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成長する動画市場の中でインリードに特化した広告プラットフォームを提供するTeads
サイバーエージェント オンラインビデオ総研と株式会社デジタルインファクトによる2018年の国内動画広告の市場動向調査によれば、2018年の動画広告市場は昨年比134%の1,843億円と推計され、2020年には2,900億円、2024年には4,957億円に達する見込みとのことです。
参考:
この成長を牽引しているのは主にインストリーム広告とインフィード広告ですが、最近では記事の中段のバナー枠に動画広告を表示するインリード広告も見る機会が増えてきたように感じます。上記調査の広告商品別の推計・予測によれば、インリードが含まれるインバナー広告の市場規模も数十億円単位で年々拡大しており、動画広告の配信先として無視できない存在かと思います。
今日の話し手:Teads Japan株式会社の今村幸彦さん
そこで今回、インリードに特化した広告プラットフォームを提供するTeads Japan株式会社の今村幸彦さんに、動画広告を含めたインリードの魅力と、インリードとクリエイティブの掛け合わせで実現する新しい広告体験についてお聞きしました!
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話し手:
Teads Japan株式会社
Managing Director 今村幸彦様
聞き手:
アタラ合同会社 高瀬優
※このインタビューは2018年12月に実施されました。
高瀬:まずは今村さんの自己紹介をお願いします。
今村:職歴はソニーから始まり、2005年から電通、2010年からKenshoo、2016年から現在のTeads Japanに在籍しています。
ソニーでは、半導体営業を担当していました。3年間はシンガポールに在籍し、その後IPビジネスのライセンシング、ロイヤリティなどのビジネスモデルに進みました。電通では広告ビジネスに触れ、その中で主に新しい事業開発や、新しいビジネスモデルやテクノロジーを持つ海外の企業と日本展開のパートナーシップを作っていました。その中でKenshooやTeadsと関わり、スタートアップが楽しくなってきて現在2社目、という状況です。
弊社はYouTubeやFacebookと同等の配信規模を誇る動画、静止画のメディアプラットフォームを展開している会社です。特にビューアビリティ、ブランドセーフティ、アドフラウド等の品質面、透明性を保証している点に特徴があります。私が入社した当初はブランドセーフティやビューアビリティとは何か、というところから説明する必要がありましたが、昨今は当たり前のものになりつつあるので、ようやくTeadsが進めてきた啓蒙に市場が追いついてきた気がしています。
これまでのメディアプランニングがCPMやCPCありきだったのに対し、我々はビューアブルインプレションやフラウドフリーなクリックといった点を含めて本質的な広告価値を見極めてください、ということを言い続けています。
高瀬:御社に対して、インリード動画かつ、動画DSP・SSPという印象を持たれている方が多いかと思います。
今村:DSPでもSSPでもありますが、配信先としてはインリードです。その中でも、きちんとコンテンツに責任を持って配信されているようなパブリッシャーさんとお付き合いしているのが特徴です。自由に登録すればいつでもタグが貼りつけられるわけではなく、お問い合わせいただいて直接媒体社さんとお会いし、きちんとメディアとしての責任を持っていらっしゃるかどうかという点と、サイトの質、コンテンツの質を見たうえで、我々のタグを直接貼っていただきます。媒体社さんとはあくまで直接契約であり、ネットワーク会社を介して在庫を増やすようなことはしていません。
高瀬:いわゆる御社のアドネットワークというイメージですね。
今村:画角を揃えて配信先として枠を集めるのが「アドネットワーク」だとすると、Teadsがやっているのは、まずはビューアブルインプレッションを保つ、配信した後の動画や静止画の挙動をすべて統一させる、さらにフラウド対策を取る、ブランドセーフ対策をとる、データやAIを通じて配信の最適化、広告効果の最大化を図ることを行なっており「アドネットワーク」ではないと思っています。
Teadsはこれまで「広告を再発明する」という標語を掲げていましたが、2018年10月に「グローバルメディアプラットフォーム」という標語をリローンチしました。グローバルというのは、同じ品質とソリューションを全世界で展開しているという意味です。各地の事業所は28か国に渡りますが、日本の事業として説明していることは他の国で実施していることと同様で、メディアパートナーのリクルーティング部分での考え方も同様です。
プラットフォームというのは単純に在庫の口を開けて待っていますよ、という姿勢ではなく、実際に質を高めるため、あるいは配信におけるクリエイティブの支援も視野に入れて、どういったクリエイティブが必要か、それをどのように配信したらいいか、そのクリエイティブがワークするものか、配信してみる、データを収集する、KPIに応じて買い付けメソッドを変えていく、など、すべてのポイントにおいてきちんと対応するソリューションを持っているという意味です。
高瀬:プラットフォームという観点では、セルフサーブもできますか?
