CPDからCPMへ
2019年2月4日、GoogleはYouTubeのマストヘッド広告にインプレッション単価制の試験導入(ベータ版)を開始したことを発表しました。
リンク:
マストヘッド広告は、YouTubeのホーム画面最上部に掲載される予約型の動画広告です。これまで、マストヘッド広告は一国につき一社の広告主が、固定の一日の費用(cost-per-day (CPD))でのみ購入することが可能でしたが、今回のベータ版で固定インプレッション単価(CPM)ベースでの購入が可能になります。
リンク:
これに伴って、CPMベースの予約型インストリーム広告同様に広告のターゲット設定が可能となり、広告主はリーチしたいオーディエンスに対してマストヘッド広告を1日から最大7日間表示することができるようになります。また、CPDではなくCPMベースでの購入となるため、一日につき一社という制限も実質なくなるかたちとなります。
広告想起だけでなく購入意向のリフトにも有効
Googleによれば、ユーザーがYouTubeのホーム画面から選択した動画の総視聴時間は、過去3年間で10倍にまで成長したとのことです。CES 2018でも、AIを駆使したレコメンドに誘発された場合の視聴時間が、総視聴時間の7割以上を占めていることを公表しており、これがホーム画面の利用促進に貢献しているところは大きいでしょう。
参考:
ユーザーのホーム画面の利用が定着化することで、リーチを目的としたキャンペーンにおいてマストヘッド広告が有効な手段となることは容易に想像できるかと思いますが、広告想起や購入意向のリフト(引上げ)にも効果的で、広告想起の平均リフトは92%、購入意向のそれは46%とのことです。
スーパーボウルの開催時期に合わせてマストヘッド広告を展開したTurboTaxのマーケティング責任者Cathleen Ryan氏は、以下のように述べています。
The YouTube Masthead is a key lever in our end-to-end Super Bowl strategy this year given the massive scale, timing, and relevance.
マストヘッド広告は、規模の大きさやタイミング、関連性といった観点で、今年の私たちのスーパーボウル戦略全体にとって重要な手段です。
2019年1月に15秒スキップ不可のYouTube動画広告がオークション型で購入可能になったばかりですが、今回のベータ版も然り、広告の購入方法に柔軟性を持たせるアップデートが続いています。リーチ目的のキャンペーンにおいて、YouTubeが広告主から選ばれるプラットフォームであることが改めて重要視されているからこそのアップデートかもしれませんね。
参考: