Facebook広告の「Click-to-WhatsApp」が機能を拡大

Facebook広告の「Click-to-WhatsApp」が機能を拡大

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クリック後 WhatsApp へ遷移する広告フォーマットが機能拡充

Facebook ファミリーの1つであり、単体のサービスとしても約15億人の月間アクティブユーザー数を擁する巨大メッセンジャープラットフォームの WhatsApp ですが、2019年は大きな動きを予感させるアップデートです。

参考:

2018年は1月にビジネス向けのアプリとビジネスプロフィール機能をリリースさせ、8月には広告を導入することを発表し(具体的な時期については公表せず)、マネタイズの予感を感じさせた1年でしたが、今年はついにそのベールを脱ぐようです。

米メディアの Marketing Land が報じた内容によると、これまで Click-to-WhatsApp ads が提供されていたキャンペーンの目的「メッセージ」に加え、「トラフィック」、「コンバージョン」、「投稿のエンゲージメント」の場合でも Click-to-WhatsApp ads がロールアウトされ、レポートの関連指標も追加されました。

下図は一般的な WhatsApp のチャット画面ですが、Click-to-WhatsApp ads で専用のコールトゥアクションボタンを設定すると、広告のクリック後 WhatsApp のアプリが立ち上がってチャットが開始されるような仕様になっており、今回のアップデートで広告がきっかけとなって開始されたチャットの数が指標として加わったようです。

Image: WhatsApp Brand Resources

なお、WhatsApp でのメッセージ送信を促す広告を作成するには、WhatsAppのビジネスアカウントが必要です。Android デバイスに WhatsApp ビジネスアプリをダウンロードすると、ビジネスアカウントを作成できます(iOS や Web には現在対応していません)。

上述した通り2018年8月には WhatsApp 内に広告を配信することを発表していますので、今回はその布石と思っていいのではないでしょうか。

今後の動向が注目される WhatsApp の収益化問題

ちなみに、Facebook が約1兆6000億円という巨額で WhatsApp を買収した2014年から、広告による収益化の動きは予想されていましたが、創業者で CEO を務めたジャン・コウム氏は買収交渉時から固く反対する姿勢をとっていたために、親会社である米 Facebook との衝突がたびたび報じられていました。

と言うのも、買収される以前は WhatsApp に広告収入は無く、2年目以降の利用を有料にするビジネスモデルでサービスを提供していました(2016年からは2年目以降も無料で提供しています)。

また、通信データを外部のサーバーではなくユーザーの端末にのみ保存する仕組みを使い、かつデータに強力な暗号化処理を施すことで、第三者はもちろん WhatsApp ですらデータにアクセスできない環境を構築し、誰にも見られることのないメッセージの交換を実現させていました。

このようなユーザー体験とセキュリティー保護を非常に重要視する姿勢が欧米を中心に爆発的に普及したサービスの躍進を支えたのではないかと思いますが、共同創業者のブライアン・アクトン氏は2017年9月に Facebook を去っており、コウム氏も2018年5月に退職を発表しています。

※下記は共同創業者のアクトン氏が退職から一年後に思いを語った米フォーブスのインタビュー記事ですので、ご興味がある方はぜひ(リンクはフォーブスジャパンによる翻訳記事)。

広告の導入に抵抗し続けてきた2名の WhatsApp 創業者が抜けた今、 Facebook が収益化とユーザー体験の両立にどうやって取り組んでいくのか、今後も目が離せません!

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