2019年1月9日頃より、Amazon Advertising スポンサー広告の管理画面に自動入札機能と広告枠ごとの入札単価調整機能が追加されました。
参考リンク:
Amazon Advertising Blog(英語のみ)
1.キャンペーンの入札戦略
これはスポンサープロダクト広告のみで設定でき、配信中であっても「キャンペーン設定」タブより変更が可能です。
- 「動的な入札 – ダウンのみ」 …売上につながる可能性が低い場合、入札額を引き下げる
- 「動的な入札 – アップとダウン」 …売上につながる可能性が高い場合は入札額を引き上げ、売上につながりにくい場合は入札額を引き下げる
- 「固定額入札」 …自動調整なし
2019年1月より前に作成されたキャンペーンは「動的な入札 – ダウンのみ」が適用されていたとのことで、今後もデフォルトは「動的な入札 – ダウンのみ」となります。
「動的な入札 – アップとダウン」は掲載枠ごとに引き上げ上限が異なり、「検索結果の最初のページの上部にある掲載枠」では最大の引き上げ幅が +100% まで、その他の掲載枠では最大の引き上げ幅が +50% までです。
ヘルプページや解説動画によると、これらはオークションごとに調整が行われ、最大の引き下げ幅は -100% 、つまり0円での入札可能性があります。
参考動画(英語):
※英語が不得手な方は「文字起こし」や「字幕」を表示すると読み取りやすくなりますのでおすすめです!
入札戦略ごとのパフォーマンスを比較したい場合、ヘルプページでは既存の安定したキャンペーンを選択し、1~2週間ずつ戦略を切り替えて様子を見ることで比較してほしいと紹介されています。
入札戦略を変えただけの同一キャンペーンを同時に実施することは以下の理由で推奨されませんので、ご注意ください。
以下の方法でのテストはお勧めしません。
– 動的な入札(アップとダウン)戦略を使用した新しいキャンペーンを作成し、それを既存の動的な入札(ダウンのみ)キャンペーンと比較する。動的な入札で入札額を最適化する Amazon の予測アルゴリズムは、より多くのデータがある場合に効果的で、パフォーマンスデータのほとんどない新しいキャンペーンを既存のキャンペーンと比較することは不公平です。また、新しいキャンペーンが既存のキャンペーンと大きく異なる(異なる ASIN の広告、異なるキーワードなど)場合、パフォーマンスの違いを入札戦略の違いのみに帰することはできません。
– 異なる入札戦略を使用した 2 つの同一のキャンペーンを作成する。これらのキャンペーンは同じオークションでお互いに競合し、この相互作用によってキャンペーンの 1 つが常にもう一方のキャンペーンに勝利してインプレッションを獲得し、結果が不正確になる可能性があります。
– 既存の動的な入札(ダウンのみ)キャンペーンをコピーし、コピーしたキャンペーンの戦略を動的な入札(アップとダウン)に更新し、同時に実行すること。キャンペーンをコピーすると、基本的に新しいキャンペーンが作成されます。これは、以前のパフォーマンス履歴(これは、Amazon のアルゴリズムが動的な入札で最適な入札額を決定するために使用する重要な入力)がないものとして動作します。従って、元のキャンペーンはコピーされたものに対して不公平な利点があることになります。さらに、同時に実行されているこれらのキャンペーンは、同じオークションでお互いに競合し、この相互作用によって結果がさらに不正確になる可能性があります。
2.掲載枠ごとの入札調整
2019年1月現在、スポンサープロダクト広告には大きく3種類の掲載枠(広告の掲載場所)があります。
- 検索結果の最初のページの上部
- 商品ページ(商品詳細ページ、カートページなどを含む)
- 検索結果のその他のページ(最初のページの中央・下部、あるいは2ページ目以降)
これらの枠ごとのパフォーマンスが管理画面上で確認できるようになり、「検索結果の最初のページの上部」「商品ページ(商品詳細ページ、カートページなどを含む)」についてはデフォルトの入札価格に対して +0% ~ +900% の割合で引き上げ率を指定することができるようになりました。
※指定できるのは引き上げ率のみで、引き下げ率は指定できません
前述の「キャンペーンの入札戦略」とは掛け合わせで入札価格が変動します。以下に掛け合わせた場合の具体例を示しますので、イメージを整理しておけると良いでしょう。
ただし、ヘルプページに「純粋に短期的な売上指向の目標の場合、掲載枠による調整を 0% のままにする必要があります。 」「売上が目標の場合、動的な入札(アップとダウン)戦略を使用することを検討してください。この戦略では、すべての掲載枠からのコンバージョンを同様の ACoS で最大化しようとします。」とある通り、「キャンペーンの入札戦略」のみで掲載枠ごとのパフォーマンスも加味されているため、掲載枠ごとに入札を引き上げるのは意図して露出を増やしたい場合に限られます。
掲載枠ごとの入札調整を設定することがかえって効率の悪化を招く可能性もあるため、ご注意ください。
なお、2つのアップデートによる入札設定範囲を統合すると、「検索結果の最初のページの上部」>「商品ページ」>「検索結果のその他のページ」の順に高い入札額を設定することが可能です。
裏を返せば「検索結果の最初のページの上部」「商品ページ」において入札が激化していくだろうことも想像にたやすく、今まで以上にターゲット(キーワード/商品)ごとの広告目的や運用方針をしっかり整理しておく必要があるでしょう。
本アップデートに伴ってスポンサープロダクト広告の「掲載位置」別レポートも取得できるようになっているため、まずはレポートで掲載場所によってどの程度パフォーマンスに違いがあるか確認することをおすすめいたします。
ヘルプページは必読
2019年早速のアップデート、機能の複雑さとインパクトの大きさゆえか今までよりも丁寧なロジック説明や注意書きがヘルプページに追加されています。目を通しておくとより理解を深めることができるでしょう。
最後に、細かい点ですが管理画面右上より言語設定を変更できるようになりました。
日本語表記だとヘルプページとの表記揺れ、不自然な表現などが見られる場合もあるため、英語で不自由しない方は英語表記に変更してみても良いかと思います!