今村:セルフサーブもマネージドもできます。そこは本当に買い付けの手法だけで、Programmatic Direct、DSPを介したRTB買い付けも可能です。
高瀬:接続先のDSPはどのくらいあるのでしょうか。
今村:国内は、Logicad、MarketOne®、ScaleOut、楽天DSPなど主要なところはほぼすべて繋がっています。外資ではディスプレイ&ビデオ 360、The Trade Desk、MediaMath、Videology、Adap.tv、Turn、Amazon DSPがあげられます。
高瀬:プライベートマーケットプレイスも提供されているのでしょうか?
今村:メディアのネットワーク構成の概念でいうと、全部が「プレミアムマーケットプレイス」です。その中で、ビジネス・男性系・女性系・趣味系・ライフスタイル系などのカテゴライズでのバイイングは当然可能ですし、お客様のご要望があれば、ホワイトリスト対応もしています。
高瀬:基本的に、コンテンツ価値の高い掲載面ですべて提供されているということですね。
今村:現在270サイト170社さんと直接契約させていただいて、ネットワークを構築しています。Webオリジナルの会社様もいらっしゃいますが、出版、新聞系も多くあります。
高瀬:ターゲティングという観点では、DMPも提供されているのでしょうか?
今村:DMPは今、1st・2nd・3rd Partyデータの組み合わせで構築しています。Teadsの1st Partyに関しては、これまで関わらせていただいたキャンペーンすべてから蓄積したノルム値を基に、どのサイトで反応し、他にどういった媒体を見ているのかといったことから、ユーザーの閲覧履歴を突いたターゲティングもできるようになっています。つまり、インタレストベースの1st Partyデータがあります。
Teadsから見た2nd Party、例えばお客様の1st Partyデータと繋いだところでいうと、トレジャーデータやLiveRampなどとの繋ぎ込みを今積極的にやらせていただいています。3rd Partyに関しては、オラクルのマーケティングクラウド、インティメート・マージャ―などのデータに基づいて配信することができます。
記憶に残るクリエイティブ制作を支援
高瀬:冒頭、クリエイティブの支援も視野に入れたプラットフォームといったお話があったかと思います。御社が提供するクリエイティブ制作ツール「Teads Studio」とは具体的にどういったものなのでしょうか。
参考:
今村:昨今の状況を考えると、もうエクセル上のメディアプランだけでメディアを選定してはいけない時代だと思っています。インプレッションの定義がそもそも合っているのか、もっと言うとブランドセーフ、ビューアビリティ、アドフラウドと同じく今大事だと言われているのが、「アドエクスペリエンス」。ユーザーが広告をどう受け止めるのかをちゃんと見ていかないといけないということです。
端的に言うと「消せない広告、×ボタンがない広告」などが特徴的な例です。×ボタンを押してみたらランディングページに飛んでしまう広告、無理やり誤タップを誘発するような挙動など。その広告の仕様が自分たちのブランディングメッセージを届けるために適しているものかどうかを見極めるために、エクセルの裏側にある配信手法を見ていかなければいけない、と考えています。
ユーザーに嫌がられない、つまり強制的に視聴させるのではなく興味を持ってもらえる広告を作り、良質な認知と興味をもってもらえるような支援をさせてもらうのが、Teads Studioの役割です。品質の高い配信面で、嫌われずに、記憶に残るようなクリエイティブを作れば、消費者にとって良い広告体験を与えるという方程式でやっています。
具体的には、弊社ではクリエイティブダッシュボードとデザイナーをご用意しています。実際にクリエイティブの物撮りやイメージを取ることはしませんが、すでにあるクリエイティブ素材を使って、どのように見せるかに力点を置いています。例として、表現を加えることで3Dのように見せたり、画面をスクロールすると眼鏡が動き、タップするとARが起動するものなどがあります。配信結果としては、ユーザーの広告の平均接触時間が26秒でした。
高瀬:非常に長いですね。
今村:スマートフォンであればマイク、カメラ、傾き、スクロールの動作などデバイスに合わせた最適化にも対応しています。このようなエンゲージ要素を最大活用し、広告に多くの魅力的な表現を付け加えるのが役割です。素材自体を作るわけではありません。
