同会社 大友直人

 

大友:まずは簡単に自己紹介をお願いいたします。

 

原田:エクスチュアの原田と申します。エクスチュア社は主に3つの事業を行っています。1つめに、Adobe Experience CloudやGoogle Analyticsのようなマーケティングテクノロジーの導入から活用までトータルに支援している事業があります。2つめに、企業が持っているウェブ以外のあらゆるデータを、Google Cloud PlatformやLookerなどを通して1つの場所に統合して分析ができる「統合分析基盤」を作っています。3つめに、まだ日本には上陸していない先端的なツールを導入しています。

 

私自身はトランスコスモスやアイレップでSEM、SEO、データ分析のコンサルティング業務を行っていくうちにウェブ解析の世界にどっぷりとはまるようになっていきました。その後はOmnitureやAdobeなどに所属し、2012年にエクスチュア社を創業しました。

 

小澤:Lookerの小澤と申します。Lookerは2012年に創業した会社で、現在7期目に入っています。日本法人は2018年9月に設立しました。現在従業員は12名程ですが、組織は急速に大きくなっています。

 

 

Embedded Analytics領域での活用

大友:ありがとうございます。早速ですが、Lookerとはどのような製品なのでしょうか。

 

小澤:Lookerという製品は基本的にSaaSで提供しているアプリケーションですが、「BI」のカテゴリーに分類されます。使い方を紐解いていくと、弊社の1,800社程のお客様のうち3割は、必要な時だけ対象のデータを取得して、望む形にビジュアライズする「Embedded Analytics(組み込み型アナリティクス)」領域での活用が増えてきています。

 

 

現在日本では、株式会社メルカリや株式会社プレイドなどを中心に10社強の企業様に導入いただいていますが、いずれのお客様も導入初期の段階からEmbedded Analyticsの話をされるので、需要は非常に大きいと感じています。

 

Lookerの特徴は、まずデータベースを持っていない点にあります。お客様がお持ちのデータをLooker側に取り込むことがないため、Lookerがデータ分析のボトルネックになることはありません。お客様がお持ちのデータベースに直接接続し、自由自在にデータを加工することに特化した製品です。

 

例えば、RedshiftやBigQuery、Snowflakeなどのクラウドベースのデータベースも活用される企業様は、BIツール側にデータを持たせることによって、データ分析業務にボトルネックが生じることを当然嫌がります。そのため、自分たちが持っているデータベースのパフォーマンスを最大限活用する観点で、インデータベース型の弊社の製品を選んでいただくことは多いです。

 

2つめの特徴は、「LookML」という、Lookerが持つ独自の言語を用いる点です。LookMLによって、裏側でSQLのようなものが自動的に生成されてデータを取得・指標の定義を行います。一方で、分析担当者はSQLを意識することはなく、LookMLによって定義をされた指標を使って分析を行うことができます。CVRやCTRなど、LookMLで既に定義された指標を使用するだけなので、誰が分析しても数字や結果は必ず同じであり、データの一貫性が担保されているというのもLookerの大きな特徴です。

 

大友:ダッシュボードを作成する側、つまりエンドユーザーは、基本的にLookMLを使用しないということですね。

 

小澤:はい、そうですね。データを取り扱う側からすると「SQLをきちんと書きましょう」というのは当たり前ですが、SQLなんて書いたことも読んだこともない人からすると、それを見た瞬間にアレルギー反応が起きますよね。そのため、エンドユーザーはLookMLを使用することはありません。実装を行っていただく方には、LookMLを介してデータの定義を行ってもらいます。また、LookMLはGit連携しているので、属人化しないところも喜ばれていますね。

 

「指標」と「分析の品質」の統一

原田:BIツールを使用する際に確実に起きる課題として、高度な分析ができるBIツールを使っていても、触る人によって同じ指標の数字が違ったり、解釈が異なる点があります。データのクロス集計が無制限にできるがゆえに、複数人で同じ分析をしているはずが、全く違うデータ見ているといったことが頻繁に発生して、分析の「品質」が統一されないんです。

 

それを解決できるのが「LookML」であり、Lookerから自社のデータベースに直接接続し、LookMLによって事前に定義をされた指標を使うことで、分析も統一できるといった点がとても気に入っています。分析結果もMAツールや広告などにそのまま活用できますよね。

 

 

小澤:LookMLを使うことでデータの再現性や一貫性が担保される状況を作ることができれば、そこで初めてマーケティングやプロモーションのスナップショット的なデータを見ることができます。この2つがLookerの強みであり、他製品との差別化ポイントになります。

 

大友:ダッシュボードの閲覧状況や利用状況もトラッキングできるのでしょうか。

 

小澤:もちろんできます。例えば、社内で「こういうダッシュボードを作りたい」というリクエストが来て作ったものの、実際は誰にも見られていないようなレポートはよくあります。そういう場合はなぜ使われていないのかを考え、常にデータやダッシュボードの使い方を改善していく面で活用できます。

原田:これはよくあるパターンです。例えばExcelで使っている帳票をBIツールで可視化するプロジェクトがあったとき、プロジェクト後に実際に使用されていないことはよくあると思います。しっかり利用状況をトラッキングできれば、誰の目にも明らかに不要なものは浮き彫りになりますし、求めているものは何かも把握できます。Adobe Analyticsなどでも同じような機能を使うことができますが、やっぱり必要ですよね。

 

 

大友:Lookerは、サポート部門にも特徴があるそうですね。

 

小澤:そうですね。もちろんユーザーコミュニティもありますが、プロダクトサポート、特にテクニカルサポートに関しては、LookerのUIを通じてライブチャットサポートを受けることができます。2019年2月4日から日本語でライブチャットも開始したので、質問に対してUIを通して回答するサポートを提供しています。Lookerのサポート部門は「Department of Customer Love(DCL)」という名称であり、お客様の質問の背景を推し量った回答を常に心がけています。

 

大友:様々なお話をありがとうございます。最後に、今後はLookerをどのように日本で広めていかれるのでしょうか。

 

小澤:いくつか切り口はあると思っています。1つはいわゆる「Internal BI」の領域、企業様のクラウドにある膨大なデータをリアルタイムに分析する点で、Lookerは大いに活用できます。2つめは「Embedded Analytics」領域ですね。セルフサービス型の機能を高度化していくことで、企業価値や競争力もあげることができます。特に海外ではレポーティングの高度化は非常に伸びています。3つめはまだ模索中ですが、SIEM(セキュリティ情報イベント管理)など、セキュリティの面で提供できることは多いと思っています。

 

原田:たぶん皆さんが思っている以上に、データを統合したいといった要望は増えています。全てのデータを1つの場所に纏められることは非常に強いですし、世の中の主流ですね。

 

大友:「BI/ダッシュボードツール」によるデータの統合・分析・可視化が主流となっているなかで、Lookerの今後がますます楽しみです。本日はありがとうございました。

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