Amazon Marketing Service(Amazon マーケティングサービス、以下AMS)についてご紹介している本連載。前回まではAMSの始め方や具体的な運用ポイントについてお話ししてきました。
今回は「Amazon ストア」というAMS管理画面で作成できるブランド専用のストアページについてお話しします。
※アップデートにより細かい表記や仕様の変更が入る場合もありますが、すべて2018年7月時点での情報です。
1.Amazon ストアとは
2.Amazon ストアの活用・分析
3.Amazon ストアの制作方法
Amazon ストアとは
Amazon ストア(Stores)とは、コーディングなどをせずに Amazon.co.jpドメイン配下に作成できるブランド専用のストアページです。
Amazonに出品している商品をブランドごとにまとめ、並べて表示ができ、かつ独立したURLであるため外部から集客してAmazonでの購入を促進することも可能です。
ストアの例:
特徴まとめ:
・ストアの作成自体は無料
・カテゴリ別、おすすめ商品などを3階層まで(TOP > ブランド別 > 商品一覧など)構成できる
・テンプレートが用意されており、画像や対象商品を指定するだけで簡単に作成・カスタマイズできる
・動画の埋め込みも可能
・独立URLのため外部からも直接アクセスできる
Amazon ストアの活用・分析
Amazon ストアはAMS「ヘッドライン検索広告」のランディングページとして使用するほか、Amazon DSPを始めGDNやFacebook広告などのリンク先として使用したり、メールマガジンなどで紹介し集客・効果計測することも可能です。
ストアの訪問者数、閲覧(PV)数、売上などのデータは「Stores Insights(ストア インサイト)」というダッシュボードで確認することができます。
トラフィックの参照元は「Amazon ヘッドライン検索広告」「Amazon オーガニックトラフィック」の2つはデフォルトで分類されますが、そのほかはカスタムの参照元タグ(パラメータ)を設定することで分類が可能です。
AMS以外の外部広告でリンク先として使用する場合やメールマガジンなどからリンクを貼る場合はカスタム参照元タグ(パラメータ)を発行し、参照元別に分析できるよう準備すると良いでしょう。
ただし、参照元別データは「対象期間内でPVのしきい値を満たしたTOP 30までのデータのみ」が表示されるという条件があるためご注意ください。しきい値を満たさない、あるいはTOP 30以降のデータについてはすべて「その他」としてまとめられてしまいます。
参考:
このようにストアを自社ブランドサイトとして活用できるということは、裏を返せば自社のECサイトが無い・あまり力を入れられないとしても、Amazonのみで売上を上げることが可能という捉え方もできます。(もちろん出品手数料などデメリットもありますが)
また新商品のプロモーション時など認知拡大を図りたい場合、AMSだけでなく他媒体の広告やメールマガジンを使用してユーザーに見つけてもらい、Amazonで簡単に買ってもらう…という流れを組むことも考えられそうです。
今までの広告商品ではどれか1つの商品詳細ページへのランディング、あるいは数点の商品が並んでいるページにのみランディングが可能でしたが、ストアではブランドバナーや動画、複数カテゴリの並列表示ができるため、ブランディングやクロスセルの観点で非常に有効だと考えられます。
実際、AMS ヘッドライン検索広告のリンク先を既存のカスタムランディングページ(任意で選択した商品が一覧で並んでいるページ)からAmazon ストアに変えたところROASが2倍向上したキャンペーンもあります。
まずはヘッドライン検索広告のリンク先として試してみていただけると良いのではないでしょうか。
Amazon ストアの制作方法
1. AMS管理画面 [ストア] > [ストアを作成] をクリック
2. ブランド名の入力、ブランドロゴのアップロード
3. ページの説明を入力、「テンプレート」を以下4種類から選択
・マーキー…ブランド別、カテゴリ別などに使いやすい見出し画像が並ぶデザイン
・ハイライト…主力商品や特定のブランドを強調して表示できるメリハリのあるデザイン
・商品グリッド…商品を一覧で並べられるデザイン
・空白…オリジナルで作り上げる
4. ページの作成・追加、ページ内の要素(画像や商品)の設定
ビルダーに沿って要素を埋めていくことでページが完成していきます。
ページ内の各要素を「タイル」と言い、「ヘッダー」「テキストタイル」「画像タイル」「動画タイル」などがあります。
5. 審査提出
ストア公開前にAmazonによる審査があり、審査承認後に初めて公開となります。
審査には数日かかる場合もあるため、下記ヘルプやAmazon ストア掲載ポリシーをよく読み、誤字脱字がないか、表示はPC/モバイルどちらからも不自然でないか等プレビューを見ながら確認することをおすすめいたします。
参考:
簡単に作れて、AMSだけでなくEC戦略にも影響を与えられるAmazon ストア。ストアを利用するためにAMSへの出稿を開始する例もあるかもしれません。
特にAMSのアカウントを既に持っている方はぜひ制作・活用してみることをおすすめいたします!