これまでは、認知だけを獲得するのであればアッパーファネルに対して雨あられのように大量に広告を配信し、ロウワーファネルに対しての最終的な刈り取りはSEMで行うスタイルが多かったかと思います。つまり、メジャーメントとして取れる指標がなかったため、ミッドファネルに対するアプローチが抜けていたのです。これからミッドファネルの指標として今年より注目度が上がっていくのが、平均広告接触時間、あるいは広告接触単価だと思います。
テレビの時代からずっと受け継がれている広告の価値を測るうえで、一人の人に何秒見させたのか、あるいは何回見させたのか、があります。しかし、その広告に接触すればするほど、そこに出てくるメッセージ、商品名、会社名は認知され、良い体験として残れば好意的に結果がついてくると考えています。つまり、接触時間が長ければ長いほどミッドファネルの効果が高まると考えています。
広告接触時間をどう最大限とっていくかが、Teads Studioの目指しているところです。表現として奇抜なものでも、接触時間を延ばすというところにつきます。これからのブランディング広告に必要になっていくのは、これを進めていくことだと思っています。
米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)のマーク・プリチャード氏が、自分たちのキャンペーンをおしなべて、どれだけ広告接触時間があるのか平均で見てみたところ、1.7秒しかなかったそうです。Teadsの場合、我々のスタジオ、それ以外のものも含めた平均広告接触時間は11.6 秒。ここは価値として強くアピールできるところなのではないかと思っています。
高瀬:なるほど。Teads Studioを使って、インタラクティブなクリエイティブを自分たちで作ることも可能でしょうか?
今村:むしろ弊社で作らせていただくことが今のところほとんどですが、例えばクリエイティブエージェンシーがいるのであれば、アカウントを発行して作っていただくことも可能です。特に費用はいただいていません。基本的には弊社メディアに配信していただくことを前提に、Teadsならではの付加価値サービスとして提供させていただいています。
高瀬:Teads Studioを介してクリエイティブ制作の領域にも御社が価値を提供するということですね。
今村:クリエイティブのプランニングをされる段階で、それをどこに配信するのかを念頭において素材を作っていただきたいです。そのステップの中にオンラインがあると思います。バンパー広告が当たり前になってきたので6秒動画の制作は考えていると思いますが、きちんとオンラインの面で出すことを考えたうえでTeadsの場合はこういう表現を念頭において作ろう、と早期の段階から考えていただくことが大事かなと思っています。Teadsスタジオを2017年頭にスタートして以来、2~300本のクリエイティブを作っています。
パブリッシャーのマネタイズにも貢献
高瀬:Teads Studioをハースト婦人画報社(以下ハースト社)へ技術提供されたというリリースを拝見しました。パブリッシャーでのTeads Studio活用という点で意外だったのですが、具体的にどういったかたちでハースト社がTeads Studioを利用されているのでしょうか?
参考:
今村:パブリッシャーがマネタイズのためにインリード広告枠を自社広告商品として販売する場合があります。つまり、ハースト社の営業担当の方が「ハーストのインリード商品」として販売されているイメージです。我々はSSPビジネスも行なっており、その時にTeads Studioを使って自社商品を開発していただくというのが今回の全体図です。
日本での事業内容でいうと、9割は弊社の営業部隊が広告主や広告代理店を回ってTeadsプラットフォームを売っています。残り1割弱について、パブリッシャーが自社の広告商品の商品開発、自社広告商品の拡充のためにインリードを使っていただく、この点がSSPとしての役割になっています。パブリッシャーの武器のひとつとして、純広告にTeads Studioも使ってもらって構いませんし、ハースト社にデザイナーの方を立てていただいて、自社商品を作ることもできます。
高瀬:2018年10月に参加したアメリカのカンファレンス(PROGRAMMATIC I/O)では、パブリッシャー含めセルサイドのプレイヤーたちが、デジタルがメインの世界で生き残りをかけて必死になっている印象を受けたのが記憶に新しいです。こういったかたちで、パブリッシャーが積極的に広告商品やプラットフォームを開発するという動きは今後もあるのかなという感じがします。
参考:
今村:必要ですね。我々も、パブリッシャーとしてプレミアムコンテンツの中に広告を出すことの優位性を明確に示していかないといけない。そこのお手伝いができればいいなと思っています。
高瀬:インリードというフォーマット自体のマネタイズの評判はいかがですか?
