LINEとAIXONの連携、人ベースのマーケティングのこれから:AIと運用型広告をAppierと読み解く 第3回

LINEとAIXONの連携、人ベースのマーケティングのこれから:AIと運用型広告をAppierと読み解く 第3回

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人ベースのデータが整備されたその先に

第1回、第2回を通してAppier(エイピア)という会社と、運用型広告の世界に地殻変動を起こしているAIの技術について紹介してきました。

 

 

 

第2回では、モバイルデバイスの多様化によっていよいよ限界をむかえてきたcookieベースのターゲティングを克服するために、「人ベース」「ユニークユーザー」単位でデータを整備していくことの重要性と、それを支えるAIの技術について解説してきました。

 

第3回の今回は、製品マネジメント担当VPのマジック・ツーさんと、製品担当マネージャーのベン・チャンさんのお話を中心に、「AIXON」(アイソン)とLINEの連携について紹介していきます。人ベースのデータが整備されているからこそできた、運用型広告の世界の新しい潮流のひとつとしてご一読いただければ幸いです。

 

 

AppierのAIを活用した製品

第1回の記事でも触れましたが、Appierの製品は大きく分けて広告配信プラットフォームを提供する「マーケティングインテリジェンス」領域と、ユニークユーザー単位のオーディエンス情報をベースに、オーディエンス分析などを行う「AIXON」(アイソン)を中心とした「データインテリジェンス」の2つの領域があります。

 

そのどちらも根底には第2回の記事で紹介したAIの技術を使ってデバイスやcookieを横断してユニークユーザーを特定する「クロススクリーンインテリジェンス」という技術があり、製品マネジメント担当VPのマジック・ツーさんが統括しています。

 

製品マネジメント担当VPのマジック・ツーさん
 

AI搭載のオーディエンス分析・予測ツール「AIXON」(アイソン)

データインテリジェンス領域では、前述のAIで整備したユニークユーザー単位のオーディエンス情報をベースに、オーディエンス分析などを行う「AIXON」(アイソン)を提供しています。

 

広告主の保有するCRMデータを「AIXON」(アイソン)にアップロードすると、Appierの持つユニークユーザーレベルのオーディエンスデータと照合します。

 

 

広告主が保有するデータは自社のウェブサイトに訪問した時のcookieのデータやアプリのデータなど、ユーザーの情報が断片化していますが、「AIXON」(アイソン)を使ってAppierの持つユニークユーザーと照合することで、ユニークユーザーレベルでユーザーの興味・関心が判断できるようになり、自社のCRMデータをよりリッチな情報にアップグレードすることができます。

 

 

誰がライトユーザーからヘビーユーザーになりやすいかや、ロイヤルユーザーはどのような分野に興味・関心が高いかなどを予測モデルをベースに分析することができ、より効果的で最適なメッセージをユーザーに伝えることができるようになります。

 

また、そうして分析したデータを広告配信に活用できることも「AIXON」(アイソン)の大きな強みと言えるでしょう。AIを使ってオーディエンスを分析することができるツールは他にもありますが、広告の配信にまで活用できるのは大きな特長のひとつと言えるでしょう。ユニークユーザーベースの広告配信プラットフォームを持つAppierだからこそできることだと思います。

 

「AIXON」(アイソン)の機能の詳細については下記の記事をご参考ください。

 

 

AIXON(アイソン)とLINEの連携。フォロワーに最適なメッセージが送信可能に。

2018年4月、Appierは「AIXON」(アイソン)が「LINE ビジネスコネクト」(LINEアカウントの各種機能を企業向けにAPIで提供し、活用できる法人向けサービス)と連携したことを発表しました。

 

製品担当マネージャー ベン・チャンさん
 

この連携により、LINE ビジネスコネクトを使用する企業は、AIで分析した自社のフォロワーに関するインサイトを入手することができ、フォロワー一人ひとりに適切なメッセージを配信することが可能になります。日本、台湾、タイ、インドネシアの「AIXON」(アイソン)とLINE ビジネスコネクトのユーザー企業は、2018年6月以降、この連携プラットフォームを利用することができます。

 

 

例えば、アパレル系EC企業がLINEのフォロワーにメッセージを送る場合、これまではユーザーごとに最適化したメッセージを送ることができなかったため、多くのユーザーにメッセージが送付できる一方で、開封率が低い傾向にありました。

 

このようなメッセージを何度も送付しているとユーザーからスパム認識をされてしまい、かえってブランドを棄損してしまう可能性があります。「AIXON」(アイソン)を使ってフォロワーのオーディエンス分析を行い、分析結果に応じてフォロワーをセグメントしてメッセージを出し分けることができれば、前述のようなブランド棄損を避けることが可能になります。

 

 

また、ユーザーがアイテムを買い物カゴに入れたが購入を完了していない、いわゆる「カゴ落ちユーザー」に対して、クーポンを送って購入を促すなど、あたかもリターゲティング広告のようにLINEのメッセンジャーを活用することも可能になります。

 

「AIXON」(アイソン)がマーケターにとってのアシスタントに

LINEのメッセンジャーのように、広告ではなくオーガニック領域で直接ユーザーとメッセージがやり取りできるのは広告主にとって非常に魅力的な機能ではないでしょうか?

 

LINEのデータだけを見ているだけではフォロワーに最適なメッセージを伝えることができませんでしたが、「AIXON」(アイソン)と併用して人ベースのオーディエンス情報と照合させることでよりユーザーに寄り添ったメッセージを送ることが可能になります。これは広告主だけではなく、ユーザーにとっても大きなメリットであると思います。

 

生活者の趣味・嗜好、行動パターンが細分化された現代では、マーケターがすべての人に最適なメッセージを考えることは非常に困難になっています。「AIXON」(アイソン)のようなAIを搭載したオーディエンス分析ツールを当たり前のようにマーケターが使いこなして、広告、オーガニックを問はずにユーザーに最適なメッセージを考える日もそう遠くはないのではないかと思います。

 

製品担当マネージャーのベン・チャンさんは、今後は「AIXON」(アイソン)をマーケターのためのAIアシスタントとして進化させて行きたいと述べています。マーケターとAIの関わり方の先例として、「AIXON」(アイソン)の今後の進化を注視していく必要がありそうです。今後の進化が楽しみですね!

 

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