2019年3月19日(米国時間)、Instagram の新機能「Checkout」が発表されました。Checkout は、ブランドの投稿から Instagram の中で直接商品を購入できる機能になっており、シームレスな購入体験を提供できます。
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まずは以下のデモビデオをご覧ください。Checkout の実際の挙動が確認できます。
Today, we’re introducing checkout on Instagram. When you find a product you love, you can now buy it without leaving the app. 🛍💕https://t.co/o1L5WsfgVE pic.twitter.com/IlVJxOr10x
— Instagram (@instagram) 2019年3月19日
これまで、Instagram ではショッピング機能を提供してきましたが、購入する場合にはウェブサイトへ移動する必要がありました。
Checkout では、ブランドの投稿をタップすると商品ページに「Checkout on Instagram」というボタンが表示され、商品サイズ、色などのオプションを選択してタップすると、Instagram の中で決済ページが展開されます。
ユーザーが最初にチェックアウトする場合は、名前、メールアドレス、請求先情報、配送先住所の入力が必要ですが、次回以降は入力した情報がセキュアに保存されるため、入力不要でそのまま購入が完了できます。また、配送状況についても Instagram の中で確認が可能です。
米国ではベータテストも開始され、以下の Instagram ビジネスアカウントが対象アカウントとして発表されています。
Adidas @adidaswomen & @adidasoriginals
Anastasia Beverly Hills @anastasiabeverlyhills
Balmain @balmain
Burberry @burberry
ColourPop @colourpopcosmetics
Dior @dior
H&M @hm
Huda Beauty @hudabeautyshop
KKW @kkwbeauty
Kylie Cosmetics @kyliecosmetics
MAC Cosmetics @maccosmetics
Michael Kors @michaelkors
NARS @narsissist
Nike @niketraining & @nikewomen
NYX Cosmetics @nyxcosmetics
Oscar de la Renta @oscardelarenta
Ouai Hair @theouai
Outdoor Voices @outdoorvoices
Prada @prada
Revolve @revolve
Uniqlo @uniqlo
Warby Parker @warbyparker
Zara @zara
ユーザー体験の向上と決済情報の取得が狙いか
Checkout が普及し、多くのアパレルブランドやEC事業者などが導入することになれば、ユーザーとしては Instagram の友人がレビューした製品を最小限の手間で購入することができます。そうなると、Instagramはさらに活発なプラットフォームになることでしょう(それも巨大コマースプラットフォームとして)。
加えて、決済情報がデータベースに保存されることになりますので、Facebook の持つユーザー情報はさらに質を上げ、広告のターゲティングアルゴリズムも精度に磨きがかかることは想像に難くありません。Facebook Marketplace の導入もその辺りが狙いだったことでしょう。
Posted by Facebook Marketplace Community on Thursday, September 29, 2016
日本でもいま決済市場が盛り上がりを見せていますが、Facebook も2016年に電子マネーと決済サービスのライセンスを取得しており、同時期に PayPal の前CEO である David Marcus 氏を Facebook Messenger のトップとして迎えています。
すでに米国とヨーロッパの一部では Facebook Payments で金融機関を介さずユーザー間の送金が可能になっていますし、その他の国でも金融機関を経由して送金できるようにしていますので(日本だと楽天銀行)、より広範囲で決済情報も取得できるようになった Facebook は、強力なエコシステムのもとさらに存在感を増していくことになりそうです。
大きくなればなるほどセキュリティなどの問題もついて回ることになりますが、対策を強化しながら今後どのような発展を遂げていくのか、引き続き注目したいと思います!