今村:好評いただけていると思います。パブリッシャーさんの中では、編集部が絶大なる権限を持っています。編集者が「この広告枠は邪魔だ」と言ったら、いくらそこがマネタイズできるとしても外さざるを得ない。メディアブランドを標榜するような良質な記事を書いていても、その横にふさわしくない・レリバンシーの低いバナー広告があるというのは、矛盾しており、そのメディアの全体像として良くありません。編集者は、本当はそんなもの出したくない、でもマネタイズのためにやらないといけないというせめぎ合いで、ある程度嫌でも受け入れざるを得ないということで、苦渋の選択をこれまでされていたのかなと考えています。
弊社のインリード商品は、きれいに美しく見せられますし、メディアブランドを汚すことのない大手のクライアントさまが多いため、編集部の方々も含めて喜ばれていると聞いています。Teads Studioのような先進的な取り組みになると、サイト自体の先進性に繋がると言っていただいています。
高瀬:そうそうたるブランドがインリード広告を出稿するという点は、パブリッシャーさんとしても安心できると思います。ある程度プレミアムな枠だと、こういったブランドに自然となってくるでしょうし。
今村:専売として、インリードについてはTeadsのデマンドしか受け入れないと言ってくださるパブリッシャーさんが増えてきました。現在10社くらいあります。
高瀬:インリード広告(動画)を初めてユーザーとして見た時に、正直少しうっとうしいなと感じたことがありました。パブリッシャーが導入するにあたって、ユーザービリティの観点から御社に相談されたりすることはありますか?初めて導入する際は、抵抗があったりするのではないでしょうか?
今村:相談と言うよりは、むしろ今は積極的に入れたいと言っていただいていますね。
高瀬:なるほど。確かに最近は見る機会も増えたので、初めて見たときと比較して違和感は覚えなくなっていますね。
今村:消費者に配慮した見せ方次第だと思います。画面をスクロールしても画面上部に広告が掲載され続けるタイプなどは、個人的には煩わしくなるためやるべきではないと考えています。
動画の方向性として3軸あると考えています。一つは、強制的に見せる方向に行く人。もう一つは、短尺系に行く人。そして最後に、見たい人だけ見てくれればいいけど、どうやって引き留めようか?と考える人。我々は最後の思想ですが、動画広告のあるべき姿は、いかに自然に見てもらうかということだと常に考えています。だからこそ、ネイティブ広告やインリード広告が注目されているのではないでしょうか。
新規訪問者のみを課金対象に
高瀬:個人的には、動画よりも御社がご提供している静止画を活用したスクローラーや、シネマグラフがユーザー体験として非常に面白いなと感じました。現在は動画がメインかと思いますが、今後こういったディスプレイタイプのクリエイティブを拡大される予定はありますか?
参考:
今村:むしろディスプレイタイプのクリエイティブを多くのクライアント様にご活用いただいています。
高瀬:そうなんですね。動画はブランディング目的が主となるかと思いますが、ディスプレイタイプであれば獲得目的での配信も考えられると思いました。
今村:実は弊社でも、最近誘導を主軸としたバイイングモデル「Teads True Visit」をリリースしました。
参考:
クリックからランディングページに実際に行った人の割合は、50%くらい落ちると言われています。要は、誤クリック、何らかの理由で広告を押し間違えた人がいて、ランディングページがきちんと表示される前にいなくなることがあるのです。つまり広告主からしてみたら、50%分、余計に払ってしまっているわけです。
Teads True Visitであれば、ランディングページに到達した人のみが課金対象(Cost Per incremental Visit)になります。新規サイトへの誘因を測りたいのであれば、我々のピクセルタグを入れていただくことで過去28日以内の来訪歴がないユーザーにだけ課金することができます。例えばTeadsの広告の前に別の広告ソースにあたってからランディングページに来たユーザーがいるとすると、それは新規とならず、課金対象にはなりません。この買い付け手法はかなり新しいかと思います。
またTeadsはフランスの会社なので、プライバシーの観点でも問題はありません。ピクセルを埋めることによって他の情報も吸い取るといったことは絶対になく、Cookieで以前来訪したか否かを測っているだけです。
高瀬:GDPR本場であるヨーロッパに本社があるというのは信頼性が高いですね。Cost Per incremental Visitが普及すれば、また新しい広告領域が広がりそうですね。
今村:良質な新規の送客のみに課金をするという画期的な買い付けモデルと思っています。
データ活用によるダイナミックなクリエイティブ生成を
高瀬:動画広告という括りで考えた場合、インリードに在庫を限定してしまうとスケールという観点で難しいと思うのですが、今後の展望はありますか?
今村:在庫については、現在Teadsネットワークは270サイト170社で構成しているため、デスクトップ・モバイル両方でYouTubeにひけをとらないリーチを確保しています。
また、動画を視聴しがちな人は活字を読まず、逆に活字が好きな人は動画視聴に時間を割かないため、YouTube、Facebookと重複しないユーザーを持っています。YouTube、Facebookだけではリーチできないユーザーが一定数おり、日本だけでなく世界各地でYouTubeと同等、もしくはそれ以上のリーチを獲得しているというのが現状です。
今後については、セルサイドの観点でお話すると、ブラウザベースだけでなくSDKを経由したアプリ内での配信に対する拡充が2019年の目標です。
高瀬:ニュース系アプリのインリード広告といったイメージでしょうか?
今村:はい。きちんと見ていただく、気になるような表現手法として、記事中は大事だと思います。一方で、データシグナル(デモグラ、位置、コンテキスト、時間等々)に応じてダイナミックにクリエイティブを変える機能を追加するのが、Teads Studioとしての方向性としてあります。ひとつひとつクリエイティブを生成して待っているのではなく、エレメントをデータに合わせ、シナリオを組み上げて、ダイナミックに生成するという方向性です。
それを組んでおくと、CMとして作っていた絵コンテも、冒頭とラスト頭とお尻はそろえても、オーディエンスによって中で見せるもの、遷移するランディングページを変えていくことも可能になります。これによって、それぞれの広告価値の最大化が図れるのではないかと思っています。今はベータ版ですが、今後は当たり前のようにスムーズに作れるようにしていきます。
もう一点、今後はオンラインに適したクリエイティブを効率良く揃えていく必要があると思います。そのため、作ったクリエイティブが、狙ったオーディエンスに対して正しく反応してもらえるのかどうか、事前に知る方法を確立しようと考えています。
Content Pre-Testingと言いますが、キャンペーンが始まる前にサンプルを少量配信し、どういう視聴カーブを描くのかを確認します。これにより、どのポイントでカーブが落ちていくのか、傾向値を業種ごとのベンチマークと比較することができます。
次に、Facial Recognition、つまり、表情分析にかけます。モニターに実際に動画を視聴してもらい、口角や眉の上がり具合を見て、その動画がどういう感情をもたらしているのかを分析します。この2ステップによって、感情の起伏の上がり具合が分かります。例えば動画の最後に笑顔が来るような構成にしていたとしても、最後まで視聴した人が全体の2%しかいなかった場合、もっと短尺化する必要がある、などの改善提案ができるようになります。この機能は、本ローンチしています。
現在、Teadsが標榜しているテーマに、「効果を改善させます。しかも簡単に」という文言があります。「簡単に」というのが肝で、クリエイティブや配信の最適化、運用は年々複雑化しており、広告主、代理店を問わずリソースがますます必要となってきています。我々はクリエイティブのサポートから、ブランドセーフな配信面の提供、正しい対象にデータを配信するところまでをお手伝いできます。広告効果の最大化をより簡単に向上させることができるというのが、最も重要なことです。
高瀬:クリエイティブ含め、ワンストップで高い品質を担保した広告配信を実現できるのは素晴らしいですね。パブリッシャーのマネタイズという観点でも、今後ますますTeadsが活用されることを期待しています。本日はどうもありがとうございました!